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インプラント再建後のしこり

[管理番号:4859]
性別:女性
年齢:49歳
初めてご相談させて頂きます。
よろしくお願いします。
2015年に乳がんと診断され、10月に左乳房全摘出・同時再建を受けました。
病理結果は浸潤癌+非浸潤癌でした。
大きさ2.3cm リンパ節転移1個(1/4)
多臓器転移な でStage2B 核異型度3 Ly(ー) V(ー) 転移しにくいタイプ
断片(ー) きっちり切除できていますER98% PgR 99% Her2 0 ki67
10% でルミナールA再発リスク中間~高リスク と説明を受けました。
術後治療として抗ガン剤TC4回後、ホルモン療法中です。
2016年7月にインプラントに入れ替え後今年3月卵巣嚢腫の為卵巣全摘出手術を受けました。
質問ですが、先週術側の中央やや上にしこりを確認しました。
エコーでは1cmで針を刺し細胞検査を受けました。
やはり再発でしょうか?良性の可能性はありますか?
もし再発の場合今後の治療法について教えて下さい。
よろしくお願い致します。
ホルモン療法中ですが、現在はノルバデックス服用していますが、卵巣全摘したのですぐに閉経後の薬に変更した方がいいでしょうか?
すぐに変更しなくても良いと言われましたが、いかがでしょうか?
以前乳がんは1度再発すると完治しないと言われました。
今回再発だった場合もう完治は望めないのでしょうか?
長くなりましたが、ご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
☆重要なことは「局所再発」と「遠隔転移再発」の明確な区別です。
 「局所再発」は、(この場合は乳腺全摘後だから)「手術時に取り残した癌細胞がゆっくり増殖した」ということです。基本的に、「それを摘出する」ことでいいのです。
  ♯「遠隔転移再発」とは全く異なります。(この場合には抗癌剤など全身療法でいいのです)
 つまり、「局所再発は局所療法(手術±放射線)」「遠隔転移再発は全身療法(ホルモン療法や抗癌剤)」となり、治療法が全く異なります。
「術後治療として抗ガン剤TC4回後、ホルモン療法中」
⇒そもそも「ルミナールA」で抗癌剤が必要だったのか?(過ぎた事ですが…)
「やはり再発でしょうか?良性の可能性はありますか?」
⇒再発であれば「局所再発」となるし、もしも良性の場合には「術後の脂肪壊死など、手術に伴ってできたもの」ということになります。
 画像を見ていないので、(良悪、どちらの可能性が高いかなど)これ以上のコメントはできません。
「もし再発の場合今後の治療法について教えて下さい。」
⇒冒頭にコメントした通りです。
 局所療法(手術)できちんと取ればいいのです。
 ♯決して、局所再発を理解していない様な医師に、無意味な抗癌剤を提案されないように気をつけましょう。
「現在はノルバデックス服用していますが、卵巣全摘したのですぐに閉経後の薬に変更した方がいいでしょうか?すぐに変更しなくても良いと言われましたが、いかがでしょうか?」
⇒すぐに変更する必要はありません。
 ホルモン値が完全に下がった事を「ゆっくり確認すべき」です。
 ♯タモキシフェン(ノルバデックス)は閉経後も普通に効果もあります。
「以前乳がんは1度再発すると完治しないと言われました。」
⇒冒頭のコメントを良く理解しましょう。
 「遠隔転移再発」は完治困難ですが、「局所再発は(初回手術時の)局所治療のやり直し」と捉えるのです。
「今回再発だった場合もう完治は望めないのでしょうか?」
⇒上記コメントでご理解いただけましたか??
 普通に「きちんと手術」すればいいのです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

前回はわかりやすいご回答ありがとうございました。
しこりの検査結果は残念ながら悪性との事で、再度ご相談させて頂けますでしょうか?
再発したという事は、抗ガン剤治療は効果がなかったという事でしょうか?
全身転移の確認をしないと治療方針が決められないといわれましたが、
検査は何が必要でしょうか?以前から腰痛があるので、骨転移が心配です。
術後2年足らずでも遠隔転移するのでしょうか?
局所再発だけの場合手術すればよく、無駄な抗ガン剤の提案をされないように気をつけましょうと言うお答えに少し安堵していますが。
前回もルミナールAで抗ガン剤が必要だったのか?と先生も疑問を持たれたようでしたが、私もルミナールAで抗ガン剤の必要をとても悩みました。
そもそもルミナールAと言う判断は正しいのかと思ってしまいます。
全摘し抗ガン剤もしたのに、再発してしまいよほど悪性のタイプのガンなのではないかと不安です。
先生は私のガンのタイプはどのようなタイプだと思われますか?
無駄な抗ガン剤を提案されない為に、局所再発だった場合抗ガン剤が必要ない理由を教えて頂けないでしょうか?
明後日主治医受診予定です。
いろいろ不安で一杯ですが、先生にご相談できる事で疑問や不安が解消できる事に感謝しております。
ご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
文面を読みましたが、根底に「大きな勘違い」があります。
(全摘後の)局所再発は「純粋に手術時の取り残し」であって、「腫瘍の悪性度」とも「術後療法」とも全く無関係です。
○「抗癌剤も効かないほど腫瘍の悪性度が高いのでは?」などという考え方は、全くナンセンスです。
今回は(前年ながら)結局「全摘後の局所再発」だったわけですが…
 これは「手術時の取り残し」だということです。
☆術後の再発予防としての「術後全身補助療法(この場合には抗癌剤+ホルモン療法)」は『今後、顕在するかもしれない(遠隔)転移再発を抑える(予防する)ためにあり、取り残した癌の塊には効かなくて当然』だということです。
「再発したという事は、抗ガン剤治療は効果がなかったという事でしょうか?」
⇒上記コメント通りです。
 そもそも抗癌剤は「遠隔転移再発を防止するため(見えない様な小さなものを相手にしている)」なのです。
 純粋な「局所再発(取り残した癌の塊)は抑えられなくて当然」なのです。
「全身転移の確認をしないと治療方針が決められないといわれました」
⇒誤りです。
 前回の回答を確認してください。『決して、局所再発を理解していない様な医師に、無意味な抗癌剤を提案されないように気をつけましょう。』
「検査は何が必要でしょうか?」
⇒一応全身検索(PET)するのは、「念のため」という意味では仕方がないですが、本来「局所再発と遠隔転移再発とは無関係」です。
「術後2年足らずでも遠隔転移するのでしょうか?」
⇒局所再発と遠隔転移再発は『明確に』区別しましょう。
「そもそもルミナールAと言う判断は正しいのかと思ってしまいます。」
⇒Ki67=10%から、ほぼ間違いないでしょう。
 どうしても納得できないなら、(今からでも遅くないので)OncotypeDXすべきです。(それが唯一の確認方法です)
「全摘し抗ガン剤もしたのに、再発してしまいよほど悪性のタイプのガンなのではないかと不安です。」
⇒(ここまでの回答で)質問者は自分の「大きな勘違い」に気付いてくれまいたか???
 ☆全摘後の局所再発は(単純に)「手術時の取り残し」であって、「腫瘍の悪性度とは無関係」です。
  ましてや、抗癌剤をすることと「局所再発」は無関係です。
 ☆☆更に言えば、ルミナールAでは抗癌剤は全く無意味なので「抗癌剤したのに…」という主張自体が全くナンセンスです。
「先生は私のガンのタイプはどのようなタイプだと思われますか?」
⇒普通のルミナールAです。
「無駄な抗ガン剤を提案されない為に、局所再発だった場合抗ガン剤が必要ない理由を教えて頂けないでしょうか?」
⇒前回の回答を載せます。
 『局所再発を理解していない様な医師に、無意味な抗癌剤を提案されないように気をつけましょう。』
 単なる手術の取り残しは、「その部分を(今度は)きちんと手術して取り除く」それだけでいいのです。
 ○局所再発を理解していない様な医師は「胸壁転移」などという「全くナンセンスな用語を発明しかねない」から注意が必要なのです。
(つい最近のQandAでも「胸筋転移」なる馬鹿馬鹿しい用語を発明した医師がいたのです)
 
 

 

質問者様から 【質問3】

いつも的確な回答を頂きありがとうございます。
知識不足の為、たくさんの勘違いをしていましたが田澤先生のご回答を拝見し、今までの疑問点は理解することができました。
ありがとうございました。
先日主治医の診察を受けたのですが疑問点がある為、田澤先生のご意見を伺えればと思います。
後日、吸引式組織生検とPET-CTを受ける事になり、その結果を見て治療方針を決めましょうと言われました。
吸引式組織生検はどんなタイプの乳がんか?どんな薬に効果があるか?
前のがんとの関係は?を知る為に行うという説明でした。
吸引式組織生検は手術前に調べた方がいいのでしょうか?術後の組織検査(病理結果)ではいけないのか?と思うのですがいかがでしょうか?
特にどんな薬に効果があるか?という点に気持ちがひっかかりました。
この薬というのは抗ガン剤の事を言っているのではないか?と….。
何度も田澤先生に無駄な抗ガン剤を提案されないように気をつけましょうと教えていただいているので、抗ガン剤は必要なく受けたくないと思っています。
どんな薬に効果があるか?を調べる必要性がよくわかりません。
単なる手術の取り残しはその部分をきちんと手術して取り除くそれだけでいいのですと教えて頂きましたが、術後放射線治療も必要ないと考えてよいでしょうか?
再度しこりができる事はあるのでしょうか?
もし放射線治療が必要なら何回程度でインプラントが入ったままで大丈夫でしょうか?
田澤先生でしたら、どのような治療方針にされるかお聞かせ下さい。
PET-CTは術後全身検査をしていないので、検査することになりました。
いろいろわからない事、不安な事が多くまた勘違いをしているかも知れませんがご回答よろしくお願い致します。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
細胞診で癌⇒(細胞診だけでは確定診断とはならないので)「組織診をする」ことは間違いではありません。
この場合の「吸引式組織生検(マンモトーム生検のこと)」自体は、その意味で「誤り」ではありません。
ただ、担当医の「吸引式組織生検とPET-CTを受ける事になり、その結果を見て治療方針を決めましょう」というセリフが気になります。
この機会に(全身検索として)PET検査をする事自体はよくあることでありそれ自体は「誤り」ではありません。
が、担当医は「局所再発を遠隔転移の一環」と捉えて(手術をせずに)「まずは、(ホルモン療法が効くタイプだから)ホルモン療法で効果をみてみましょう」などとされるリスクがありそうです。
☆とにかく繰り返しますが(PETをしたり、マンモトームで確定診断をすることはいいとしても)重要なことは「あくまでも局所再発は局所再発」まずは手術をすることです。
 
 その後にどうするのかは、その時に考えましょう。(本質的な問題ではありません)
 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生、いつもありがとうございます。
前回のPET-CT、マンモトーム生検の結果のご報告と今後についてご意見を伺えますでしょうか?
検査結果・・PET-CTリンパ節転移、遠隔転移は認めません。
マンモトーム生検・・浸潤性乳管癌、核異度 1
ER=5+3=8/8 PgR=4+2=6/8 ホルモン療法効果あり
Her2:0 ki67:1-10% 増殖能高くない
大きさは記載されていませんでしたが、最初に1cmくらいと言われました。
ルミナールAタイプで全摘後の局所再発との診断です。
田澤先生からまずは手術をする事とのアドバイスを受け、明日手術予定です。
主治医だと8月以降になる為、若い医師が担当するようです。
主治医の見解ですが、現在の段階で抗ガン剤は必要ない、ホルモン療法をアロマターゼ阻害剤(フェマーラ)に変更、出来れば放射線をした方がいいとの事でしたが、永久病理結果で今後の方針を決めると言われました。
約2週間後に結果が出るまでノルバデックスを服用中止するように言われました。
ちょうどノルバデックスがなくなる為この機会にフェマーラに変更するようですが、ホルモン療法が効くタイプだとわかっているのに、中止するのは何故なのか疑問です。
2週間も服用中止して大丈夫でしょうか?
次に術後の放射線についてですが、抗ガン剤を行いホルモン療法が効くタイプでホルモン療法をしているにもかかわらず、術後2年以内で再発している為、またしこりができる可能性が高いのでした方がいいとの事でした。
今後またしこりができる可能性はあるのでしょうか?
今再発しているしこりから血液やリンパにのって全身へ行く事は考えられるのでしょうか?
田澤先生でしたら、術後放射線治療をされますでしょうか?
インプラントが入っている事、皮膚が弱い事もあり出来れば放射線治療はしたくないと思うのですが….。
もし、放射線をしなければ再発リスクが上がると主治医に言われましたが、またしこりができた場合再度手術で取り除くのではよくないのでしょうか?
また、局所再発を完全に取り除く為に手術時に注意すべき点があれば教えて下さい。
もう手術の取り残しといった事態は招きたくありません。
お忙しい中恐縮ですが、ご回答お願い致します。
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
この回答をするにあたって最初からのメールを読みなおしました。(今回が質問4になる筈です)
一貫して質問者は「物事をシンプルに理解する」ことから外れがち(担当医に原因がありそうですが)なので、敢えて回答はシンプルにします。
1.あくまでも(初回手術時の取り残しであり)術後補助療法が効くとか効かなかったとは無関係
  そもそも抗癌剤は「遠隔転移再発を防止するため(見えない様な小さなものを相手にしている)」なのです。
 純粋な「局所再発(取り残した癌の塊)は抑えられなくて当然」なのです。
2.今回の治療は(取り残した腫瘍を)「改めて切除」という(極めて)シンプルなことです。
 放射線を照射するかは、「本質的なことではない(どちらでもいい)」ことです。
3.局所再発を「ホルモン療法のせい」にして「変更する」必要は全くありません。
 局所再発の原因は(術後補助療法が効かなかったからではなく)「手術時の取り残し」なのです。
「抗ガン剤を行いホルモン療法が効くタイプでホルモン療法をしているにもかかわらず、術後2年以内で再発している為、またしこりができる可能性が高いのでした方がいい」
⇒これが「そもそも誤り」です。
 局所再発の原因が「手術の取り残し」であることから目を逸らし「術後療法のせい」にすると、このような「戯言」となるのです。