Site Overlay

9㎜のシコリの経過観察について

[管理番号:6319]
性別:女性
年齢:31歳
ご多忙の中このようなサイトを公開して下さりとても心強く感謝しております。
ありがとうございます。
よろしくお願いします。
3歳の子供1人 1年半前まで授乳
2017年3月 人生初の触診・超音波検査 (日本にて)→ 異常なし
2017年8月 人生初のマンモグラフィー (日本にて)→ 異常なし
3ヶ月前から右胸のみ、乳首より上側の部分を軽く触れただけでチクチクと針で刺すような痛み(生理に関係なく)を感じ、シコリ(位置は9時の方向)と乳頭から透明な分泌物が出る事に気付いたため、先日クリニックを受診しました。
現在私はアメリカに住んでおり、アメリカのクリニックを受診しました。
 触診 →右胸 6時の方向 乳首のすぐそばに10㎜×10㎜×5㎜のシコリあり
     私が事前にシコリと認識していた9時の方向には何もないと言われました
 
その後クリニックとは別の検査施設を紹介されマンモグラフィー・超音波検査をしてもらいました。
 マンモ →異常なし (乳腺密度:heterogeneously dense)
 超音波 →右胸 9時の方向 9㎜×4㎜×8㎜のシコリあり
      逆に触診で発見された6時の方向のシコリついては
      結果報告に何も書かれておらず、シコリは無かったとの事でした。
 
※マンモグラフィー・超音波検査の画像データはCDで頂いています。
超音波で発見されたシコリ(9時の方向)は、滑らかな縁の楕円形。
線維腺腫(Fibroadenoma)、間質線維症(stromal fibrosis)または線維嚢胞性線維変化
(focal fibrocystic change)を示しえるとのこと。
BI‐RADSカテゴリー Probably benign finding right breast(カテゴリー3)に分類され、6ヶ月後→12ヶ月後→24か月後→36ヶ月後に超音波検査を継続し異常がなければカテゴリー2にレベル下げするという説明がありました。
また痛みについては、ビタミンEか消炎剤を処方する事は可能とだけ言われました。
そこで質問させて頂きたいのですが、
① 上記のような状況でしたら、生検はせず経過観察が妥当なのでしょうか?
  (カテゴリー3に対するマネジメントが6ヶ月ごとのフォローアップが
   一般的という事はネットでの情報で理解はしました。)
  現在次の妊娠を考えているので、早くに白黒をハッキリつけたいという気持ちが
  あるのですが細胞診または組織診をお願いする事は過剰に心配しすぎでしょうか?
  
? もしこれが万が一悪性だった場合、次回の超音波検査まで6ヶ月間放置して
  進行しすぎてしまう事はないでしょうか?
  滑らかな縁をもつ楕円形のシコリは、もし悪性だったとしても
  6ヶ月間で予後を変えるほど進行する事はないという理解で正しいでしょうか?
? 触診で見つかったシコリ(6時の方向)がマンモグラフィー・超音波で写らない
  という事があるのでしょうか?
  ドクターにこの件を質問したところシコリが無かった場合、
  良性の線維嚢胞性変化(very likely benign fibrocystic cange)である可能性が
  高いとう回答を頂いたのですが、良性の線維嚢胞性変化は超音波では
  シコリとして写らないという事でしょうか?
④ 右胸の痛みについては何が考えられますか?
  実際に診察して頂いてないのにこのような質問をさせて頂き申し訳ございません。
  QandA「左胸と背中の痛み」は拝見しましたが、私の年齢が31歳という事で
  痛みについても質問させて頂きました。
⑤ 仮に生検を行う場合アメリカで行う細胞診・組織診に日本との違いはありますか?
  日本で受けるほうがメリットがあれば一時帰国を考えています。
  もしご存知であればよろしくお願い致します。
英語があまり得意ではなく、結果の説明について理解が難しい部分も多々あるので過剰に心配しているのかもしれませんが、
ご意見いただけると幸いです。
どうぞ宜しくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
まず指摘しなくてはならないのは…
「3ヶ月前から右胸のみ、乳首より上側の部分を軽く触れただけでチクチクと針で刺すような痛み(生理に関係なく)」を、癌と関連付けてはいけないということです。
 明らかに女性ホルモンによる刺激症状であり、それは『今週のコラム 4回目「卵巣が支配している」
今週のコラム 111回目 大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。』を見ると理解していただけることでしょう。
「① 上記のような状況でしたら、生検はせず経過観察が妥当なのでしょうか?」
⇒その通りです。
「現在次の妊娠を考えているので、早くに白黒をハッキリつけたいという気持ちが
 あるのですが細胞診または組織診をお願いする事は過剰に心配しすぎでしょうか?」

⇒性格は人それぞれです。
 心配症な場合には(心配な経過観察よりは)「組織診で決着をつける」ことでいいでしょう。
「? もしこれが万が一悪性だった場合、次回の超音波検査まで6ヶ月間放置して進行しすぎてしまう事はないでしょうか?」
⇒もちろん、「それが無い事を前提」とした経過観察なのです。
「もし悪性だったとしても  6ヶ月間で予後を変えるほど進行する事はないという理解で正しいでしょうか?」
⇒そういうことです。
「良性の線維嚢胞性変化は超音波では  シコリとして写らないという事でしょうか?」
⇒所謂「乳腺症」ということです。(硬いけど、病変ではないのです)
「④ 右胸の痛みについては何が考えられますか?」
⇒これは10000%
 ホルモンの刺激症状」です。
「QandA「左胸と背中の痛み」は拝見しましたが、私の年齢が31歳という事で 痛みについても質問させて頂きました。」
⇒上記コラムでは…
 20代でも「ストレスでおこりうる(要は卵巣が不安定になる)」という注釈もしてますよ??(そんな病気はないのでご安心を。勿論「転移」など1000000%ありえません)
「仮に生検を行う場合アメリカで行う細胞診・組織診に日本との違いはありますか?」
⇒同じです。