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転移・再発の心配

[管理番号:1081]
性別:女性
年齢:43歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1114「化学療法前の状況

 
 
初めまして。 いつもここで勉強させていただいてます。
先月、手術が終わり病理結果がでましたが、早期の転移・再発が心配でなりません。
かなり落ち込んでいます。
毎年検査をしていましたが、去年の12月末にしこりを見つけ、かかりつけの乳腺科にて癌と
診断されました。トリプルネガティブでステージ3Cでした。
ガンセンターにて2月よりFEC4回、ドセタキセル4回行い、先月手術が終わり今月末より放射線治療を行います。
浸潤がんの遺残 12×10mm
核異型度 3
脈管侵襲 +
化学療法効果 グレード2A
リンパ節転移遺残有り 5/16
ホルモン陰性 (弱陽性)
HER2陰性
この結果を見ながら説明をされましたが、どう考えても予後が悪いとしか思えません。
放射線治療後は3ヶ月後、半年後、1年に1回の診察で経過観察となるそうです。
抗がん剤をする前のPET検査では脇から鎖骨にかけてリンパ転移が数えきれない位、ブドウの房のようにありました。FAC4回後のエコー検査ではリンパ転移が画像上消えてなくなり、乳房のしこりもとても小さくなり嬉しく思っていましたが、ドセタキセルで乳房のしこりが少し大きくなってしまったようです。
私のようなタイプの予後はどのような感じでしょうか?まだ子供が小さいので少しでも再発・転移を防ぎたいです。
先生、お忙しいでしょうがよろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 化学療法前の状況が解らないので化学療法後の状況での評価となります。
 10年生存率は75%程度となります。
 ホルモン療法(タモキシフェン)についての記載がありませんが、「1%以上陽性」であれば、行った方がいいとは思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

おはようございます。 先日はお忙しい中、早々に御返事をいただきまして ありがとうございました。病理結果を見て頭が真っ白になっていましたので、先生の回答を見て安心して涙がでてしまいました。
化学療法前の状況です。
元々、今回乳癌ができた場所にはのう胞があり、これは心配するものではないとのことでした。定期的に行っている人間ドックでもかかりつけの乳腺科でも診断されていましたので、のう胞に間違えがなかったと思いたいのですが・・・。
のう胞が突然癌化することがあるのでしょうか。場所も同じですし、もしかしたらと思ってしまいます。
3年位、定期検査のたびにのう胞がある状態でしたが、去年の12月末に突然大きなしこりを触り急いで乳腺科に行きましたらすぐに検体で年明けには告知されました。
その時点で触診、マンモ、エコーで見る限りはしこりは2センチで脇にもしこりがあるので、ステージ2bでした。
その後、すぐにガンセンターに行き検査をしたら、脇のしこりの検体でも癌細胞がでて、鎖骨下にもPET検査で数が確認できないほどの転移が確認されたので4日後には抗がん剤が始まりました。
その時のエコー検査で癌の大きさは2.8センチでした。ほんの1ヶ月前から0.8センチも大きくなっていたのでショックでした。
脇と鎖骨下のリンパはFEC4回終わってのエコー検査結果
<所見>
rt)9時方向に7×4×4mmの範囲で構築の乱れを伴う低エコー域を認める。
乳頭間距離=52mm 明らかなLN swelling(-)
<診断>
lt)np
rt)化療後残存ca>化療後瘢痕化
この時点で脇、鎖骨下、乳房のしこりは自分で触っても分からないぐらいになり、このまましこりは消滅してくれるかもと期待しましたが、ドセタキセルはFECほど効果はなかったようです。その後は手術をして今に至ります。
乳房のしこりの大きさ(エコー)→FEC終了時0.7mm ドセタキセル終了時1㎝
病理結果について先生にお聞きしたいのですが
・リンパ節転移遺残有り 5/16 とは16個転移があって5個に癌が残っていたということでいいのでしょうか?
FECが終わった時点で画像上は見えなくなっていたのに5個も残っていたということはドセタキセルで悪化したのでしょうか。
・脈管侵襲が+ということは抗がん剤も術前に終わっていますし、術後は癌細胞が体中を回ってしまわないですか?
気持ち的にはもう一度効果のあったFECをやりたい位です。
・前回ホルモン療法について先生からお話いただきましたが、1%以下ならやらないほうがいいのでしょうか。次回の診察の時に主治医に何%反応があるのか確認して1%以上ならホルモン療法がしたいと話をしてみます。
お忙しい田澤先生にお聞きするのでなく、主治医に聞くべきでしょうが
先生の回答は他の方にされているのもそうですが、いつも分かりやすく、この先自分は大丈夫だと思わせてくれます。本当にありがとうございます。
たくさん質問をしてしまい申し訳ありません。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
経過をみると、「ドセタキセル」は無効だったようですが、「抗がん剤が必ず効くものではない」以上、仕方が無い事です。
最初に行ったFECが「有効」であっただけでも良かったと考えるべきです。

回答

「のう胞が突然癌化することがあるのでしょうか」
⇒ありません。
 嚢胞は決して癌にはなりません
 可能性があるとすれば「嚢胞ではなく(実は)嚢胞内癌だった」というものです。
 ♯嚢胞内癌は嚢胞では有りません。
 「嚢胞に見えた」が実は「嚢胞内腫瘍」であり、それが「後日判明する」というパ
ターンかもしれません。
 
「リンパ節転移遺残有り 5/16 とは16個転移があって5個に癌が残っていた
ということでいいのでしょうか?」
⇒違います。
 16個郭清した中で転移が5個だった(残りの11個には転移が無かった)ということです。
 ♯分母の16は「摘出したリンパ節の個数を示しており、抗がん剤前の時点でのリンパ節転移の個数ではありません」
 
「FECが終わった時点で画像上は見えなくなっていたのに5個も残っていたということはドセタキセルで悪化したのでしょうか」
⇒おそらく違います。
 「画像上見えなくなっていた=転移消失」ではありません。
 その時点でも「癌細胞が(画像では見えなくなったとしても)リンパ節には生き残っていた」と思います。
 ♯一度、「完全に消失した癌細胞が復活する」ことはないと思います。
 
「脈管侵襲が+ということは抗がん剤も術前に終わっていますし、術後は癌細胞が体
中を回ってしまわないですか?」
⇒これも勘違いです。
 「脈管侵襲は摘出した癌組織での様子」でしかありません。
 「癌細胞が血管の中に存在している」様子を見ている訳ではないのです。
 
「1%以下ならやらないほうがいいのでしょうか」
⇒無効なのに、行う事は推奨されません。
 やはり「1%以上」の反応性が有る場合に行うべきです。
 
○最近、「術前抗がん剤中の効果」について悩んでいる人からの質問が多いようです。
 「術前抗がん剤での効果を予後と結び付けて悩む」必要はありません。
 本来の姿である術後補助療法のように、「効果が目に見えないかわりに(余計な心配等無しに)一喜一憂せずに、やるべき事をやる」という方が、精神衛生上もいいように思います。(効果は同じだし)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

いつもお忙しい中、質問にお答え下さり ありがとうございます。
10月末に放射線治療が終わり、トリネガのために無治療です。
最近、気になることが出てきましたので質問させて下さい。
8月中旬に全摘手術→9月末から放射線治療→10月末に放射線治療が終わりました。
放射線治療後の皮膚のめくれが落ち着いてきましたが、2週間位前にお風呂上がりに手術の傷跡に沿って1センチ位、皮がめくれました。
めくれた皮を見ると白い膿がドロッとついていて、傷跡が少し赤くなってい
ました。膿はすぐに固まり3日位で元に戻りました。一昨日の夜にも同じことが起こり、これは皮膚転移をしているのではないかと心配でなりません。
一昨日の膿がでた場所は以前膿が出た箇所の横で、やはり手術跡に沿っています。
今は傷跡はふさがり、周りが赤くなっています。
主治医の診察は来年なので心配で昨日診察を頼みましたが様子見でと言われました。
心配のあまり胃が痛いです。
この症状から皮膚転移は考えられますか?
皮膚転移の症状とはどの様な出方なのでしょうか?
お忙しい中、申し訳ありませんが よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
メール読みました。
一言でいうと「皮膚転移の心配など、全く無用」です。
症状の記載からすると(放射線照射が影響した)「創部治癒遅延に伴う皮弁の炎症」です。

回答

「この症状から皮膚転移は考えられますか?皮膚転移の症状とはどの様な出方なのでしょうか?」
⇒全く関係ありません。
 皮膚転移と炎症や膿瘍は全く無関係です。
 皮膚転移とは「赤い発疹(触ると普通の発疹よりは硬い)」として「ぽつぽつ」出てきます。
 但し「術後早期」などあり得ない話であり、「余程、病状が進行していた」か「再発を繰り返す」中で出てきます。
 決して「術後早期に起こる症状ではない」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

いつもお世話になります。
毎日、先生の的確で分かりやすい説明に救われています。
本当にありがとうございます。
最近気になる事が出てきてしまい、お聞きしたいことがあります。
??元々、ステージ3Cで鎖骨下のリンパがかなりの数が腫れていました。
術前化学療法→手術(右側全摘、腋窩郭清16個中5個転移)→放射線で今に
至ります。
一昨日位から、首の右側(首の外側ではなく喉仏の横から鎖骨の上)が腫れてきました。
これは鎖骨上のリンパに転移と考えれますか?
先月○○日に血液検査をしましたが、腫瘍マーカーは上がっていませんでした。
??以前にも皮膚転移でお聞きしましたが、またお聞かせください。
去年の終わりから、放射線を当てた部分が(胸と鎖骨)痒くて保湿を心がけていました。
今月に入り堪えられない痒さになり、お腹、背中、腿、腕にひろがってきました。
見た目は赤くプツプツしています。
特に放射線をあてた部位が酷いです。
ただ、風呂に入った後に痒みが増しますので冬で皮膚が乾燥をしているからなのか分かりませんが。
術後まだ半年しかたっていないので大丈夫だと思いたいのですが、トリプルネガティブで増殖も早いので不安になっています。
よろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
「首の右側(首の外側ではなく喉仏の横から鎖骨の上)が腫れてきました。これは鎖骨上のリンパに転移と考えれますか?」
⇒非常に気になる部位です。
 表現が難しいですが「鎖骨の窪みの中」ですか?
 一度「エコーしてもらいましょう」
 
「先月○○日に血液検査をしましたが、腫瘍マーカーは上がっていませんでした。」
⇒鎖骨上リンパ節転移が(もし存在しているとしても)其の程度では「腫瘍マーカーは動きません」
 
「今月に入り堪えられない痒さになり、お腹、背中、腿、腕にひろがってきました。
見た目は赤くプツプツしています。特に放射線をあてた部位が酷いです。」
⇒(放射線による)「皮膚炎」ですね。
 もしも「皮膚転移を気にしている」のであれば、心配し過ぎです。
 皮膚転移は「いきなり、そんな広範囲に出ることは無い」のです。
 
 

 

質問者様から 【質問5】

いつも的確な回答をありがとうございます。
おかげさまで元気に過ごしています。
2015年2月 術前抗がん剤 FEC、ドセタキセル
2015年8月 全摘手術
2015年10月 放射線
トリネガ 3C 現在無治療です。
1月の終わりから咳が止まりません。
最初、少し熱っぽい日があり、それから咳だけが続いています。
空咳と
いうより痰がからんだ咳です。
他には症状はありません。
市販の咳止めを飲むとだいぶ治まります。
今月初旬に定期検診(腫瘍マーカーと触診)がありましたが異常はあり
ませんでした。
まさかと思いたいのですが、肺転移をしていないか気になります。
肺転移の症状とはどのようなものでしょうか?
お忙しい中、よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。
「少し熱っぽい日があり、それから咳だけが続いています。空咳というより痰がからんだ咳」
→常識的に考えれば「気管支炎」でしょう。
「まさかと思いたいのですが、肺転移をしていないか気になります。」
→心配な気持ちは解りますが…
 経過が違います。
「肺転移の症状とはどのようなものでしょうか?」
→かなり大きくなる(正確にいうと、単発となることは少ないので、数が増えてそれぞれが大きくなる)まで「無症状」です。
 それなりに「大きく、多数」となると「呼吸困難や咳、息切れ」がでます。
 ♯ただし、そんな風になるまでに「腫瘍マーカーが上昇」します。
 
 

 

質問者様から 【質問6】

いつもお世話になります。
昨日は先生がテレビに出てらっしゃって感動しました。
これからもメディアで乳がん患者を力づけて頂ければと思います。
お聞きしたい事が出てきてしまいました。
2015年2月 術前抗癌剤 FEC、ドセタキセル
2015年8月 全摘手術(リンパ転移 5/16)
2015年10月 放射線
トリネガ3C 現在半年に1回血液検査、1年に1回マンモをしています。
今月の頭から手術の縫い目の端、胸骨側に白くて丸い小さなできものが1つできました。
周りの皮膚は赤くなっています。
ニキビかと思い、薬を塗っていましたが治らず、できものが大きくなってきたように思います。
皮膚の下にはシコリはないように思いますが、手術の縫い目の上なのでデコボコしてよく分かりません。
2月の腫瘍マーカーは正常でした。
次回の病院は9月ですので、それまで待ってもいいのでしょうか?
よく皮膚転移の始まりはニキビっぽいできものができて気がつくと聞いた事があり、心配をしています。
全摘後、放射線もしていますので、手術の縫い目に皮膚転移をするとは考えたくありませんが…
皮膚の状態をご覧になっていないのに、お聞きするのもどうかと思いましたが、よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。
「次回の病院は9月ですので、それまで待ってもいいのでしょうか?」
⇒頻度的に一番可能性があるのは、縫合糸に関連したもの(縫合糸など)です。
術後2年近くになるようですが、その可能性はあります。
また、「周りの皮膚は赤くなっています。」というところからも(縫合部の皮膚の毛穴が詰まって)角質が炎症を起こしているのかもしれません。
暫く様子をみていて「変化がなければ」予定通りの9月でいいでしょう。