Site Overlay

5mm大のしこり

[管理番号:282]
性別:女性
年齢:41歳
右乳輪の外側4-5cmのところに、くりっとした5mmのしこりがあり、受診しました。
マンモグラフィは異常なし、超音波では5×4×奥行き3mmの低エコー結節が見られ、辺縁はきれいだから乳腺症の1所見だろう、半年後に再度経過を見るか、今細胞診をするか、どうしますか?と聞かれ、
決めかねていたら半年後に再診と言われました。
今すぐ細胞診をした方がいいか、小さいので病変に当たらない確率はどれくらいか、どうするのがベストと考えられるか、教えて下さい。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「くりっとした触知する5mmのしこり」ですね。
 それでは回答します。

回答

「今すぐ細胞診をした方がいいか」
⇒細胞診した方がいいと思います。私であれば組織針(針生検します)
 41歳という年齢で「新たにできた」しこりには気を付けた方がいいです。
 「20代~30代前半であれば」線維腺腫など良性腫瘍もできやすいですが、「40歳代(41歳はやや微妙ですが)」では線維腺腫は新たにできないのです。
 もちろん、今回は「乳腺症の1所見だろう」との見解であり、本当に「乳腺症」であればむしろこの年代に起こるものなのですが…
 「乳腺症」と「乳癌のうちの硬癌」は超音波像が似ていることがあります。気をつけるべきです。
 
「小さいので病変に当たらない確率はどれくらいか」
⇒0%です。
 5x4x3mmの病変は、決して小さくありません。
 この大きさの病変の診断ができないようでは、「早期発見はできません」
 細胞診(組織針にしろ)で「当たらない」なんてことは、決してあってはいけない大きさです。
 
「どうするのがベストと考えられるか」
⇒経過観察は止めた方がいいです。(早期発見の最大のチャンスかもしれません)
 「5mm」は決して小さくありません。
 細胞診よりも(むしろ)組織針をしてもらうべきです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、早々に的確で明確なご助言を本当にありがとうございます。
ただただ心配で、どうしたら良いのか分からなかったので、自分がどうするべきかわかり、気持ちが少し落ち着きました。
早速、組織診をお願いすることとします。
どうもありがとうございました。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 是非、組織診をしてもらってください。
 「5mmが小さくて、当らないかもしれない」なんて言う医師だったら、病院を変えましょう。
 5mmで診断が付けられない様では、早期発見のチャンスは無いのです。
 もちろん、質問者が乳癌でないことを祈ってはいますが、「曖昧なまま」にしてはいけません。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日はご助言どうもありがとうございました。
組織診の希望を伝えたところ、細胞診でいいのではないか、と言われました。GWの谷間で受診でしたから、病院サイドの事情があったのかもしれません。
結果が今日出まして、「腺上皮細胞が含まれておらず」診断不能でした。
もう一度組織診をお願いするつもりですが、針生検からどれくらいの期間をあければ良いでしょうか?土曜日採取の検体よりも平日の検体の方が診断能がよいのですか?
つまり、土曜日受診より月~木曜日がベターでしょうか?
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 以前「5mmのしこり」でご相談された方ですね。

回答

「組織診の希望を伝えたところ、細胞診でいいのではないか、と言われました」
⇒かなり残念な対応です。
 針生検をあまりやっていない(もしくは癌を積極的に疑う場合にしか行わない)施設なのでしょう。
 残念な事です。
 私の考えでは『良性なら良性ときちんと診断する』事も、「癌の診断に負けないくらい大事」な事だと思っています。
 「癌にしか興味が無い。明らかに癌の所見となるまでは経過をみる」傾向のある「大学病院や大病院」にありがちの誤りです。
 
「「腺上皮細胞が含まれておらず」診断不能」
⇒結局無駄な検査となってしまいました。
 細胞診で「診断不能=サンプリング不足」となる原因は「乳腺症の線維化など線維成分が極端に増生したもの」であるか(単に)「細胞診の技術が未熟」かどちらかです。
 結局診断には至っていません。
 
「もう一度組織診をお願いするつもりですが、針生検からどれくらいの期間をあければ良いでしょうか?」
⇒すぐにでもできます。
 時間を空ける必要は一切ありません。
 
「土曜日採取の検体よりも平日の検体の方が診断能がよいのですか?つまり、土曜日受診より月~木曜日がベターでしょうか?」
⇒曜日には関係が無い筈です。
 例えば、土曜日だと「針生検で標本採取」しても「ホルマリンに漬けておいて」月曜日に提出するわけですが、全く診断能には影響ありません。