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乳ガン

[管理番号:1173]
性別:女性
年齢:46歳
乳ガンになり来週9/25日に手術をします、温存治療をするか全摘にするか迷っています。
非浸潤性乳ガン。サブタイプがホルモン+3.HER2が+3陽性(Fish法実施),ki67 10%、
腫瘍の大きさ1.7センチ、リンパ節、遠隔転移は無し,ステージ1A
です。術後の病理検査でグレード(詳しく)が分かると思います。
不安な日々を過ごしています。今後の再発、転移など。
このタイプは早期発見の部類になるのか?術後の治療方法は抗がん剤治療が6ヶ月、
ハーセプチンが1年間、ホルモン治療が5~10年間
先生なら、温存治療(部位的に可能)全摘かどちらを患者さんに勧めますか?
私は温存治療を希望して居ますが今後のリスクも有るのかなと?
何かいいアドバイスがあればお願いします
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まずは「非浸潤性乳ガン」となっていますが、「浸潤癌の誤記載」ですよね。
♯非浸潤癌であれば、抗がん剤の適応は全く無いのです。
○(浸潤癌と仮定して)
cT1c(17mm), cN0, cStage1, luminalB(HER2陽性)

回答

「このタイプは早期発見の部類になるのか?」
⇒1期です。文句なしの「早期発見」です。
 
「温存治療(部位的に可能)全摘かどちらを患者さんに勧めますか?」「私は温存治療
を希望して居ますが今後のリスクも有るのかなと?」
⇒これは、「局所治療」と「全身治療」を「ごちゃ混ぜにしている」ことに注意が必
要です。
 
 
○術式選択はあくまでも「乳腺内の腫瘍の拡がり」で考えるべきです。
  拡がりが狭い=「温存可能」+術後放射線治療は必須
  拡がりが広い=「温存にリスクがある」=「全摘が安全」
○ご本人が「今後のリスクも有るかなと?」とあるのは「何のリスク」でしょうか?
 温存を選択すると「乳房内再発のリスク(10年で5%程度)」は「全摘(局所再発
のリスク≒0%)」に比べると高いですが、
 ★全身的な転移再発リスクは「温存も全摘も同等」です。
「拡がりが狭い」ならば「温存」を勧めます。
 そして術後治療として
 ・局所療法:温存乳房照射
 ・全身療法:抗HER2療法(抗がん剤+ハーセプチン)+ホルモン療法