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術後病理は正常乳腺

[管理番号:6630]
性別:女性
年齢:53歳
ご多忙の中、長文の質問になりますが、よろしくお願い致します。
2017年2月、乳腺専門クリニックでの検診で、マンモ異常なし、エコーで、「2~3㎜のしこりがあるので、良性と思うけど、半年後にエコーをとりに来て下さい」ということでした。
半年後の8月、エコーで、非浸潤癌が疑われるということで、細胞診をしたところ、
「クラスⅡだけど、エコーでは非浸潤癌のように見えるので組織診をします。」ということになりました。
しかし、非浸潤癌を疑うのであれば、マンモトーム生検のほうがいいのではないかと思い、県内にある乳癌治療では全国的に有名な病院に紹介を希望し、9月に受診しました。
その時のエコー所見は、
右EC領域
拡張した乳管内に、やや淡い充実性領域
27.0×20.1㎜を認める
血流(+)PI値1.38
一部、石灰化を伴う
S/O乳管内乳頭腫(非浸潤性乳管癌の合併は鑑別困難)
左 massなし
というものでした。
27㎜の充実性領域の中の乳頭側の端のほうに、5㎜程度の結節があり、そこを狙って、初診当日、針生検をしました。
採取の際、乳腺が硬くて針が刺しにくく、
古い血の塊などが採れた後、何度目かで、組織が採取出来たようでした。
後日、MRIも撮り、併せて結果を聞いたところ、乳管腺腫ということでした。
経過観察でもいいし、確定診断するのであれば、乳管腺葉区域切除とのことで、手術を選択しました。
その時、乳頭分泌については、下着にシミが付くことに気付いてはいましたが、血性ではないので気にはしていませんでした。
診察時は、十分な量の分泌があったようで、その乳管に造影色素を入れて手術し、
中枢側は乳頭までの乳管を切除しましたが、末梢乳管までの切除はしないと術前の説明では聞いています。
術後病理の結果では、悪性の所見はもとより、針生検での乳管腺腫も認められず、また、報告書には、「エコー画像で見られたような拡張乳管は見られなかった」とも、記載されていました。
責任乳管の特定に誤りがあったのではないかと質問したところ、病理に問い合わせるということで、「エコーとMRIの読影所見と画像、病理の報告書も頂きたい」とお願いしました。
また、非浸潤癌の疑いであったのに、マンモを撮影していなかったことも疑問に思っており、クリニックから持って行ったマンモのCD-Rは、半年前の2月のものであり、
私は、比較のために持たせて貰ったと解釈しています。
後日、病理の結果を聞きに行ったところ、
「細かく切ったら、2㎜の拡張乳管が出てきました」と言われ、追加の報告書には、「2㎜程度に拡張した乳管や過形成変化、
腺症が散在、乳管上皮に化生変化を示す部分もあり、乳腺症の所見である。
Deeper
cutもしたが、生検でみられた乳頭状構築は描出できなかった。
拡張乳管が含まれているため、病変部分は取り切れていると思われる」と記載されていました。
病理は外注ではなく、院内でしており、病理医は、乳腺では全国的に有名な方のようです。
納得は出来ませんでしたが、これ以上の追及をしても同じだろうと諦め、お願いしていたその他の読影所見の結果等を受け取り、「半年後にエコーをとって、それで終了とします」ということになりました。
ところが、帰宅後、MRIの読影所見を見たところ、対側の左乳房に次のような所見が記載されておりました。
「左乳房のB領域に、5㎜大の病変を認める。不整形で辺縁は平滑。
T1、T2強調画像では不明瞭。
拡散強調像では高信号を示す。
ADC mapでは不明瞭。
ダイナミック
MRIでは不均一な増強効果を示しているように見える。
TIC解析では、第1第2早期相で強い増強効果を示し、第2早期相でピークを形成した後、後期相でwashoutを示す。病変が小さく良悪性の判断は困難。カテゴリー3」
エコーを再度見直したり、マンモの撮影もしておりません。
気になりながらも、そのまま過ごし、半年後の2018年4月、術後初めてのエコーをとり、1週間後の診察日に結果を聞きました。
対側の左乳房は、今回は、エコーで腫瘤が確認出来、検査の時、私が画面を見た感じでは、MRIでの所見と同様に不整形で、横長だけど線維腺腫ではないと思いましたが、「横長なので良性です。乳頭腫の可能性はあるけど、経過観察でいいです。」とのこと。
マンモを撮らなくていいのかと尋ねましたが、5時を過ぎていたからか、「今日は無理なので、半年後、マンモとエコーします」とのこと。
右の手術した側については、「嚢胞がいくつかあるけど、問題ありません」とのことでした。
嚢胞も、乳管が拡張して膨らんだものですから、この嚢胞が術前からあった拡張乳管なのではと思いましたが、これまでいろいろと疑問が多すぎて、聞く気力もなくなり、次回10月の予約となりました。
非常に長くなりましたが、ここからが質問です。
①マンモトーム生検を希望して行ったのに、結局針生検で、さらに、非浸潤癌の疑いであったのに、マンモの撮影もすることなく、手術となりました。
「マンモトーム生検をすれば確定診断は出来るけど、分泌が今後もっと増える可能性もあるので、マンモトーム生検するのであれば診断と治療を兼ねて手術を勧める。
経過観察でもいい」とのことでしたが、私が手術を選択しました。
この流れに問題はありましたか。
②術後病理の結果で、初回報告で、「画像で見られたような拡張乳管は見られなかった」のが、さらに薄切し直しての検討の結果、「カンファレンスで他の先生とも検討し、2㎜の拡張乳管があったので、責任乳管の特定に間違いはなかった。
乳管腺腫は針生検で採りきれた。
27㎜の充実性領域は、古い血液などのデブリスと思われる」
との説明がありましたが、針生検で採取した病変部を手術で間違いなく切除したというのであれば、切除標本に針生検の痕跡が確認出来るのではないでしょうか。
また、エコーでの乳管拡張は5㎜程ありましたし、針生検の2週間後にMRIの撮影をしましたが、MRIでも、「血性乳汁の貯留した乳管の深部に5㎜の病変あり」と記載されており、「針生検で乳管腺腫は採れてしまった」ということも、納得出来ません。
③現在、右乳頭に単孔性の分泌があり、分泌量は術前よりも多いのですが、色は白いので問題はないのかとは思っています。
術前は、自分で絞ったことがなかったので、同一の乳管かは不明です。
ただ、術後、複数の嚢胞があることなども含め、疑心暗鬼になり、転院したいのですが、今、ここで転院するのは、得策ではありませんか。
この嚢胞を、術前にあった拡張乳管と関連付けるのは、考えすぎでしょうか。
④左乳房のMRIの所見は、悪性の可能性もあるように思いますが、今年4月のエコーでは、横長なので良性ということで、技師さんのとったエコーですが、おそらく他の所見からも癌を疑うものではなかったのだろうと理解しています。
触った感じは、乳頭の斜め下に硬くて小さ
いしこりを触れ、エコーでも、その部分に腫瘤がありましたが、良性であるのなら、
その硬さから、乳頭腫というより乳腺症結節なのかなと自分では思っています。
左右ともに、悪性の可能性という点では、
緊急性はなく深刻な状況ではないのだろうとは思っていますが、術前にマンモの撮影もせず、新規病変が見つかっても、マンモは半年後、病理の結果も、担当医の説明も納得出来ず、転院したい気持ちが高まっています。
次回、10月のマンモ、エコーで、悪性の疑いがなければ、術後病理の疑問やこれまでのことは忘れて、気持ちをリセットして、
左の腫瘤が乳頭腫の可能性があるのであれば、生検は他院で受けるなりして、後は、
左右ともに、普通に経過観察していけば、
よいのでしょうか。
大変長くなりましたが、どうぞよろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
メール内容を読みました。
(前医でも非浸潤癌を疑った)27mmのエコー所見があるのに、その乳管専用区域切除の病理所見が乏しすぎでは?(両者に乖離があるのでは?)
私の印象もそう思いますが、(その施設で行った乳管腺葉区域切除の)手術精度については私には解りようが無いので、それについてはコメントできません。
ただ、(過ぎたことは)この際忘れて、現在がどうなのか?
もしも、やはりその部位に「少しでも気になる」エコー所見があるのであれば、「今度こそマンモトームできっちりターゲットを削り取る」それでいいのでは?(解決するのでは?)
同時に左の「線維腺腫?」という所見もMMTEすれば解決です。
☆基本的に(患者さん自身が希望すれば)どんな所見であれ、きっちり組織検査してあげるのがいいと私は思っています。