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8ミリのしこりエコー検査

[管理番号:5852]
性別:女性
年齢:58歳
田澤先生、初めまして、よろしくお願い致します。
 乳がんを確定、告知されてから、仕事の時間以外毎日、拝見させていただいています。
 11月(下旬)日に地元乳腺外科クリニックで、エコーを受けたところ、
右乳頭少し上に不整形8ミリのしこりがあり、悪性の疑い(カテゴリー4)ということで、後日細胞診をするということで、12月(上旬)日細胞診を行いました。
結果:小型でN/Cが高く、核の大小不同、核染色を示す導管上皮細胞
を筋上皮が不明瞭な集塊、或いは孤存性に認めます。
乳管がん  クラスV 陽性エコー検査の結果から、覚悟はしていたものの、気が動転し、今フル就業、また年齢も58で、リタイア真近ということで、仕事のことばかり考えて、医師に自分の今の情報の範囲でわかる病状を聞くことができませんでした。
医師からは、特別ながんではなく、普通のガンです。
どの病院に紹介がいいですかと言われ、(下旬)日に大きな病院に行くことになっています。
田澤先生のお話しからも、細胞診では、黒と出てもまた、結果的に要組織診となっており、今となってはグレード4だったのに細胞診をやった意味が分かりません。
前置きが長くなってしまいましたが、いつも、診断も治療方針もシンプルで明確な田澤先生にご質問してもよろしいでしょうか?
①乳がん検診は、今年初めてエコーのみ行いました。
受けたきっかけは、時々胸が痛かったからです。
がんのある右も痛いのですが、左も両脇も真ん中も痛みます。
特に細胞診断をしてから、右が痛む頻度が多く、常にではありませんがピリピリもします。
がんが広範囲に広がっているということなのでしょうか?
②細胞診断の結果から、今の私は、どのような状態なのですか?
今年急性胆嚢炎で胆のう提出、そして、卵巣のう胞で、両卵巣と卵管を摘出しています。
この上、乳房、髪まで失うのかと思うととても切なくて、食欲もなく、休みは、起き上がりない情けない私です。
前の2つの病気と違って、これと言って自覚症状もないのにすごく怖くて、胃が痛く、眠れない毎日が続いています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
シンプルに考えましょう。
乳癌は痛くない。
乳房痛を「乳癌が拡がっている?」などと考える乳腺外科医は皆無であり、患者さんが「痛み=転移?」と考えていることに正直驚くばかりです。
(タイムリーな事に)本日今週のコラムに出しているテーマなので是非ご一読を。
今週のコラム111回目  大事なことは、これら①~④の病気など世の中には無いのです。それは(我々医師には)自明なことなのです。
「①乳がん検診は、今年初めてエコーのみ行いました。受けたきっかけは、時々胸が痛かったからです。がんのある右も痛いのですが、左も両脇も真ん中も痛みます。特に細胞診断をしてから、右が痛む頻度が多く、常にではありませんがピリピリもします。がんが広範囲に広がっているということなのでしょうか?」
⇒全くナンセンス!
 「乳房痛」を「乳がんの拡がり」と関連付ける乳腺外科医はこの世に一人もいません。
 是非、本日だした「今週のコラム111回目」をよく読んでください。
「② 細胞診断の結果から、今の私は、どのような状態なのですか?」
⇒乳癌と診断されたのです。
 細胞診の偽陽性は1%程度あるので、(診断には)必ず組織診が必要ですが、(画像所見も含め)その医師の態度からも「ほぼ乳癌確定」のようです。
「この上、乳房、髪まで失うのかと思うと」
⇒8mmのシコリであれば…
 MRIで拡がり診断で確認した上で「温存も可能」という確率も高そうです。
「胃が痛く、眠れない毎日が続いています」
⇒お気持ち、お察しします。
 ただ、そのストレスが「乳房痛の原因」であることに「疑問の余地」はありません。
 まずは冷静になることです。
 そうすると・
 「もしかして(たまたま早期発見なんて)私ってラッキー?」へと思考が変化する筈です。
 物事は前向きに捉えない限り前には進まないのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 8ミリのしこりエコー検査】

性別:女性
年齢:59歳
田澤先生
前回は、思いもかけないがんの告知に取り見出した質問にも関わらず、ご回答頂きありがとうございました。
その後、乳腺外科クリニックより、地元のがんセンターを紹介され、
12月(下旬)日にマンモ、超音波、翌日乳房MRI、(下旬)日に針生検、そして年明けの1月5日に骨シンチ、CTと検査が進む中で、ようやくがんになった自分を受け入られるようになりました。
そして今、目をつぶることなく、敵と戦うために自分のがんについて知ろうという気持ちになりました。
そこでいくつか気になることがあるので、再度質問させていただきます。
(中旬)日には、主治医から、検査の結果を踏まえた、今後の治療方針が提案されました。
内容は MRI 画像による腫瘤径17mm (右乳房のAC領域)ステージ1?
CT,骨シンチ検査からは、転移なし
温存手術可能 その場合、局所放射線照射約1か月、その後ホルモン療法5年
    サブタイトルは、示されませんでした。
手術日は、仕事の都合もあり、2月中旬、 順調に行った場合は、1か月後職場復帰です。
質問1 腫瘤の大きさの変化について
乳腺外科クリニックのエコーでは、8ミリの腫瘤が17ミリへ?
11月末から腫瘤が2倍以上に増殖したということなのでしょうか?
だとしたら、手術までに(後1か月で)、もっと増殖し、2cm以上となってしまうのでしょうか?
  リンパにも転移してしまいますか?(転移が広がりますか?)
  今回の大きさの差はエコーとMRIの診断の差でしょうか?
  実際は、どちらが正しのでしょうか?術後の病理では、もっと大きいこと(ステージが高いこと
  を)覚悟しておいたほうがよいのでしょうか?
  特に針生検後しこりが、大きくなったきがします。
(針生検前は、しこりに触れることはありませんでした。
針生検の時中々血がとまらず、弾力帯でグルグル巻きにされました。
そのこともしこりが大きくなったことに関係しますか?(針生検は、主治医でしたが)
質問2 サブタイトルについて
  医師の治療方針から、がんのサブタイトルは、ルミナールAでしょうか?
針生検査と術後の病理検査結果が変わることがありますか?
ルミナールAでも結果によって、抗がん剤が追加されることはありますか?
質問3 術式について
   術式は、全摘出の場合は、傷が大きくドレーンを1本ないし、廓清の場合は2本装置と言われ、 
   負担が大きいので、できれば避けたいのですが、嚢胞もあります。
(主治医は、嚢胞は、ほっといて
   よいと言っているのですが、)嚢胞があっても温存には影響がないですか?
質問4 初期がんといえますか?
   今までこの年なるまで、検診を受けていないで、この状態のがんなら、私は、ラッキーと思って
   いてよいですか?
 
 よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
早期乳癌で骨シンチやCTは無駄な被爆です。(他の方の参考となるように)
「質問1 腫瘤の大きさの変化について」
⇒画像所見の誤差範囲です。
「そのこともしこりが大きくなったことに関係しますか?(針生検は、主治医でしたが)」
⇒無関係です。
「質問2 サブタイトルについて  医師の治療方針から、がんのサブタイトルは、ルミナールAでしょうか?」
⇒「ホルモン療法を行う」というだけの情報では「ルミナールタイプ」であることしか解りません。
 ルミナールAかBかはKi67で判断します(便宜的に)
 因みに「サブタイトル」ではなく「サブタイプ」です。
「針生検査と術後の病理検査結果が変わることがありますか?」
⇒大筋は変わりません。
「ルミナールAでも結果によって、抗がん剤が追加されることはありますか?」
⇒ルミナールAかどうか解らないので、コメントできませんが…
 (本当に)ルミナールAであれば、抗癌剤による効果はありません。(主治医が抗癌剤を強引にするかどうかは別として)
「嚢胞があっても温存には影響がないですか?」
⇒ありません。
「質問4 初期がんといえますか?」「   今までこの年なるまで、検診を受けていないで、この状態のがんなら、私は、ラッキーと思って   いてよいですか?」
⇒前回、回答したとおり
 『「もしかして(たまたま早期発見なんて)私ってラッキー?」』と思います。