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しこりと乳腺の区別がつかない

[管理番号:374]
性別:女性
年齢:27歳
はじめまして。初めて相談させていただきます。よろしくお願いします。
最近左胸の上部外側に、しこりのようなものを見つけました。
私はとても貧乳なので、胸を持ち上げてふくらみを持たせるとしこりは感じず、皮膚のすぐ裏側にあると言うよりは、奥に根付いてる様なイメージです。
また、座った状態でしこりのようなものを触ったまま少しずつ仰向けに寝ると、しこりの位置がずれます。
これはしこりなのでしょうか?
ネット等で調べても、しこりは皮膚のすぐ裏側か奥かどうなのか、私の疑問のわかりやすい 答えが得られずとても気になっています。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 そもそも、これは「しこり」なのか?という悩みだと思います。
 我々乳腺外科医は「しこりの触診」に慣れているので区別はつきますが、「これって、しこり?」と悩んでいる方は結構いらっしゃいます。
 それでは回答します。

回答

「皮膚のすぐ裏側にあると言うよりは、奥に根付いてる様なイメージ」「これはしこりなのでしょうか?」
⇒乳腺の裏側(深い層)にある腫瘍だと思います。
 ◎ただ、「区別しなくてはならないものに」肋骨があります。
 「肋骨」も座位と臥位(寝た位置)で「動くように感じる」かもしれません。
※「しこり?」と感じているものが(肋骨とは別に)「乳腺と一緒に」動くようなら「乳腺の腫瘍」だと思います。
 
「しこりは皮膚のすぐ裏側か奥かどうなのか、私の疑問のわかりやすい答え」
⇒腫瘍が乳腺の表面に突出している場合は「しこりは皮膚のすぐ裏側」(浅い層)に感じます。
 これに対して「乳腺の裏側」にある場合は「乳腺の奥」(深い層)に感じます。つまり腫瘍の位置によっては、『すぐ裏側にも、奥にも』どちらにも感じます
※「浅い層」にある腫瘍は(触診で解りやすく)「(確実に)しこりがあります」となりますが、「深い層」にある場合には(触診では解りずらく)「何かありそうだけど、しこりなのか自信がもてない」となります。
 
 乳腺は「厚み」のある組織です。
 「しこり」は乳腺の「表面側」にも「裏側」にも、そして「乳腺の中央」にも、できます。
 
◎触診しやすさは、「しこりの硬さ」も関係します。

  • 「しこりが柔らかい」場合
    ⇒「表面側」にあれば、「しこりとして自覚」できますが、「中央」とか「裏側」にある場合には「触知できません」
  • 「しこりが硬い」場合
    ⇒「表面側」は勿論のこと、「中央」でも「裏側」でも、「その存在を感じる」ことができます。