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線維腺腫と針生検の必要性

[管理番号:5496]
性別:女性
年齢:34歳
はじめまして。
現在、海外在住です。
針生検が必要な状態でしたら田澤先生にお願いできればと思い質問させていただきました。
2016年12月に渡航前の検診(東京・検診専門クリニック)で受けたエコーは所見なし、今回一時帰国中の7月に同クリニックでの
エコーで右乳房に7×4㎜の腫瘤が見つかりました(形の説明はなかったのですが楕円形で、血流なし、自覚症状なし)。
検査技師、検診担当医師ともに、乳腺線維腺腫だろうと説明あり。
医師からは、「1年後の経過観察で良い。
どうしても心配なら乳腺科を受診しては」と話がありました。
母に乳がんの既往があり、心配だったため8月に実家近くの総合病院乳腺外科を受診。
医師(乳腺専門医・指導医)がエコーしたところ、なかなか見つからず何度か確認して5.9×3.6×5.6㎜の腫瘤を確認。
マンモグラフィーは異常なし。
「大丈夫だとは思うが念のため細胞診をするか」と聞かれ、お願いしたのですが、結果は<細胞数が不十分のため判定不能>でした。
結果については「失敗ではなく良性と考えてよい(悪性は細胞の増殖が多く細胞が取れやすい)」と話があり、
経過観察で4か月後に再受診するよう言われました。
線維腺腫と考えてよいかの質問には「そうだと思う。
コロコロ動くし、今は米粒くらいの大きさ。
自己検診もしておいて」との返答でした。
ここまでが経過で、現在は海外に戻ってきております。
田澤先生の回答を拝見し、確定診断には組織診が用いられること、画像上明らかに良性と判断できるものは生検しないこと、経過観察期間で医師の腫瘤の見方が分かることなどを知りました。
そこで4点質問なのですが、
1.画像上明らかに良性と判断できるかのポイントは何でしょうか。
2.今回、両医師とも線維腺腫と考えていますが、経過観察に4か月~1年と幅があるのはどういう理由からでしょうか。
3.そう頻繁な帰国は難しく、また妊娠を希望しているため、上記の経過で針生検が適応でしたら、早めに確定診断を受けたいと思いますが田澤先生のクリニックで実施していただけるでしょうか。
4.線維腺腫と良性の葉状腫瘍は区別が難しい場合もあるとのことですが、確定診断後も1年より短い期間での経過観察が必要でしょうか。
質問が多くて申し訳ありません。
お忙しいところ恐縮ですがどうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「1.画像上明らかに良性と判断できるかのポイントは何でしょうか。」
⇒「境界明瞭な扁平楕円:碁石やレンズをイメージするといいでしょう」です。
「経過観察に4か月~1年と幅があるのはどういう理由からでしょうか。」
⇒単純に…
 医師の性格だと思います。(もしくは自分の診断に対する自信の度合い)
「上記の経過で針生検が適応でしたら」
⇒画像診断で「線維腺腫」と診断されているのみならず「細胞診(100%信頼できないとしても)で悪性が出ていない」、その両方を合わせれば「限り無く良性の可能性が高い(90%以上)」と想像します。
 
「早めに確定診断を受けたいと思いますが田澤先生のクリニックで実施していただけるでしょうか。」
⇒たとえ良性の可能性が90%以上だとしても
 ご本人が心配ならば「組織診することは(勿論)可能」です。
「確定診断後も1年より短い期間での経過観察が必要でしょうか。」
⇒それでは、確定診断の意味がありません。
 確定診断して「線維腺腫」なら1年毎の検診戻りですし、「葉状腫瘍の可能性がある」場合でも(7mm)ならば1年後でいいでしょう。(この場合には病院フォロー)