Site Overlay

99%良性でも針生検は必要ですか

[管理番号:2503]
性別:女性
年齢:44歳
44歳女性。
初めてのマンモとエコーで左胸にしこりがあると言われ(自覚症状は何もありません)ました。
マンモをした後、放射線科の医師がエコーをし、裏で別のドクターとひそひそ密談を始め、よく聞こえませんでしたが、2とはいいきれない、とかという声が聞こえました。
その別のドクター(後から調べたら乳腺専門医のようでした)が、「良性と思われるが、針生検をしないとわからない。
2%くらいの確率で違うこともある。」と言われました。
麻酔をしないでやるもので、簡単です、と言われましたが、いきなりで驚いたので、今すぐはやりたくないので考えさせてください、といい、そのまま同じ病院の乳腺外科を受診したところ、そちらのドクター(乳腺専門医)は、即座に「線維腺腫で、99%良性です。
半年後の検査でいいでしょう」と簡単に言われました。
放射線科で針生検と言われたのですが?と聞くと、「まあ確実に判断するにはそうですね」と言われて、話は終わりました。
99%良性と言われたのでそのときは安心しましたが、細胞診はやはりしたほうがよかったのか、と少し気になっています。
ネットで調べると、30代までは不要だが、40代以降は針生検査必須、と書いてあるものを複数見つけました。
しかも細胞診では確定できないこともあるともありました。
不安を払拭するために細胞診を受けても、さらに不安になるのなら、やりたくないと思ってしまいます。
細胞診でわからない場合は、マンモトームとかさらにもっと検査をしないといけないのでしょうか?先生は、半年後の検査まで悶々とするくらいなら、白黒はっきりさせたほうがよい、と別の質問者さんへの回答に書かれていらしたように思いますが、私は99%良性ならばなるべくなら痛い思いをしたくないと思ってしまいます。
半年後の検査をすることで、良性ということはさらに確実になるのでしょうか?
それとも今後フォローしても、実は悪性だった、とあるとき突然発覚するものなのでしょうか?細胞診を受けなかったことでのちに困ることになるのでしょうか?
まとまりのない文章ですみません。
ご意見をいただけましたら有り難いです。
お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
これは日常的に「よくあるケース」と言えます。
重要なことは、質問者が「エコーを始めて受けた」という点です。
線維腺腫は通常「20代から30代までにできる」ものであり、「40代で新たにできる腫瘍」には十分注意が必要です。
質問者のように「40代で初めて、受けたエコーで線維腺腫?」という所見があった場合には『(昔からあったけど、気づかれなかっただけの)線維腺腫なのか、40代で新たにできた(一見、線維腺腫には見えるが)実は癌なのか』という問題に直面するのです。
 
「良性と思われるが、針生検をしないとわからない。2%くらいの確率で違うこともある。」と言われました。麻酔をしないでやるもので、簡単」
⇒これは(針生検ではなく)「細胞診」です。
 
「30代までは不要だが、40代以降は針生検査必須、と書いてあるものを複数見つけました。」
⇒これは「冒頭にコメント」したように、(30代までに検診を受けていて異常所見がなかったのに)40代で新たに出現したと(状況的に)考えられるものに対しては、そうなります。
 
「しかも細胞診では確定できないこともあるともありました。」
⇒これは一般論で片づけるものではありません。
 ①細胞診では偽陰性がある(確定診断とは言えない)
 ②細胞診の技術は以外に個人差があり、「きちんと細胞診ができない乳腺外科医も多い」
 これらの事情によるものです。
 つまり、「画像所見で線維腺腫を疑う」ものであり、「きちんとした細胞診ができる医師」が行う細胞診であれば「確定」と言えます。
 ○そもそも「画像所見で良性とも悪性とも言えない腫瘍」に対して細胞診を行うことは無意味ですが(この場合は、最初から針生検すべきです)、
 質問者のように「99%良性と考えられる画像所見」であり、(まともな乳腺外科医が行う)細胞診であれば、「十分診断可能」です。
 
「細胞診でわからない場合は、マンモトームとかさらにもっと検査をしないといけないのでしょうか?」
⇒一般的にはそうですが…
 「99%線維腺腫」であれば、そのような事態にはならないでしょう。
 
「半年後の検査をすることで、良性ということはさらに確実になるのでしょうか?」
⇒「大きさや形状」に変化がなければ「良性の確率」は「99%」から「99.5%」へと、どんどん上がっていくのです。(ただし、何処まで行っても100%にはなりません)
 
「それとも今後フォローしても、実は悪性だった、とあるとき突然発覚するものなのでしょうか?」
⇒その可能性は(経過観察期間が)長くなればなるほど小さくなっていきます(しかし、決して0%にはなりません)
 
「細胞診を受けなかったことでのちに困ることになるのでしょうか?」
⇒もしも「その1%の確率で癌だった」と仮定すると、「経過観察期間=腫瘍を増大させる期間」となってしまいます。
○私の正直な感想としては、(画像所見から良性と考えられるものであっても)40代で見つかった腫瘍(実は数年以上前からあったかもしれないけど、それを証明できない以上)は、(確かな技術での細胞診もしくは針生検で)白黒つけるべきと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

2503質問者です。
ご回答ありがとうございました。
他の方へのご回答優先でお願いします。
お時間があるときで構いませんので、もう一度質問させてください。
私のような場合(40代で初めて検診を受けて良性線維腺腫と思われるものが見つかった)、細胞診を受けたほうがよいのですね。
それはエコー画像がいかにも良性のものであっても(その形に関わらず)すべての場合において、細胞診を受ける必要がある、ということでしょうか。
細胞診を受ければ、良性であることが99%ではなく、100%わかるということでしょうか?
腕のよいドクターでないと鑑別不能なことがあるとのことですが、腕のよい悪いはどうやって見極めるのでしょう?例えば大学病院のような大きい病院の放射線科ならばよいのでしょうか?
細胞診は、ドクターは、痛くない、注射と同じ程度ですよ(組織をとる検査に比べればずっと簡単)といいますが、経験者に聞くと、「とても痛かった」とのこと、ネットでもかなり痛い、という意見を多く見ます。
また、1ヶ月後でも血腫のようなものが残ったりして痛いという書き込みも見ました。
実際のところどの程度のものなのか?と思ってしまいます。
私は大げさに考えすぎでしょうか?
受けたのちそのまま職場に帰って仕事できますか?
その日にジムで運動できますか?
まだ少しこわさがあって悩んでいますが、悩んでいるうちに大きくなって実は癌だった、ということはやはり避けたいと思います。
例えば2、3ヶ月後ではもう遅いのでしょうか?
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「私のような場合(40代で初めて検診を受けて良性線維腺腫と思われるものが見つかった)、細胞診を受けたほうがよいのですね。」
⇒そう思います。
 (今回初めて見つかっただけであり)「数年以上前から存在していたという」証拠が無い以上、その方が安全なのです。
 そこで、「細胞診を選択するか、針生検の方がいいのか」ですが、「画像診断で良性所見」であれば、「細胞診で十分」となります。♯微妙な病変であれば、(最初から)針生検の方が(2度手間とならないように)勧められます。
 
「それはエコー画像がいかにも良性のものであっても(その形に関わらず)すべての場合において、細胞診を受ける必要がある、ということでしょうか。」
⇒(40代以前から存在していたという状況証拠が無い以上)それが安全だということです。
 
「細胞診を受ければ、良性であることが99%ではなく、100%わかるということでしょうか?」
⇒きちんと細胞診ができる乳腺外科医であることが条件ですが…
 
「腕のよいドクターでないと鑑別不能なことがある」
⇒正確に言えば「鑑別困難」ではなく、「検体量不足(サンプリングエラー)」です。
 
「腕のよい悪いはどうやって見極めるのでしょう?」
⇒これは結構難しいです。
 普段から「自分でエコー」して「自分で診断(細胞診なり、針生検なり)」して「自分で治療(手術)」していることが「精度の向上」に繋がります。
 
「例えば大学病院のような大きい病院の放射線科ならばよいのでしょうか?」
⇒私は全くそう思いません。
 ○大学病院のように「エコーを技師さん任せ」にしているようでは、「診断精度は決して向上しません」
 
「細胞診は、ドクターは、痛くない、注射と同じ程度ですよ(組織をとる検査に比べればずっと簡単)といいますが、経験者に聞くと、「とても痛かった」とのこと、ネットでもかなり痛い、という意見を多く見ます。」
⇒細胞診は技術によります。
 特に(針生検とは異なり)「術者が、自ら針をぐりぐり(くり抜くように回転させたり)吸引をかけたり」しなくては「上手く取れない」ので、結構痛かったりします。(逆に、それができないと検体量不足となります)
 本気で「量を取ろうと思う場合には」私であれば、(敢えて局所麻酔をして)きっちり採取します。
 
「また1ヶ月後でも血腫のようなものが残ったりして痛いという書き込みも見ました。」
⇒細胞診で「血腫」というのは、さすがに「rare case」と言えます。
 
「私は大げさに考えすぎでしょうか?」
⇒そう思います。
 今はネットで情報が溢れている(その中には、あまりにも特殊なケースが多数含まれているでしょう)のです。
 ○基本的な考え方として、「細胞診は痛く無かった」という『当たり前なこと』よりも「細胞診は凄く痛くて、しかも凄く腫れたよ!」みたいな『人目を引く事』の方がネットで注目されると思いませんが?(つまり、大多数の何でもないものはわざわざネットで公表しないのです)
 
「受けたのちそのまま職場に帰って仕事できますか?その日にジムで運動できますか?」
⇒勿論です。
 
「例えば2、3ヶ月後ではもう遅いのでしょうか?」
⇒その程度の時間は「全く問題」ありません。