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左胸の直径3、4センチのしこりについて

[管理番号:1699]
性別:女性
年齢:40歳
田澤先生、初めまして。乳がんのサイトを検索し、辿り着きました。11月21日に医師から細胞診結果の説明がある予定ですが、不安感もあることから、質問させてください。
以下、今までの経過です。
10月5日に長男1歳を抱っこした際、左胸に痛みを感じ、胸下部3、4センチの硬いしこりを確認する。
10月7日 生理始まる。
10月20日 かかりつけ医院にて、マンモグラフィー、エコーをする。
医師より乳腺科を紹介される。
11月3日 胸に痛みを感じる。しこりは左乳首横付近に移動していることを確認。乳首を強く押すと赤みかかった透明の滲出液がでた。通常は異常なし。
11月4日 生理始まる。
11月7日 乳腺科にて、再度、マンモグラフィー、エコー後、医師の診察があった。医師より、左胸にしこりが確認でき、数カ所の石灰化、リンパの腫れを認める。リンパとしこり部分の細胞採取する旨説明がある。
昨年12月、同系列医院にて、マンモグラフィーをしていたことから、比較したところ。まったく別人のもののようであり、しこりは境界線がはっきりせず、トゲトゲしているため、私の思っていた繊維種とは違うのではとの説明でした。
11月21日に細胞診結果説明、MRI予定です。
今まで定期的に自分で胸を触り、確認していました。
この1ヶ月程でこんなにしこりが急激に大きくなったため、癌ではないだろうと思っていましたが、その可能性があるとわかり、気掛かりでなりません。
癌はそれ程早く大きくなるものでしょうか?私のケースのような場合、癌の可能性はありますか?可能性がある場合、ステージはどのぐらいでしょう。
細胞診で癌と診断された場合、他医院を受診し、セカンドオピニオンを求めるべきでしょうか?
癌手術、治療となると、精神的、肉体的ダメージが大きすぎるため、誤診の可能性も考えてしまいます。
先生の見解をお聞かせください。よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「赤みかかった透明の浸出液」「数か所の石灰化」「しこりは境界線がはっきりせず、トゲトゲしている」「リンパの腫れ」「1年前と全く別人のようなマンモグラフィ」
⇒これらのキーワードからは、残念ながら「乳癌」と思います。
 
「乳管内病変」として「乳管内を増殖(その過程で壊死型石灰化を形成)」
⇒(有る程度広範囲となった時点で)浸潤を始めたので「突然大きなしこりが出現」と感じているように想像します。
 これは「乳頭腺管癌」です。(但し、乳頭腺管癌崩れの硬癌となるかもしれません)
 ○鑑別診断としては「乳管内乳頭腫」ですが、「石灰化(おそらく壊死型)」や「シコリの境界線やトゲトゲ」からは「乳癌をより疑う」こととなります。
 
「リンパとしこり部分の細胞採取する旨説明」
⇒リンパ節は「細胞診」だとしても、しこりは(針生検による)「組織診」ではない
でしょうか?
 確実な診断には「組織診が必要」です。
 
「癌はそれ程早く大きくなるものでしょうか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 石灰化を起こす様な「コメドタイプ」では(乳管内を拡がっている間には、シコリとして認識できないため)「突然出現」のように感じることがあります。
 
「私のケースのような場合、癌の可能性はありますか?」
⇒冒頭でコメントした通りです。
 鑑別疾患としては「乳管内乳頭腫」ですが…
 キーワードは「それぞれが癌を示唆」していると言えます。
 
「可能性がある場合、ステージはどのぐらいでしょう?」
⇒「リンパ節に腫れがある」として「細胞診をしている」ようですが、「その結果しだいでは2期」となります。
「細胞診で癌と診断された場合、他医院を受診し、セカンドオピニオンを求めるべきでしょうか?」
⇒何のための「セカンドオピニオン」でしょうか?
 ○ 診断に信頼がおけるのであれば「セカンドオピニオン」の必要はありません。
 ♯もしも「診断に疑問」があれば「するべき」です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

こんにちは。田澤先生。先々週、先生にご回答いただき、がんの疑いがあると分かり、やっぱりといった感想を持ちました。
結果までの2週間が長く長く感じられておりましたので、先生にご回答いただいたことで、土曜日の医師からの結果説明も落ち着いて聞くことができました。ありがとうございました。
結果は、先生のおっしゃっていたとおり乳がんでした。
以下、内容です。
診断名:「浸潤性乳管癌」
腫瘍の大きさ:2.4×2.2cm(私が思っていたよりは小さかったようです。)
【乳がんのタイプ】
組織型:浸潤がん
ホルモン受容体:陰性
ハーセプチンの必要性:なし
がん細胞の顔つき:3
がんの勢い:高
医師の説明では、ステージⅡBで、リンパの転移があり、今後の検査結果(CT、MRI、骨シンチ等)にて手術・抗がん剤、どちらを先にするかを決定する旨の説明でした。
私のようなケースの場合、手術・抗がん剤どちらを先にすべきなのでしょう。
すべての検査が終わるのが12月3日で今後の方針については、12月4日説明のあるため、日にちが空くのが気が気でなりません。
日にちがあくのはそれ程、心配いらないのでしょうか。
手術は乳房温存術、乳房全摘どちらになるのでしょうか。
一昨日から、左乳房の痛み、左脇のだるいような痛み(押すと痛みが走る)があることから、病院受診予定です。
リンパへの転移が進んでいるのかなと思ったりします。
先生の見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
cT2(24mm), cN1, cStageⅡB, triple negativeですね。
「私のようなケースの場合、手術・抗がん剤どちらを先にすべきなのでしょう」
⇒(担当医はトリプルネガティブでリンパ節転移陽性ということで、術前抗がん剤をいかにも勧めそうですが)
 私であれば、当然「手術先行」です。
 抗がん剤は「術前に行っても術後でも、効果は同じ」なのに、「そのまま温存できる質問者」に対し「体にしこりを残したまま」術前抗がん剤を行う利点は全くありません。
 
「日にちがあくのはそれ程、心配いらないのでしょうか」
⇒不必要な骨シンチ(骨転移も含め、遠隔転移など考える必要は一切ありません)などしているから遅くなるのです。
 いかにも「術前抗がん剤」を勧めそうな流れ(病院)と言えます。
 
「手術は乳房温存術、乳房全摘どちらになるのでしょうか。」
⇒それは「MRIによる拡がり診断」姿第ですが、「2.4cmであれば温存」でいいと思います。
 
「一昨日から、左乳房の痛み、左脇のだるいような痛み(押すと痛みが走る)があることから、病院受診予定です。リンパへの転移が進んでいるのかなと思ったりします」
⇒それは大丈夫です。
 「痛みやだるさ」の症状は「リンパ節転移」とは無関係です。
 心配ありません。