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センチネルリンパ節生検

[管理番号:770]
性別:女性
年齢:38歳
宜しくお願いします。
3月に、みぎ浸潤性乳がんの診断を受けました。MRI.PETーCTでは約1.5~1.6センチの腫瘍との診断を受けています。針生検で、トリプルネガティブ.グレード3.ki-67 50パーセントです。
血液検査では、抗p53抗体が157以上で測定不能と出ております。CEA.CA15ー3は正常値です。現在術前抗ガン剤治療中です。抗ガン剤開始前にセンチネルリンパ節生検を行いました。3個中2個はマイナス1個はリンパ節組織が含まれていませんでした。
6ヶ月の抗ガン剤治療後に全摘予定ですが、リンパ節郭清の話しはありません。術前にセンチネルリンパ節生検をしてマイナスだとそれ以降は例え期間が空いてもリンパ節生検はしないものですか?抗ガン剤治療中とはいえ、オペから半年前のリンパ節生検陰性の結果で郭清せずに治療を受けていいのか疑問に思い、ご質問させていただきました。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「6ヶ月の抗ガン剤治療後に全摘予定」ということは、(術前抗がん剤の本来の目的である)「小さくして温存」という目的ではない、「術前抗がん剤治療」を行っているのですね。
 術前抗がん剤治療の目的は何でしょうか?
 トリプルネガティブだから「どうせ、抗がん剤が必要だから、術前に行い、全身の癌細胞を抑えてから手術にしましょう」とか、
はたまた「術前に抗がん剤を行えば、抗がん剤の効果がわかるから」のような「取ってつけた様な」理由でしょうか。
 「質問者に言うべきではない事は、重々処置ですが、」本来の目的を見失った「術前化学療法」には賛成ではありません。

回答

「術前にセンチネルリンパ節生検をしてマイナスだとそれ以降は例え期間が空いてもリンパ節生検はしないものですか?」
⇒『その(リンパ節はもういじらない)ため』に、「術前抗がん剤開始前にセンチネルリンパ節生検を行っている筈です。
 
「抗ガン剤治療中とはいえ、オペから半年前のリンパ節生検陰性の結果で郭清せずに治療を受けていいのか疑問に思い」
⇒私も疑問に思っています。
 「化学療法前にセンチネルリンパ節生検を行い、転移陰性ならば腋窩郭清は省略する」という方法は『術前化学療法は必ず効く筈だ』が前提となっています。
 しかし、現実には「全ての方に抗がん剤が効く」訳ではありません。
 もしも、「術前化学療法が無効で、腫瘍も大きくなり、リンパ節転移が新たに出現した場合」には『質問者が心配されている様に』転移したリンパ節を「体に残しておく」事になるのです。
 
○もしかして、医師によっては「リンパ節転移は局所だから出てきたら、その時対処(郭清)すればいいよ。」と言う者がいるかもしれません。
 それは「医師側からの(歪んだ)視点」であり、「患者さん目線では、とんでもない」話ではないでしょうか?