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細胞診から手術

[管理番号:4954]
性別:女性
年齢:40歳
自分でしこりが気になり、専門病院で見ていただきました。
マンモ、エコーを受け、「マンモではしこりとは言いにくいが、石灰化がありエコーと一致している。
確かにしこりがあるから細胞をとって調べましょう」となりました。
その一週間後「陽性」と出たと言われ、がんと告げられ、その一週間後に全身麻酔手術の予定となりました。
見た感じしこりは2センチ程度とのことですが、それ以外の詳しい値や、治療計画などは、手術して調べないとわからないとのことです。
術前のCT、MRIで他に異常はありませんでした。
①体験を見ていると、皆さんある程度詳しい数値など情報を貰っているようですが、私みたいな例もあるのでしょうか
②穿刺吸引細胞診から手術の場合も多いのですか?先日、切除生検で陰性に変わった方のQAを読みましたが
先生は、不安なことも安心できることも何もいいません。
仕事を休まないといけないのか、続けられるのか、子どものこと。。。
不安です。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「細胞診だけで癌と診断して手術まで行う」
一昔(15年前)前までは、それが普通(針生検そのものが無かったので)でした。
その替り、ある確率(それ程高くはありませんが)で「手術してみたら癌ではなかった」というケースが存在していました。
○現状は(これだけ組織診が一般化した以上)「細胞診だけで手術を行って、実は癌では無かった」となると「裁判となったら大変(負ける)」と以前に弁護士さんの講義を聞いたことがあります。
 私が思うに、
  「これは癌でしかありえない」というような臨床所見でない限り「組織診は必須」と思います。
  今回(組織診をせずに)CTを撮っているところは「バランス感覚に難がある」と指摘せざるをえません。
「①体験を見ていると、皆さんある程度詳しい数値など情報を貰っているようですが、私みたいな例もあるのでしょうか」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 本来あってはならないと思います。
「② 穿刺吸引細胞診から手術の場合も多いのですか?」
⇒かなりの例外と言えます。
 実際、(もしもその医師が常日頃から、そのような診療をしているのだとしたら)
必ずいつかは「手術してみたら良性だった」という絶体絶命のピンチに立たされる筈です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

ルミナールB ステージ2A
性別:女性
年齢:40歳
こんにちは。
いつもQandAを拝見しており、励みにさせていただいております。
妻の乳がんの告知当初はショックを受けましたが、QandAを通して知識を蓄えるにしたがって、少しづつですが不安がやわらいでいます。
このような場を設けていただいていることに感謝しております。
本当にありがとうございます。
温存手術を行い先日、妻の病理診断の結果がでましたので、ご質問させてください。
ステージ:2A
大きさ:一番大きいところで13mm
リンパ節転移2/11
ER:90%以上
PR:40~50%
Her2:0
グレード3(核異形3、核分裂2)
グレードが高いからki67も高いだろうということでルミナールBの診断でした。
ノルバデックスに加えて抗がん剤適用(EC×4、ドセタキセル×4)になりました。
1.そもそも、グレードによるルミナールB判定は妥当なのでしょうか。
  ki67は病院が測定していなかったため、抗がん剤を来週から開始しつつ、
  3週間かけて測定をしてもらうことにしました。
2.抗がん剤はアンスラタキサンですが、妥当でしょうか。
タキサン単独の場合との上乗せ効果はいかほどでしょうか。
3.5年10年生存率、再発率を教えてください。
4.転移がとても不安です。
ルミナールBでは転移のピークはどのあたりにあるのでしょうか。
  ki67が高いサブタイプのため、5年間転移がなければ大丈夫でしょうか。
  また、不安感のなくなる日はくるのでしょうか。
以上、よろしくお願いします。
術後病理結果
invasive ductal carcinoma of the left breast, partialvglandectomy Scirrhous carcinoma (>Solid-tubular carcinoma ),13x10mm f+,ly2,v1,DFM:4mm
(DCIS-LAT),LN:2/11(senti:1/2,la:0/6,バックアップ:1/3),
NA:3,NA:3,MC:2,NG:3
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「1.そもそも、グレードによるルミナールB判定は妥当なのでしょうか。」
⇒全くの誤りです。
 (Ki67でもグレーならば)最終的にはOncotypeDXすべきです。
「2.抗がん剤はアンスラタキサンですが、妥当でしょうか。」
⇒そもそも「抗癌剤が本当に必要なのか?」という検討が必要ですが…
 (もしも必要だとしても)ルミナールの場合には「TCが適当」だと思います。
「タキサン単独の場合との上乗せ効果はいかほどでしょうか。」
⇒もしもルミナールBだと仮定しても2-3%無いでしょう。
「3.5年10年生存率、再発率を教えてください。」
⇒5年は不明ですが…
 10年生存率 84%
 10年再発率 23%
 ♯これらはルミナールAならホルモン療法単独、ルミナールBならホルモン療法+抗癌剤をした上での数字と考えてください。
「4.転移がとても不安です。ルミナールBでは転移のピークはどのあたりにあるのでしょうか。」
⇒2~5年くらいです。
「ki67が高いサブタイプのため、5年間転移がなければ大丈夫でしょうか。」
⇒再発率は、どんどん下がることは間違いありません。
「また、不安感のなくなる日はくるのでしょうか。」
⇒勿論です。
 時が解決します。