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再発遠隔転移 今後の薬の選択

[管理番号:4046]
性別:女性
年齢:46歳
おはようございます。
田澤先生よろしくお願いします。
遠隔転移再発4年目で46歳です。
今後の治療について悩んでいます。
<治療経過>
2005.11右乳がん手術。
温存術後、FEC4回、PTX12回→放射線→ノルバ
デックス5年、ゾラデックス2年
《病理》乳頭腺管がん、充実腺管がん リンパ管侵襲(+)血管侵襲
(+)ER(+)10%以上 PgR(+)10%以上
Her2(-)グレード3 リンパ節転移2/6 
2012.11 縦隔リンパ節、胸膜、骨転移
    (CEA35.2、CA15-3 266.4)
2012.12 フェソロデックス500mg4回、ゾメタ開始
2013.3 胃転移 生検《病理》ER(+)、PgR(+)、HER2(1+)、
     Ki-67 40% 
     リュープリン、フェマーラに変更
    (2013.3 CEA81.0 CA15-3 3334.4)
2013.6 脳髄膜転移(CEA5.6 CA15-3 1256.1)
2014.6 右鎖骨上リンパ節転移→生検《病理》ER(+)8、PgR(+)
     3、HER2(-)、Ki-67 60%
2014.7 肺転移増大 タスオミンへ変更
     (CEA11.4 CA15-3 843.7)
2014.11 PET-CTにて骨転移増悪のためランマークに変更
     (CEA17.8 CA15-3 1644.1)
2015.1  アロマシンへ変更(CEA29.3 CA15-3 1990.7)
2015.3  プロセキソールへ変更(CEA43.4 CA15-3 3095.7)
2015.9  脳転移 ガンマナイフ療法
     (CEA13.9 CA15-3 279.9)
2015.11 CT がん性リンパ管症 骨転移進行 ゼローダへ変更  
     (CEA28.8 CA15-3 479.9)
2016.7  CT 悪化なし(CEA4.9 CA15-3 227.0)
2016.11  CEA10.9 CA15-3 270.4
ゼローダの効果もこれまでとのことで、そろそろまた薬の変更が必要と言われました。
選択肢として、アロマシン+アフィニトール、点滴抗がん剤(ハラヴェン、アブラキサン、アバスチン他いろいろ)を提示されました。
今の私の体調はというと、体はだるいものの週2回短時間の仕事と家事はできています
可能ならば内服薬で頑張りたいとは思いますが少しでもがんの進行を抑えれるのであれば点滴も仕方ないかなとも思います。
ホルモン剤から抗がん剤にかわり、またホルモン剤(アロマシン+アフィニトール)にもどるというのは効果あるのでしょうか?
田澤先生のご意見をお聞きしたいと思っています。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
術後7年での再発
術後補助療法としてFECとPTXを行っているが、術後7年での再発であり、それらの薬剤(FECやPTX)が現時点でも有効である可能性があることが注意点です。
♯一般に過去に使用した薬剤は(その薬剤を使用後に病状が悪化したと捉えて)再度使用しないというのが原則なのですが、今回の「アンスラサイクリンやパクリタキセル」はそれにあたらないという事です。
「選択肢として、アロマシン+アフィニトール、点滴抗がん剤(ハラヴェン、アブラキサン、アバスチン他いろいろ)を提示」
⇒ここは、「効果と副作用のバランスが優れた」bevacizumab+paclitaxelを推奨します。
 私のやり方は、bevacizumab+paclitaxelを3クール(3カ月)行い、その後eriblin3クールです。
 これであれば、(副作用は最小限で)効果は最大限の期待ができます。
「ホルモン剤から抗がん剤にかわり、またホルモン剤(アロマシン+アフィニトール)にもどるというのは効果あるのでしょうか?」
⇒勿論です。
 抗ガン剤で叩いて、ホルモン剤で維持する。そういうことです。