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線維腺種のなかに乳がん?

[管理番号:316]
性別:女性
年齢:41歳
お世話になります。
乳癌の疑いがあり、先日組織診断を行いました。
結果、取れた細胞のほとんどは線維腺種で、ごく一部に非浸潤癌が見つかったとのことでした。
もう1か所、そのしこりとは離れたところにあるしこりも怪しいということで、こちらは細い針の細胞診をしましたが、良性と非浸潤癌の判断ができないという結果でした。
これは、線維腺種が乳がんになったということなのでしょうか? あるいは、線維腺腫のなかに乳がんが発生したということなのでしょうか?
また、離れたところのしこりも非浸潤癌となると、病変が広範囲にわたっている可能性を考えなければなりませんか?
お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 線維腺腫は癌にはなりません。
 それでは回答します。

回答

「線維腺種が乳がんになったということなのでしょうか?あるいは、線維腺腫のなかに乳がんが発生したということなのでしょうか?」
⇒線維腺腫は癌にはなりません。
 以前、「乳腺病理の大家」の先生から「非常に稀に、線維腺腫の病巣付近に、たまたま癌が発生して、それらが衝突した」像がある。と聞いた事があります。
 今回も「上記にあてはまる」のではないかと考えます。(病理の先生のコメントが知りたいところですが…)
 
「もう1か所、そのしこりとは離れたところにあるしこりも怪しいということで、こちらは細い針の細胞診をしましたが、良性と非浸潤癌の判断ができないという結果」
⇒(細胞診ではなく)是非、針生検をして「確定診断」をつける必要があります。
 
「離れたところのしこりも非浸潤癌となると、病変が広範囲にわたっている可能性を考えなければなりませんか?」
⇒もし「針生検の結果が癌であれば」多発ということとなり、(文面から推測するに)一つの病変が広いのとは異なるようです。
◎まずは「離れたしこり」の「組織診」から始めましょう(MRIは組織診の替りにはなりません)