乳がんとは|乳癌の症状、しこりや石灰化について解説|石灰化にマンモトーム|乳癌の治療|東京の江戸川病院 乳腺外科・乳腺外来

[管理番号:1686]
性別:女性
年齢:64歳

先日母が乳ガンステージ1か2aと診断されました。
まだ細胞の検査結果は出ていません。マンモと、CT(たぶん)で検査した様ですが脇のリンパと鎖骨はきれいで、心配ないだろうと言われました。
この段階で遠隔転移の可能性はあるでしょうか?
しこりは2センチぐらいらしいです。また手術後はどのような治療が予想されるでしょうか?
詳しい結果が出ていないので、なんとも言えないといわれるのは承知の上ですが心配で。
長年の先生の経験から少しでも情報をいただけると幸いです、宜しくお願いいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

「ステージ1か2a」「脇のリンパと鎖骨はきれいで、心配ないだろう」
⇒これらから状況は cT1(腫瘍径2cm以下), cN0(リンパ節転移なし)もしくはcT2(2cm<腫瘍径≦5cm), cN0 ということにないります。

回答

「また手術後はどのような治療が予想されるでしょうか?」
⇒乳癌の治療は「局所療法」と「全身療法」に分けて考えてください。
 

○局所療法
「手術」と「(術後)放射線照射」があります。
①乳房温存術の場合、必ず「術後照射」します。
②乳房全摘の場合、「術後照射は不要」となります(リンパ節転移が複数有った場合には全摘でも照射をすることはあります)

○全身療法(薬物療法)
これは、「癌の性質=サブタイプ」によって決まります。
つまり「性質に合った治療法(薬物)を選択」します。

◎サブタイプとは?
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
エストロゲンレセプターの発現(ER)
プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
 ※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 

★つまり質問者(の母)は局所療法として上記①か②を選択し、術後の全身療法(薬物療法)については「サブタイプ」に応じた治療を選択します。
 術前に必ず「針生検(組織診)」をしている筈なので『私(の母)のサブタイプは何ですか?』と確認することが肝要です。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中回答いただき、ありがとうございました。

昨日結果を聞きに行ったところ、やはり癌だったのですが、種類が硬癌ということです、主治医の先生は胃ガンの場合の
(スキルス)とは違って乳ガンの硬癌は、わりと一般的で気にすることはないという感じでした。硬癌ときくと、最も悪性
度が高いという情報を見聞きするのですが、悲観的になる必要はないでしょうか?
また、しこりは2センチほどで、エコー
でみたたところリンパ転移も大丈夫そうなので温存手術をすすめてくださいました。手術後、放射線を25回ということは
説明していただいたのですが、その後の全身治療については、全く触れられませんでした。手術後の病理検査をしない
と、やはり治療の見通しはたたないものでしょうか?

また、この段階で遠隔転移する、もしくは既にしている可能性は考えられるでしょうか?
主治医は親切な、いい先生ですが、セカンドオピニオンとして、長年の経験を持つ先生のアドバイスをいただけると助かります。よろしくお願いいたします

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

私が常日頃から言っている内容をいみじくも「担当医」が代弁しています。

『胃ガンの場合の(スキルス)とは違って乳ガンの硬癌は、わりと一般的で気にすることはないという感じ』
⇒正に、その通りです。
 私も(患者さんが、気にする場合に)良く言う表現です。

回答

「硬癌ときくと、最も悪性度が高いという情報を見聞きするのですが、悲観的になる必要はないでしょうか?」
⇒その「情報」とやらは「完全な誤り」です。

 まともな「乳腺外科医」に「硬癌が悪性度が強い」などと考えている者はいません。
 一部の「マニアックな病理医が、少ないデータで展開」しているのでしょうか?全く馬鹿馬鹿しい
 

「その後の全身治療については、全く触れられませんでした。手術後の病理検査をし
ないと、やはり治療の見通しはたたないものでしょうか?」
⇒以前の回答で「サブタイプ」についてコメントさせてもらいましたが

 「その説明は無い」のですか?

 もしかすると「ER, PgR, HER2の結果がまだ出ていない」のかもしれませんね。
 ♯もう一つの可能性は「組織診ではなく細胞診」での診断かもしれません。
  その場合には「サブタイプは調べられない」のです。
 
 ○サブタイプが出れば「自ずと治療方針」は決まります。
 ただ最終的に「手術標本で確認(例えばリンパ節転移の個数など)」しなくてはいけません。

「この段階で遠隔転移する、もしくは既にしている可能性は考えられるのでしょうか?」
⇒ありません。

 全く心配いりません。





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