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再発乳がん全摘後の治療について

[管理番号:3353]
性別:女性
年齢:49才
田澤先生、こんにちは。
初めて相談させていただきます。
これまでの経過は、2011年、5月に右乳癌疑いによる温存手術。
病理で非浸潤ガン、ホルモン感受性陽性。
ホルモン療法を勧められましたが、しませんでした。
その後、放射線25回。
これまで、6ヶ月ごとの超音波、1年おきにマンモをして経過を見ていました。
今年5月の検診で、再発していることが分かり、7月に全摘、センチネルサンプリング1個摘出、迅速判断陰性を行いました。
先日病理の結果が分かり、次のようでした。
リンパ節転移0。
ホルモン感受性、どちらも陽性。
HER2
スコア、FISHで陽性、腫瘍径?浸潤径?20×7㎜、組織学的悪性度、グレード2、脈管浸潤なし、Ki-67、30%でした。
主治医からは、抗がん剤と抗HER2療法、ホルモン療法を提示されました。
抗がん剤は、アンスラサイクリン、タキサンと言われましたが、心臓に狭心症の波形が見られるので、希望していません。
先生が効果があると言われているので、抗がん剤3ヶ月、ハーセプチンの計1年をまず頑張ってみようと思っています。
私のように、局所再発乳がんでも、この治療は効果があるでしょうか。
また再発率は下がるでしょうか。
私は○○県でガンセンターに通っています。
主治医がエコー、触診をしています。
セカンドオピニオンもあり、と言われました。
術後まだ傷口が完全には治っていないため、軟膏を塗っています。
いつ頃から抗がん剤治療開始できるのでしょうか。
このサイトを見て、再発予防治療に前向きになれました。
フルタイムの仕事で抗がん剤治療の時のみ、休む予定が、その後仕事復帰はすぐにできるものでしょうか。
お忙しいところ、よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
非浸潤癌術後5年での乳房内再発ですね。
術後5年というのは「乳房内再発の時期」としては矛盾しないとは思います。
局所再発の考え方としては
局所治療 > 全身治療
となるのですが、初回手術時に「非浸潤癌」であり術後補助療法無での「浸潤癌」となると、やはり「浸潤癌のサブタイプに応じた全身治療」が必要となります。
これが、「初回手術時に浸潤癌でサブタイプに応じた治療をしていた」としたら、局所再発後の全身療法は迷うところですが…
「抗がん剤は、アンスラサイクリン、タキサンと言われましたが、心臓に狭心症の波形が見られるので、希望していません。」
⇒(質問者の)正しい判断です。
 早期であるし、非アンスラサイクリンレジメン(TCもしくはweekly PTX)がいいでしょう。
「先生が効果があると言われているので、抗がん剤3ヶ月、ハーセプチンの計1年をまず頑張ってみようと思っています。」
⇒それでいいと思います。
「私のように、局所再発乳がんでも、この治療は効果があるでしょうか。また再発率は下がるでしょうか。」
⇒勿論です。
 
 非浸潤癌からの「局所再発」であれば「治療としては新期」として考えて間違いありません。
「いつ頃から抗がん剤治療開始できるのでしょうか。」
⇒創部の具合が不明ですが…
 化膿でもしていない限り(乳癌術後に化膿することは殆ど無い筈ですが)気にせずに開始して大丈夫です。
「フルタイムの仕事で抗がん剤治療の時のみ、休む予定が、その後仕事復帰はすぐにできるものでしょうか。」
⇒全く問題ありません。(TCなりweekly PTXの間だけ休むということですね)
 ハーセプチン単剤は全く問題ありません。(TCなどの副作用も、仕事ができない程には残りません)
「私は○○県でガンセンターに通っています」
⇒おそらく、担当医は私の大学の後輩なのだと思います(少なくとも3年前の時点では 現在は誰なのかは解りませんが、基本的に私の出身大学から行っていると思います。)
 何となく親近感が湧きますね。