Site Overlay

ルミナルb、ステージ2b化学療法と婦人科治療の影響について

[管理番号:5570]
性別:女性
年齢:51歳
田澤先生
Q&Aの、いつも迅速で明確なご回答、大変参考にさせていただいております。
お忙しいところ大変申し訳ありませんが、私の化学療法及び婦人科治療歴へのご意見をお願いいたします。
現在51歳です。
35歳、37歳で出産しています。
生来性の発達障害と気分障害があり、10年ほど前から精神科治療を受けています。
地元大学病院で20年近く歯科・一時は精神科・婦人科で受診しており、
今年の3月、3年間治療を続けていた子宮腺筋症根治目的で、健康な卵巣は残し、子宮を全摘出しました。
その終診1週間後の5月中旬、時折気を付けて行っていた自己触診で、
左乳房の9時方向に、子宮摘出手術前には全く自覚がなかった、大きなしこりを見つけました。
6年前に検診を受けた機関でマンモグラフィー検査を受けましたが映らず、オプションのエコーで2センチ強のしこりが確認されました。
信頼できる病院をと言うことと、各診療科のカルテがあり、自宅からも通いやすい、前述の大学病院乳腺外科に紹介されました。
改めてエコー及びMRIで主腫瘍径約2.1センチと娘腫瘍合わせて2.9センチ、他に乳頭下に向かって不明瞭な怪しいのがあり、リンパ節一個に異形が見られる。
マンモトーム生検でホルモン受容体陽性、HER2陰性、ki-67が58、とのことでした。
温存も可能と言われましたが、広がりが大きく乳頭のすぐ側におよんでいる実感があり、乳腺全体の大きさから温存しても乳房の原型を留める見込みはないと感じ、確実さと、再建を考える場合のために放射線治療を避けて、全摘を選びました。
7月下旬に摘出手術を受け、9月中旬に病理検査の結果をカルテ開示で知らされました。
病理レポートは裁判所を通しての法的手続きが必要とのことで貰っていません。
要点だけメモを取ったものですが、病理診断の結果です。
主腫瘍径2.8センチ
広がり約5センチ
リンパ・血管浸潤あり
ki-67 51
腫瘍グレード3
センチネルリンパ生検でリンパ節に微小転移一個を郭清
ルミナルbタイプ
ステージⅡb
化学療法EC→DTX triweekly各1クールを半年間、その後のホルモン療法と合わせて10年間の抗癌剤治療を提示されました。
あらかじめこちらのQ&Aを参考にさせていただいておりましたので、ルミナルb、ステージⅡbならばTC、希望によってはCMFと考えておりました。
主治医にそれぞれを尋ねましたが、CMFは古い治療法で効果が小さくもっと高齢者の場合、TCでは足りない、と言われました。
1週間後、治療意思確認の診察で、私から、同じタキサン系を使うならtriweeklyDTXよりweekly PTXの方が効果が大きいのでは?
私は仕事を続けながらで、投与後の1週間はお休みするように無理やり調整しているところなので、副作用の強弱が少なく低空飛行で仕事を休まずに済みそうなweekly PTXが良いのでは?と尋ねました。
返事は、私の場合はweekly PTXを使うほど深刻では無い、トリネガなどのもっとリスクの高い場合に使う、weeklyはECの後だと身体の負担が大きい、さらに「PTXは転移の時に使えるのでとっておく方が、いや、そう言っちゃあなんだけど…」との言葉も漏らされました。
その時は家族の為にできること全てをと思い、今月(中旬)日からの投薬開始を決めて帰ってきましたが、主治医の、ECじゃ足りない、PTXほど深刻じゃ無い、の言葉に、その線引きは何処か?私のリスクの程度は?とずっともやもやしていました。
さらに、最初の治療計画の提案の際、biweeklyEC・dose dense法の治験をまず持ち出され、私は仕事を続けながら治療を受けると伝えているはずと言ったら、すぐにその話を取り下げられた事を合わせて思い出しました。
治療に熱心で、決して悪い先生とは思ってはいませんが、ご多忙からか、主治医は、患者の生活状況やQOLへの関心が希薄のように感じます。
初回投与予定日の前日、一昨日の朝に外来受付に連絡し、治療に納得できていない事、おそらく予期不安や緊張のせいか、咳(これは今日、内科で咳喘息と言われました)や吐き気、胸苦しさ、腰痛が出ている事を伝えて、初回予定を中止してもらい、来週の月曜日に、夫も一緒で、再度の相談をする事になりました。
adjuvant!onlineの10年予測によれば、主治医の勧める治療を全部受けたとしても奏功せず転移する確率は、化学療法の上押せ効果の倍以上、
2割はあると理解しています。
補助療法なしでも無病率は6割。
正直、標的のはっきりしない、苦しいばかりの治療に思えます。
長く続けてきた治療と手術の連続で、気持ちも弱ってきています。
それでも、自分も後々納得の出来る治療をと考え、TC療法1クール、そしてホルモン療法を望んでいます。
それとも、私のタイプ、ステージでは、主治医の言う通り、EC→DTXの方が適切な治療なのでしょうか。
それと、急激に大きくなった感のある腫瘍でした。
婦人科での治療に2年以上使用したミレーナ、子宮摘出直前に数週間服用したプラノバール、そして子宮摘出手術は、乳癌の進行になにか影響したのでしょうか。
長文になり申し訳ありません。
ご意見どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
物事はシンプルに考えましょう。
1.ルミナールタイプでの化学療法ならば、TCでいいと思います。(患者さん側からの希望を押し切ってまで「アンスラタキサン」とする根拠がありません)
  ♯dose dense ECを最初に勧めたくらいですから、(患者さんを考えてのことではなく)単に「大学としての方針」に縛られている様です。
2.婦人科系との関係は不明ですし、そんなことを想像しても全く無意味です。
「それでも、自分も後々納得の出来る治療をと考え、TC療法1クール、そしてホルモン療法を望んでいます。」
⇒それでいいのです。
 そこを「敢えて、押しきる程の有意性」は無い筈なのに・
「それとも、私のタイプ、ステージでは、主治医の言う通り、EC→DTXの方が適切な治療なのでしょうか。」
⇒全く、そうは思いません。
「婦人科での治療に2年以上使用したミレーナ、子宮摘出直前に数週間服用したプラノバール、そして子宮摘出手術は、乳癌の進行になにか影響したのでしょうか。」
⇒無関係だと思います。
 あまり根拠のない「余計な心配」は避けるようにしましょう。