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細胞診→カテゴリー3→針生検

[管理番号:223]
性別:女性
年齢:35歳
はじめまして。
このサイトを見つけ先生がみなさんの質問に優しく丁寧に回答されているのを拝見しまして質問させて頂く事を決めました。
二週間前に、左胸下部にゴツゴツと言うかブツブツと消しゴムの硬さのシコリを発見し、乳腺センターへいきました。
マンモでも何も写らずエコーでシコリを確認、見た感じは黒い塊が繋がって見えました。
細胞診をし、結果はカテゴリー3で形がいびつと出たので針生検をして結果待ちです。
針生検の結果を待たずして念の為にとMRIも勧められました。
これはカテゴリー3でも悪性寄りだからでしょうか…?
先日祖母が末期の乳癌と診断され、もしかして自分も!と思い、いつもより慎重にに触診をして見つけたシコリだったので、やっぱり自分も癌なんだ…と思い込んでいます。
もしも針生検で悪性と判断された場合は最悪、転移などしていると思いますか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「細胞診でカテゴリー3(クラス3の誤記載?)のシコリ」MRIも勧められた。との事ですね。
 「乳癌の診断」が身近にあったとの事。御心配な気持ちをお察しします。
 それでは回答します。

回答

「細胞診をし結果はカテゴリー3」
⇒「細胞診クラス3」で一番多いのは「乳頭腫」や「線維腺腫」などの良性腫瘍です。
 「乳癌」で細胞診をしたら通常はクラス5(少なくとも4以上)がでます。
 「クラス3」では乳癌の可能性はそれ程高く無い筈です。
 
 ※ただし、「細胞診の技術が未熟(採取できた細胞数が少ない/処理が不適切:乾燥してしまった)」の場合にはクラス3が出るかもしれません。
 
「針生検の結果を待たずして念の為にとMRIも勧められました。」
⇒これは(深読みせずに、文字通り)「念のため」だと思います。
 私は正直、「診断目的でMRIを撮る」事には賛成できませんが、(世の中には、針生検の結果に自信がないからなのか?)「平気で診断目的でMRIを撮影する医師」が沢山います。
 MRIが「被爆の問題が無い」ということもあるのでしょうが…
 あくまでも「針生検=組織診」が確定診断であり、MRIは何の参考にもなりません。
 
「これはカテゴリー3でも悪性寄りだからでしょうか…?」
⇒そんなことはありません。
 「細胞診でカテゴリー3」であれば「針生検をするのが当たり前」だからです。
 MRIの件も(上記のとおり)あくまでも「念のため」でしょう。
 ※そもそも「悪性を疑ったら」最初から(細胞診などせずに)「針生検をする」はずです。
 
「もしも針生検で悪性と判断された場合は最悪、転移などしていると思いますか?」
⇒(万が一、乳癌であっても)転移はありえません。
 もしも「転移を伴うような」癌であれば、「細胞診でクラス3」という事はあり得ないし(クラス5が出ない筈が無い)、(先ほどもお話したように)最初から「針生検」をする筈です。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

たくさんの質問の中から、また忙しい中、ご回答して頂けた事に感謝致します。
涙して読みました。
メンタルがとても弱く癌なんだ…と思い込んでいるせいで、喉が痛かったり、腕が痛かったり、カラダの異変は癌がリンパに転移してるからだ…と恐怖に怯えています。
しかし、先生の回答を見て、来週の検査結果まであまり考えないようにします。本当にありがとうございました。一筋の光となりました。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
感想ありがとうございます。
私の回答は、「元気づけるための、なぐさめ」ではありません。
経験から出た「確たる事実」です。
「喉が痛かったり、腕が痛かったり、カラダの異変は癌がリンパに転移してるからだ」というのは誤りである事は断言できます。
検査結果は勿論わかりませんが、十分受け止められる内容だと思っています。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先日は質問に丁重に回答頂きましてありがとうございました。
細胞診クラス3で針生検の結果待ちで、今日聞きに行ってきました。
結果は、乳管内乳頭腫、良性と言う結果でした。
しかし非浸潤癌も疑われ追加検査で免疫染色?をしてこちらも良性と出たので、3~4ヶ月経過観察となりました。
なんとなく主治医の先生の説明に不安抱きました。
もしも乳管内乳頭腫でなく非浸潤癌だったら3ヶ月間に浸潤癌にならないか、3ヶ月の間に自分で注意出来る事は何かを教えて頂けたら…と思っております。
ちなみに今回は左ですが、エコーでは右にもシコリが見つ かり、主治医はこちらは中も空洞で形も丸く良性だから大丈夫と言い細胞診などはしていません、その点も大丈夫なのかな…と不安です。
長文になり申し訳ございません。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 先日「細胞診クラス3で針生検をした結果が不安」と質問された方ですね。
 結果はやはり「乳頭腫」との事でしたね。
 本来なら「良性」との事で喜ぶべきところが、「不安」が解消されていないようです。
 それでは回答します。

回答

「乳管内乳頭腫、良性と言う結果でした。しかし非浸潤癌も疑われ追加検査で免疫染色?をしてこちらも良性と出たので、3~4ヶ月経過観察」
⇒形態的には癌(非浸潤癌)に類似しており、免疫染色で(おそらく)筋上皮の介在を認めた(2相性の存在)により、良性(乳頭腫)との判断だと思われますが、
 これが摘出しての(病変全体を調べての)病理診断であれば、それでいいのですが、「針生検での診断」では癌のリスクが残ります。
 
 私は以前から「Q and A」で「良性から悪性」にはならない。とお話しています。
 つまり、そもそも癌であるリスクがあるから「経過観察」をしているわけです。
 
 私であれば、摘出生検をお勧めします。
 摘出して調べると「結局癌だった」となる可能性はあります。
 担当医が「3~4か月経過観察」している理由は「これから癌になるかも知れないから…」ではなくて、「もしかして(今)癌かもしれない」と(少々)心配しているからなのです。
 
「もしも乳管内乳頭腫でなく非浸潤癌だったら3ヶ月間に浸潤癌にならないか、3ヶ月の間に自分で注意出来る事は何かを教えて頂けたら」
⇒(もしも非浸潤癌だとしても)3か月では浸潤癌にはなりません。 
 ただ、そのような不安を解消するには「摘出するしかないのです。(もう一度針生検をするのは無意味です)
 
「中も空洞で形も丸く良性だから大丈夫」
⇒嚢胞でしょう。
 嚢胞は腫瘍ではないから「大丈夫」です。
 
◎乳頭腫の「摘出基準」など存在しませんが、「形態的に非浸潤癌が疑われ、免疫染色で良性」となるような乳頭腫であれば、「摘出」しない限り不安を解消することはできません。
 不安を持ちながら「経過観察」するよりは、摘出してしまうことをお勧めします。
 
 
 

 

質問者様から 【質問4】

この度も質問に回答していただきありがとうございます。
やはり摘出生検が安心できますね…。
他の乳腺外科の受診を考えたいと思います。
担当医は
非浸潤癌も疑われるが自分としてはこの針生検で出た結果を信じるしかないんですよ。だから経過観察させてください。と言っていました。
この先生に自分の命を預けても良いのだろうか…と思い、また質問させて頂きました。
少し気持ちが落ち着いたら他の病院を考えます。
ありがとうございました。
またなにかありましたら質問させていただきます!
 

田澤先生から 【回答4】

 おはようございます。田澤です。
「非浸潤癌も疑われるが自分としてはこの針生検で出た結果を信じるしかないんですよ。だから経過観察させてください。」
⇒この場合、「摘出生検」というより確実(というか、100%確実)な手段があるのにもかかわらず、「この結果を信じるしかない」という担当医のコメントには「??」全く賛成できません。
 余程、摘出生検が嫌いなのか?(自信が無いのか?)
 いずれにしても、(癌の疑いが有る以上は)「積極的に、確定診断を目指す(勿論患者さんの意思を確認した上で)」フットワークの軽さが診療には大事です。
 
 「早期発見に勝る治療は無い」のです。
 質問者の「少し気持ちが落ち着いたら他の病院を考えます」を支持します。