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浸潤性小葉癌 術後治療について

[管理番号:5369]
性別:女性
年齢:45才
初めて質問させて頂きます。
7月(中旬)日に 浸潤性小葉癌で 右乳房全摘の手術をしました。
13ミリと小さかったので 初めは部分切除し、ホルモン療法を行う予定でした。
術前の針生検で ki67が 29 だったことと 小葉癌のために全摘となりました。
術中のセンチネルリンパ生検で 1つだけ転移があり 8個のリンパをとりました 。
先日 術後の病理けっかが出て、
p 11mm 非浸潤がんも多発
LN 1/8
LY –
v –
ER +
PR +
HER 0
MIB1 5%
という結果です。
現在 ホルモン療法でノルバデックスを服用しています。
主治医は 小葉がんで非浸潤も多発していたので 放射線治療も行いたいとのことです。
抗ガン剤はいらないとおもうが オンコタイプをしてはっきりさせてはどうかと言われています。
先生に質問ですが オンコタイプは 必要でしょうか?
費用もかかるので悩んでいます。
また 今後の治療は 上記のものでよろしいでしょうか?よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
典型的な「大人しい小葉癌」のようですね。
リンパ節は1個転移があったようですが、「あくまでも局所」。手術で摘出しているので問題ありません。
「主治医は 小葉がんで非浸潤も多発していたので 放射線治療も行いたい」
⇒これは(正直)根拠に欠けると(私は)思います。
 照射をする理由は??
 1.腋窩は郭清しているので必要ない。 必要ないどころか、(郭清部位に照射をすると)患肢浮腫のリスクが看過できない。
 2.胸壁は「非浸潤癌は無関係」です。
    考えてみてください。
    「非浸潤癌」の場合、(癌細胞は)「乳腺内に留まっている」のです。
    「乳腺を全摘」しているのだから、「非浸潤癌は完全に摘出されている筈」です。それを根拠として胸壁照射を提案する理屈が通りません。
「抗ガン剤はいらないとおもうが オンコタイプをしてはっきりさせてはどうか」
⇒これは何故ですか?
 針生検でKi67=29だったからですか??
 摘出標本で5%だったのだから、不要でしょう。
「先生に質問ですが オンコタイプは 必要でしょうか?」
⇒不要です。(5%を信じるべきです)
「今後の治療は 上記のものでよろしいでしょうか?」
⇒ホルモン療法単独です。
 タモキシフェンにLH-RHagonistを併用するかどうか悩むところです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

浸潤性小葉癌 術後治療について (再質問5369)
性別:女性
年齢:45歳
先生、前回は お忙しい中お答えいただきありがとうございました。
現在 ホルモン治療 ノルバデックスを服用しています。
先生に 再度質問があります。
1 主治医が ノルバデックスにくわえ、
リュープリンをしましょうと 言っています。
これでいいでしょうか?するとしたら いつまで行わないといけませんか?
1番ゆるい 飲む抗がん剤もどうですか?と言われましたが、
わたしの場合 ルミナールAなので 必要ないかと思うのですが いかがでしょうか?
2 腫瘍マーカーのことです。
手術前の 血液検査では
CA15-3 10
CEA精密 0.5以下
手術後10日目
CA15-3 39
CEA精密 0.5以下 という結果でした。
手術したのに 数値が上がっているので びっくりしました。
なにか 悪いことがおこっているのかと 気になっています。
先生は どう考えられますか?
先生 宜しくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「リュープリンをしましょうと 言っています。これでいいでしょうか?するとしたら いつまで行わないといけませんか?」
⇒前回、回答したようにLH-RHagonistを併用するかどうかは悩みどころです。
 ASCOのガイドラインでは適応があります。
 投与するなら5年です。
「1番ゆるい 飲む抗がん剤もどうですか?と言われましたが、わたしの場合 ルミナールAなので 必要ないかと思うのですが いかがでしょうか?」
⇒全く無用です。(議論の余地なし)
「 手術したのに 数値が上がっているので びっくりしました。」
「 先生は どう考えられますか?」

⇒これは「手術そのものが(使用した薬剤などで)肝機能に影響して」そうなっていると推測します。
 ちょうど、先ほど回答した 5473「腫瘍マーカーについて」をご参照ください。