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卒乳後の乳がん検診

[管理番号:1200]
性別:女性
年齢:44歳
44才です。
6月末まで授乳をしておりました。
10月中旬に乳がん検診を受ける予定ですが、
乳がん検診は卒乳後1年、少なくとも半年経っていないと
正しい診断ができないと聞いたことがあるように思います。
本当でしょうか?
長い間検診を受けていないので、今年受けたいと思っているのですが。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「卒乳後1年、少なくとも半年経っていないと正しい診断ができないと聞いたことが
あるように思います」
⇒この様な事が言われていることは、『大変な大問題』だと思っています。
 
★私が、最近特に強く「憤りを感じている」ことなので、この機会にコメントしま
す。
 いい機会を与えてくれた質問者に感謝します。
「検診機関」ないし[どこかの身勝手な乳腺外科医」がそのように言うのでしょう。
確かに、授乳期には「乳腺が発達して超音波で見難い」もしくは「マンモでは(透過
性が極端に低下=真っ白になって)判定し難い」ことは事実です。
ただ、「凄く細かい所見(2~3ミリの病変」の判定はできないかもしれませんが、
「殆どの所見」は(やや見ずらいながらも)超音波で判定できます。
「明らかな乳癌を見逃す」ことは無いと考えてください。
ただでさえ「妊娠期にはマンモグラフィーが撮影できない」ので「検診なしの期間が
長くなりがち」なのに「授乳中も検診できない」などとしてしまったら、「2年以
上」も空白の期間となってしまう可能性があります。
乳癌罹患の低年齢化(30歳代前半の乳癌が明らかに増加しています)を肌で感じてい
る現在において、「空白の2年間を作る事は(少なくとも医療者側から、そのように
言う事は)厳に慎むべき」事だと思います。
○妊娠中から「しこり」に気付いていたが(妊娠中の乳房の腫れ?と考えたり婦人科
医の安易なコメントで放置し)授乳中は受診せず、「断乳後、乳腺の張りが取れた
ら、いよいよシコリが目立つので」受診するパターンが増えています。(最近でも数
名、診察しています)
○非常にゆゆしき事態だと思います。
 患者さん本人が「出産、授乳」していると「受診のタイミングを外す」ことがあっ
ても仕方がないかもしれませんが(自己責任とも言えます)
 ★『医療者側が、授乳中は(良く解らないから)診ない』みたいにアナウンスする
のは決してあってはいけない事なのです。

回答

「正しい診断ができないと聞いたことがあるように思います。本当でしょうか?」
⇒そんな事はありません。
 少し見ずらい程度です。
 マンモは「必ずしもやらなくてもいい(やって悪い訳ではないが、情報量が少な
い)」とは思いますが、超音波は必ずしましょう。
 
「長い間検診を受けていないので、今年受けたいと思っているのですが」
⇒是非、受診してください。
 「授乳中だから、できない」みたいな事を言われても、「それが当たり前」と思っ
て諦めてはいけません。
 そのような無責任な「検診機関ないしは病院」は放っておいて、「良識のある病
院」を探すべきです。
 自分の身を守るのは自分なのです。