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38.6度の発熱→タモキシフェンを疑うべきでしょうか?

[管理番号:3998]
性別:女性
年齢:44歳
いつも大変お世話になりましてありがとうございます。
先生に教えていただきたいことがございました。
海外の治療で、抗がん剤は10月(上旬)日TCH法6クール目が終了しています。
10月20日 ハーセプチン単独 当日37.8度 発熱
11月10日 ハーセプチン単独  発熱なし
以下症状です。
10月25日の朝8時半  タモキシフェン20mg 1錠を飲む
10月25日正午   体のだるさのため安静
10月25日14時   体温 37.4度 アセトアミフェン500mg2錠飲む・震えるくらい寒い
10月25日14時30分 体温 37.8度 
10月25日15時00分 体温 38.2度 シプロベイ500mg 1錠を1日2回 5日間服用
10月25日21時00分 体温 38.6度 
10月26日16時30分 体温 38.2度
6時間起きに、アセトアミフェンを飲み、体温が一時的に下がるが切れると上がるを繰り
返す
10月26日22時30分 37.8度 アセトアミフェン500mg2錠服用を止める
以降11月6日まで 体温37.0-37.4度 が続く
発熱時の体の症状 
全く、風邪の症状はない。。
突然寒気がして、震えはじめ、発熱した。
発熱中の手術(2016.5月)をした部分の観察 
発熱する午前中まで、まったく痛くなかったが、発熱してから痛みと赤みが、、
一時帰国
11月(上旬)日 受診 術側の胸にリンパ液がたまっていたので、注射で抜き取り検査(結果待
ち)
クラビット500mg 75mlの点滴 その後、飲み薬 クラビット500mg 3日間服用 血液検査
(結果待ち)
11月(中旬)日 結果 血液検査 CRP 1.29H ・リンパ液 細菌報告 異常なし
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先生へのご質問
1.多くの方が飲んでいる、タモキシフェン飲んで、当日に突然、雪山にいるぐらい震えるぐらい寒くなってきて(ここは真夏です)発熱しました。
今回の38度6の発熱は、
タモキシフェンを疑うべきでしょうか?
2.このような症状がありましたので、その日以降、タモキシフェンは止めていますが、
主治医からは、来週にもう一度タモキシフェンを、試してみてと言われています。
死ぬわけではないですが、あの地獄をまた体験するのか?と
発熱時は、海外にいたため、保険がきれて、病院に行けず、血液検査もできなかったので理由もわからないという、自業自得ではあるのですが、、
ネットで調べたところ、どうしても、タモキシフェンの薬物反応、無顆粒球症の症状とかぶるのですが。。。
喉は痛くなかったです。
一番痛くなったのは、手術のところです。
無顆粒球症が原因で、
その後、術後の胸が炎症を起こしたのではないかと。。
シプロベイ500mgを5日分貰っていたものを飲んだので、中途半端に効いて、熱は下がったけど、微熱が続いていたのではないかと。。
主治医は、38.6度の発熱のリスクを再び起こす可能性があるとしても、二度薦めるということは、ワタシにとって、重要な治療のため、必要だからでしょうか?
田澤先生は、もう一度、タモキシフェンを勧めますか?
2.ホルモン治療が、いつまで待てる という考えはおかしいかもしれませんが、
田澤先生の過去の相談内容で、ホルモン治療は、
いつスタートするのか?ではなく
いつまで続けられるのか?
が重要と書かれているのを拝見しました。
閉経している可能性もひじように高いのですが、
妊娠希望(卵子冷凍済み)のため、待てるのであれば、ホルモン剤の使用を遅らせ、
生理を待ちたい気持ちがあります。
いつまで待てるものなのでしょうか?
3.以前から、疑問に思っていることがございました。
手術の癌細胞 グレードが1でホルモン陽性なのに、Ki67 50%で HER2 Fish法で増幅あり
進行が速いのか、遅いのか?
ワタシの体の中にある癌は、進行が速いもものあれば、遅いものもあり癌細胞の性質は、同じではないという理解でよろしいのでしょうか?
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経緯
2016年5月手術 左胸全摘出(皮膚と乳首温存) リンパ廓清
同時再建シリコン
結果
組織型 Paillotubular Carcinima with Mucinous Production
WHO分類 Carcinima of mixed type:Invasive Carcinima of no special type
and Mucinous Carcinima
大きさ 肉眼的 22×22×12mm
顕微鏡的 浸潤部 13×7mm In situを含めると 62×30×10mm
リンパ節 Level Ⅰ(1/9) LevelⅡ(0/2)
核異型度 Nuclear atypia 2:Mistosis, score1ですので Nuclear Gardeは1になります
水平断端 陰性
体表側断端 陰性
胸壁側断端 陰性
乳頭側断端 陰性
ER +70%
PgR +20%
HER2 socre2のため再検査
Ki67 labeling index: 50%
HER2 socre2のため再検査結果
HER2シグナル/chr17総シグナル 114/39=2.06 増幅あり
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「今回の38度6の発熱は、タモキシフェンを疑うべきでしょうか?」
⇒状況的には「候補の一つ」であることは間違いありません。
 典型的では無いので、判断は困難です。
「2.このような症状がありましたので、その日以降、タモキシフェンは止めていますが、主治医からは、来週にもう一度タモキシフェンを、試してみてと言われています。」
⇒担当医の言う事も解ります。
 タモキシフェンが唯一の治療法であることを考えると、「諦めきれずに、本当なのか確認したい」ということだと思います。
「ネットで調べたところ、どうしても、タモキシフェンの薬物反応、無顆粒球症の症状とかぶるのですが。」
⇒それは違うと思います。
「主治医は、38.6度の発熱のリスクを再び起こす可能性があるとしても、二度薦めるということは、ワタシにとって、重要な治療のため、必要だからでしょうか?」
⇒唯一の治療だからです。
「田澤先生は、もう一度、タモキシフェンを勧めますか?」
⇒やはり「典型的な症状では無い」ので、(諦めきれずに)「試してみることを勧める」とは思います。
「妊娠希望(卵子冷凍済み)のため、待てるのであれば、ホルモン剤の使用を遅らせ、生理を待ちたい気持ちがあります。 いつまで待てるものなのでしょうか?」
⇒ハーセプチン単剤が終了してから妊娠を考えた方がいいのではないでしょうか?
 ホルモン療法は「妊娠出産後」でも構いません。
「進行が速いのか、遅いのか?ワタシの体の中にある癌は、進行が速いもものあれば、遅いものもあり癌細胞の性質は、同じではないという理解でよろしいのでしょうか?
「手術の癌細胞 グレードが1でホルモン陽性なのに、Ki67 50%で HER2 Fish法で増幅あり進行が速いのか、遅いのか?ワタシの体の中にある癌は、進行が速いもものあれば、遅いものもあり癌細胞の性質は、同じではないという理解でよろしいのでしょうか?」
⇒考え過ぎです。
 グレード1でもKi67=50%のものもあるし、HER2陽性もあります。
 「HER2陽性を悪者扱い」する考え方からは脱却しましょう。
 あくまでも「サブタイプは術後療法の適応のためにある」という考え方に切り替えましょう。