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どうしたら良いでしょうか

[管理番号:1759]
性別:女性
年齢:30歳
田澤先生こんにちは
Q&Aの、先生の真摯なご解答をみて感動し、この度ご質問させていただきます。
よろしくお願いいたします。
先月、生理周期に関係なく、左右胸や脇の辺りに傷みがあり、大変心配になり、近くの乳腺外科で診察を受けました。
結果、左胸にエコーで約1cm のしこりが見つかりましたが、形や、中の均等性?からみて「がんではない」、と言われました。
そして「針の検査しておきますか?」
と聞かれましたが、
しこりがあったショックで、何も発言できずにいると
「症状が気になって来た人は、みんな針の検査をします。
ものごとに100%ということはないから。
次の診察は半年後だけど、それまでに針の検査したくなったら予約してください」
とのことで帰宅したのですが、不安と動揺が大きくなっています。
(帰って胸をよくチェックしてみると、確かに しこりがありました。よく動く感じです。)
そこで、
・エコーだけで良性のしこりだと分かる場合はあるのでしょうか
(病院でいただいた用紙に線維腺腫のところにチェックされていました
ということは、線維腺腫という診断と考えて良いのでしょうか。。
気になるのが、検査技師の方がカルテに 「線維腺腫を疑うが、一部血流が」と書かれていた点です。
そのあと診察室で先生にエコーで見ていただいたときに、その説明はありませんでしたが心配です。。)
・針検査をするのか聞かれたということは、少しでも疑いがあったからなのでしょうか
(診察受けた人は みんな する、ものごとに100%ということはない、針をささないと、絶対ということは 言えない
という発言の意味が気になっています
(エコーで良性と分かって安心できるのなら、こんなに嬉しいことはないのですが。。)
(もし田澤先生なら、エコーで良性と分かる場合でも針検査されますか?)
・また針生検がとても痛いと聞いたことがあり、お恥ずかしいですが、大変恐怖を覚えています。
麻酔をしたあとも、組織?をとるときに激痛が走るのだとか。。
傷みには個人差があることと思いますが
分かりにくい質問かと思いますが、どのような傷みなのか、田澤先生のご見解を聞かせていただけると非常に助かります。
また、検査後、すぐに日常生活を送ることは可能でしょうか。
傷あとは残るのでしょうか。
・また、線維腺腫と葉状腫瘍の区別が検査しても分からない場合があるそうですが、はっきり「線維腺腫」と分かる場合もあるのでしょうか。
・そして、いま一番考えていることは、「今すぐ再受診した方が良いのか、針の検査をした方が良いのか」ということです。
もし、再受診すべきならば、信頼のおける 先生にと思い、東京まで少し遠いですが 田澤先生に診察していただきたいです。
お恥ずかしいのですが、あまりの心配で精神的に少しまいっていて、
再受診が必要ならば、できるだけ早くみていただければ幸いですが
数ヶ月待ちでしょうか?
もし予約なしで当日診察可能ならば、長時間待っても問題ありません。
(・いま体の状態がどうなっているのかはっきりさせたい、でも針検査も恐くて、悪いものだったらもっと恐くて。。
頭の中がずっとこのような状態で出口が見えない感じが続いております。)
長文大変お見苦しいですが、ご回答、ご示唆いただけますと大変ありがたいです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「不安と動揺が大きくなっています」
⇒担当医のコメントからは、「心配するような所見ではない」と思います。
 
「エコーだけで良性のしこりだと分かる場合はあるのでしょうか」
⇒あります。
 「嚢胞」や「扁平で楕円、境界明瞭な線維腺腫」などです。
 
「線維腺腫という診断と考えて良いのでしょうか」
⇒その通りです。
 画像診断結果は「線維腺腫」です。
 ただ、病理診断(組織診断)がないと「確定診断」ではありません。
 ♯その点は担当医の「ものごとに100%ということはないから」通りです。
 
「線維腺腫を疑うが、一部血流が」
⇒「血流」はあくまでも参考所見です。
 若い年代での「線維腺腫」であれば、ある程度の増殖傾向はあるでしょう。
 
「針検査をするのか聞かれたということは、少しでも疑いがあったからなのでしょうか」
⇒文字通り「100%ではない」ということです。
 「嚢胞」以外の画像所見は「100%絶対良性」と言い切れるものではありません。
 「疑いがある」というよりは「良性と断言できない」ということです。
 
「田澤先生なら、エコーで良性と分かる場合でも針検査されますか?」
⇒明らかな「嚢胞」や「線維腺腫」以外であれば「良性所見」でも「良性を良性と確定診断する」目的で、私は検査(針生検)する方です。
 その方が、「お互いに安心」なのです。
 しかも、(確定診断しておけば)「その後の無駄な」経過観察も省けます。
 
「分かりにくい質問かと思いますが、どのような傷みなのか、田澤先生のご見解を聞かせていただけると非常に助かります」
⇒ネットの情報には「下手(慣れていない)な医師が行ったケースが多く含まれているであろう」ことに注意が必要です。
 針生検にしろ、マンモトームにしろ「最初の局所麻酔の注射は痛い」です。(麻酔薬を入れている10数秒)
 ただ、その後の「検査そのものは痛くありません」
 
「数ヶ月待ちでしょうか? もし予約なしで当日診察可能ならば、長時間待っても問題ありません」
⇒あまり急ぐ必要は無さそうですが、「数カ月待ち」などということはありません。
 ただ「当日受付」だと「時間が取れない分、癌の疑いが低い方には針生検のために改めて来てもらうこと」にしています。
 1日で「針生検まで済ます」ためには「予約」がいいと思います。
  
「また、検査後、すぐに日常生活を送ることは可能でしょうか」
⇒大丈夫です。
  
「傷あとは残るのでしょうか」
⇒1mm位の「針跡」です。
 
『また、線維腺腫と葉状腫瘍の区別が検査しても分からない場合があるそうですが、はっきり「線維腺腫」と分かる場合もあるのでしょうか』
⇒あります。
 その場合には病理コメントして「fibroepithelial tumor, 線維腺腫を第1に考えます。」のようになります。(針生検だけで、断定することは殆どありません)
 ♯fibroepithelial tumorの中に「線維腺腫」や「葉状腫瘍」があるのです。
 
「でも針検査も恐くて、悪いものだったらもっと恐くて」
⇒私の感想としては、
 ほぼ「良性」と思います。
 しかも「針生検は(想像しているよりも)ずっと痛くない」(こんなものかと、拍子抜けするでしょう)ので「組織診で確定してしまう」ことをお勧めします。(それで解決です)