乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:2335]
性別:女性
年齢:59歳

田澤先生

はじめまして
手術の方法について悩んでいます。

病理検査の結果が出ました。

MRIは2月初旬、CTは2月中旬に検査します。

■病理検査結果
・マンモトーム検体 4本
・浸潤性乳管癌 1.4cm
・腫瘍周囲にはリンパ球主体の炎症細胞浸潤が目立つ
・脈管浸襲あり
・核異型 スコア3
・核分裂像 40個 スコア3
・HER2 1+の陽性
・エストロゲン レセプター 陽性 70~80%
・プロゲストロン レセプター 陽性 1~2%
・Ki67 40~50%

MRIの検査で他に腫瘍が見つからない場合、手術は温存も可能となり、全摘とどちらにするか選んで下さいと言われました。

主治医にどちらをすすめますかと聞いたら、
「どちらでも良い。予後は変わらない。ただし、全摘の場合、胸での再発は100%無いが、温存+放射線は100%では無い。」

予後が同じであるなら、体に負担が少ない、再発の心配が無い等、
それぞれのメリット/デメリットを自分に当てはめて選ぶという事なのでしょうが、なかなか自分では決められません。
専門家のアドバイスが欲しいです。

Ki67が高い、核異型度スコア3、核分裂スコア3、脈管浸襲あり、このような状況で温存手術を選択しても大丈夫なのか心配です。

どちらの手術を選択しても抗がん剤は使用する可能性が高く、術後の病理検査で決まります。

田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。

よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

cT1c(14mm), cN0, luminal, NG3

「どちらでも良い。予後は変わらない。ただし、 全摘の場合、胸での再発は100%無いが、温存+放射線は100%では無い。」
⇒正に「この通り」です。

 「全摘後の局所再発が100%無い」と言い切れる外科医であるべきです。
 

「Ki67が高い、核異型度スコア3、核分裂スコア3、脈管浸襲あり、このような状況で温存手術を選択しても大丈夫なのか心配です。」
⇒全く無関係です。

 これらの因子は「あくまでも全身治療に関係」するもので「術式選択とは無関係」と考えるべきです。
 

「田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。」
⇒術後照射が(通院などの面で)自分にとって負担が少ないものであれば、「温存でいい」と思います。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生

先日はすぐにご回答いただきありがうございました。

手術は温存で申し込みました。
日程はまだ決まっていません。

未だにこの選択でよいのか日々悶々としております。

温存+放射線治療をした場合、部分再発のリスクを1/2~1/3に抑えると担当医師から説明を受けました。

部分再発率は何%になると考えてよいのでしょうか?

もし部分再発した場合、その乳がん予後因子は最初の乳がんと同じなのでしょうか?

もし同じ予後因子であれば、私の場合、グレード3、Ki67 40~50%のため、再発乳がんの遠隔転移を考え、今後予定されている全身治療(抗がん剤・ホルモン療法)を再発時にも再度実施する事もあるという事でしょうか?

私は必ず2年に一度は人間ドックでマンモグラフィーを受けていました。

昨年の10月には市の検診も受診して異常なしの通知を11月にもらいました。

しかし左胸の痛み等があり、念のために乳腺外来を受診したところ、
エコーで偶然にも右胸の乳がんを見つけてもらいました。

このような経過があり、部分再発をすぐに見つけてもらえるのかとても心配です。

いろいろと考えてしまいます。

もし温存手術を全摘手術に変更した場合、手術日がまた遅くなる可能性があります。

今の病院の初診が12/○○、コアニドル針生検とマンモトーム針生検をしたので、結果が出たのが1/○○です。
もし手術式を変更して手術が3月下旬になった場合、転移などを考えると危険でしょうか?

私の組織結果の場合、5年後と10年後の遠隔発生率と生存率を教えて下さい。

田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。

少しづつ自分の気持ちを整理していきたいと思います。

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「部分再発率は何%になると考えてよいのでしょうか?」
⇒一般的には5%前後です。
 

「もし部分再発した場合、その乳がん予後因子は最初の乳がんと同じなのでしょうか?」
⇒その通りです。
 

「再発乳がんの遠隔転移を考え、今後予定されている全身治療(抗がん剤・ホルモン療法)を再発時にも再度実施する事もあるという事でしょうか?」
⇒それは不要です。

 あくまでも「局所再発の治療」は「局所治療(手術±放射線)」です。
 

「もし温存手術を全摘手術に変更した場合、手術日がまた遅くなる可能性があります。」
⇒これは何故?

 「温存術」も「全切除」も「手術時間も一緒」だし「何も替ることはありません」
 そのまま「変更可能」な筈ですが…

 もしかして「全摘の場合には、必ず同時再建する」という方針なのでしょうか?
 

「手術が3月下旬になった場合、転移などを考えると危険でしょうか?」
⇒それ程の期間ではありません。
 

「私の組織結果の場合、5年後と10年後の遠隔発生率と生存率を教えて下さい。」
⇒5年は解りませんが…

10年遠隔発生率 10年生存率(他病死7%を含む)
無治療 29% 81%
ホルモン療法のみ 17% 84%
ホルモン療法+化学療法 13% 86%

 

「田澤先生のご意見をお聞かせ下さい。」
⇒MRIで「温存可能なら温存」でどうでしょう?

 全身療法とは「切り離して」病変の拡がりだけで判断すべきです。(シンプルに行きましょう)
 

 
 

 

質問者様から 【質問3】

田澤先生

以前、手術の選択について相談させて頂いた者です。

3/(上旬)に無事右胸温存手術を終えました。

アドバイスありがとうございました。

術後の病理結果が出ました。

■術後の病理結果
・充実腺管癌:1.1×1.0×0.8cm (切除検体 6.6×5.7×2.8cm)
マンモトーム生検で組織をかなり取ったので小さくなったと説明あり。

手術前の画像上は、1.4cm
・核異型:スコア2
・核分裂:スコア3 (35個程度/10hpf)
・ki-67:40-50%
・エストロゲンレセプター、:80%
・プロゲステロンレセプター:20-30%
・HER2:1+
・リンパ管、静脈侵襲なし
・リンパ節転移なし

■マンモトーム生検の病理結果
・核異型:スコア3
・プロゲステロンレセプター:1-2%
・脈管侵襲あり
上記以外は術後の病理結果と同じです。

2点ほど質問させて下さい。

質問①
マンモトーム生検の時は「脈管侵襲あり」でしたが、術後の病理結果は「なし」になっています。
これはどう考えればよいのでしょうか?

質問②
今後の治療について、担当医から「放射線療法25回」「ホルモン療法5年」は確実で、「TC療法4回」はできればやった方がよいが、自分で決めて下さいと言われました。

田澤先生なら、抗ガン剤を勧めますか?

どうぞよろしくお願い致します。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

無事に「温存手術が終了」しましたね。
大変良かったです。

「質問①マンモトーム生検の時は「脈管侵襲あり」でしたが、術後の病理結果は「なし」になっています。これはどう考えればよいのでしょうか?」
⇒これは「シンプルに」マンモトーム生検は「サンプリング検査だから」ということです。

 標本全体でみると「脈管侵襲は目立たない」のでしょう。
 ○脈管侵襲は「参考程度」にとどめましょう。
 

「質問②今後の治療について、担当医から「放射線療法25回」「ホルモン療法5年」
は確実で、「TC療法4回」はできればやった方がよいが、自分で決めて下さいと言わ
れました。」「田澤先生なら、抗ガン剤を勧めますか?」
⇒pT1c, pN0, pStage1
 十分な早期乳癌。しかもホルモン感受性陽性(luminal type)です。
 ホルモン療法は必須ですが、抗がん剤を「上乗せするべきか、どうか」

 問題なのは「NG3, Ki67=40~50(つまりluminal B)」というところでしょう。
 教科書的には「luminalBで腫瘍径も10mm以下ではない」=「抗がん剤の適応」となりますが…

 ○私であれば、上記「抗がん剤の適応はありますよ」と説明した上に、ただし「その上乗せ効果は、僅か4%しかない」こともお話します。
 ここで「先生が勧めるのは?」と聞かれれば「ホルモン療法単独」とします。

 「上乗せ4%」は「抗がん剤の副作用とのバランスしない」と思うからです。
(私個人の意見としては)
 ただし、これは「1%でも再発率を減らせるなら、頑張りたい」という人から「(副作用が嫌なので)極力抗がん剤はしたくない」という人まで、個人個人の価値観は「実に多種多様」です。
 その価値観に沿った治療法とすべきです。

 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生

こんにちは
以前、術式と抗癌剤について相談をさせていただきました。

手術は「温存手術」、抗癌剤は「しない」と決定し3/(上旬)に手術をしました。

その節はありがとうございました。

現在はレトロゾールとロカルトロールを服用しています。

毎日このQ&Aを見て乳癌について勉強させていただいています。

Q&Aには抗癌剤をするかどうかの相談が多く、それに対して先生は、
Ki67が30%以上なら「オンコタイプDX」を受ける事を推奨されています。

そして11/6の今週のコラム「Ki67が「30未満」ならホルモン療法単独、Ki67が「30以上なら、Oncotype DXを推奨」しています。」にもオンコタイプDXについて記載がありました。

私は3/(上旬)に温存手術をし、担当医からは抗癌剤を検討する理由は、
「Ki67が40~50%である事のみ」であると説明を受けました。

抗癌剤をする事で再発率が4%しか下がらない事や体への負担等を考え、悩んだ末に抗癌剤をしない事に決めました。

現在、元気に生活しておりますが、Q&Aと今週のコラムを読むうちに今からでも「オンコタイプDX」を受けたほうが良いのかと考え始めました。

今さらという気持ちもあり、この投稿も悩みましたが、先生のご意見をお聞かせ下さい。

≪ 術後の病理結果 ≫
・充実腺管癌:1.1×1.0×0.8cm (切除検体 6.6×5.7×2.8cm)
 マンモトーム生検で組織をかなり取ったので小さくなったと説明あり。

 手術前の画像上は、1.4cm
・核異型:スコア2
・核分裂:スコア3(35個程度/10hpf)
・ki-67:40-50%
・エストロゲンレセプター:80%
・プロゲストロンレセプター:20-30%
・HER2:1+
・リンパ管、静脈侵襲なし
・リンパ節転移なし

■質問1
これから「オンコタイプDX」を受けて、その結果を基に術後1年経過してからの抗癌剤の実施を検討する事は意味がありますでしょうか?

■質問2
担当医の説明では、抗癌剤は術後3カ月以内に始めるのがベストとの事でした。

もしも「オンコタイプDX」の値が高く、手術後1年経過してから抗癌剤を開始した場合、
手術直後に開始した場合と比較してその効果にどのぐらいの差があるのでしょうか?

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

「■質問1 これから「オンコタイプDX」を受けて、その結果を基に術後1年経過してからの抗癌剤の実施を検討する事は意味がありますでしょうか?」
⇒これは一般的には行われないことです。

 おそらく担当医に話しても「今更できない」と言われるのではないかと想像します。

「もしも「オンコタイプDX」の値が高く、手術後1年経過してから抗癌剤を開始した場合、手術直後に開始した場合と比較してその効果にどのぐらいの差があるのでしょうか?」
⇒これは「全く未知数」です。
 誰も「答えられない」ことだと思います。

 ただ「晩期再発を含めた、乳癌の再発の特徴(要は大人しいから、再発まで時間がかかる)」から類推すると、「決して無意味ではない」と予想できます。

○今回の件については、病院によって対応が変わるでしょう。
 担当医に熱意が伝われば「できない事では無い」筈です。





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