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浸潤性小葉がん

[管理番号:2072]
性別:女性
年齢:58歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:2101「再発後の治療法

 
 
いつもこのコーナーで勉強しています。
病理の結果が出ましたので先生にいくつかお尋ねしたいと思います。
浸潤性小葉がんで12月に右胸筋温存乳房切除術+組織拡張器留置を行いました。
病理結果
腫瘍の大きさ 浸潤部 30mm×20mm×8m
全体で 30mm×30mm×18mm
腋窩のリンパ節転移 なし ( 0/2)
(センチネルリンパ節 0/2)
脈管内(リンパ菅、静脈)侵入 なし
核グレード分類 3
核異型度 3+ 核分裂像 9/10HPF
ホルモンレセプター 陽性
エストローゲンレセプター :+ 80%
プロゲステロンレセプター : –
ハーセプテスト : 1+
MIB-1 : 14.2%
ここで質問です。
プロゲステロンレセプターが陰性ですがMIB-1が低いので抗癌剤治療の必要がないということですか?核グレードが3ということは再発したとき手ごわい相手だということですか?よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT2(30mm), pN0, luminal Aですね。
「プロゲステロンレセプターが陰性ですがMIB-1が低いので抗癌剤治療の必要がないということですか?」
⇒その通りです。
 プロゲステロンレセプターの染色性は信頼性がありません。 エストロゲンレセプターが「強陽性」なのだから「ルミナールタイプ」です。
 その上で、現時点では「ルミナールAとBの境界はKi67]となっています。
 「Ki67=14.2%」は文句なしの「ルミナールA」となります。
 ルミナールAでpN0ですから「ホルモン療法単独」でいいのです。
 
「核グレードが3ということは再発したとき手ごわい相手だということですか?」
⇒そんな事はありません。
 小葉癌の「顔つき=核異型度」は高くなる傾向にあります。(もともとの組織型の違いです)
 その意味では「核分裂像 9個/10視野=スコア2」ですから、実質「核グレード2」とも言えます。

 
 

 

質問者様から 【質問2 】

局所再発後の放射線治療について
性別:女性
年齢:62歳
病名:浸潤性小葉癌 ステージ2a
症状:局所再発
投稿日:2020年7月20日

浸潤性小葉癌で全摘し同時再建をしました。
4年半経って局所再発し手術が無事終わりました。
主治医によると同時再建の場合どうしても気持ち多めに脂肪を残すので癌が飛んでいたのでしょうと言う事でした。
断片陰性でしたし、きちんと取ったと思いがあって主治医もショックのようでした。

表面の皮膚から癌のあった脂肪の下の浸潤していた筋肉も取りました。
今後の治療として放射線は必須でしょうか?主治医とは明後日会う予定なので前もって先生のご意見をお聞かせください。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「今後の治療として放射線は必須でしょうか?」
⇒迷うところです。

 必須ではないと思います。
 病理結果を見てからでいいのでは?(広範な浸潤があったり病巣が広ければ照射を検討)