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浸潤性小葉がんの術後治療

[管理番号:1757]
性別:女性
年齢:51歳
はじめまして。
51歳
閉経後(1年半ほど前から生理はありません)
10月7日に右乳房全摘、腋下リンパ郭清。
昨日 病理結果の説明を受けました。
手術前は
大きさ2cm+
エコー上リンパ節の異常はなし
硬癌(?)
ホルモン陽性のおとなしいタイプ
との説明でした。
場所が乳頭近くで 腫瘍から乳頭部に伸びるように見えるということで
全摘と決まりました。
センチネル生検で3mmのリンパ転移が見つかり、リンパ郭清。
病理検査結果(わかりやすいように表に記入したもの)
浸潤性小葉がん 非浸潤乳管内がん
大きさ1.5cm×1.1cm
核異型度 3
ly あり
v  あり
リンパ節転移 レベルⅠ 2個
ER100%
PR100%
HER2蛋白 スコア0
Ki-67 30%
ホルモン治療(通常5年)
ということで、レトロゾール錠2,5mgの処方を受けました。
主治医はホルモン療法適応の ギリギリ適応範囲とのことです。
核異型度とリンパ節転移、ly+v+とKi-67も気になります。
小葉がんはおとなしいタイプが多いのに・・・と主治医も言っておりましたが、この検査結果は再発・転移の「高リスク」になるのでしょうか?
化学療法をした場合との差はどのくらい予想されるでしょうか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1c(15mm), pN1(3個),pSgageⅡA, luminal type

回答

「主治医はホルモン療法適応の ギリギリ適応範囲とのことです」
⇒私も同意見です。
 「luminalAかBか?」⇒ Ki67が30なので「ギリギリ境界」と言えます。
 「luminalAとして化学療法の適応は?」⇒「リンパ節転移4個以上ではない」ので「ギリギリ(化学療法をしない)範囲内」といえます。
 
「この検査結果は再発・転移の「高リスク」になるのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
 ステージ2Aなので、「高リスク」とはなりません。
 
「化学療法をした場合との差はどのくらい予想されるでしょうか?」
⇒12%です。
 担当医のいう「ホルモン療法適応の、ぎりぎり適応範囲」という数字と言えるでしょう。
 ○私の感覚では「一桁の上乗せ」なら(副作用とのバランスから)化学療法しない
 「15%以上の上乗せ」ならば「化学療法推奨」
 その中間(10-14%)は悩ましい数字(ご本人の考え方次第)と思っています。
 ♯あくまでも私個人の感覚です。