乳がん手術は江戸川病院・東京


[管理番号:2843]
性別:女性
年齢:51歳

はじめまして。
どうぞよろしくお願いします。

平成22年(6年前)に右側に乳癌が見つかり、治療を進めてきました。
データが記憶の範囲内で恐縮なのですが、ステージ1、大きさ6ミリ、悪性度1、ホルモン感受性ありでした。
温存手術の後、放射線をしました。
抗がん剤はやっていません。
閉経状態にする注射を2年ほどと、服薬を5年間やってきました。
5年が経ち、完治したような気持でおりました。
主治医の先生から、もう5年服薬するかと打診され、念には念を入れ
るつもりで服薬延長を決めました。

その矢先の、この3月に、反対の左側に新たな癌が見つかってしまいました・・・。
来週4月(下旬)日に手術の予定です。
現在のところの病理では、
ステージ1、大きさ8ミリ、悪性度1、ホルモン感受性ありということで、
今回の治療も前回とほぼ同様、分子標的薬や化学療法の必要はなく、手術と放射線とホルモン療法ということです。
現在はすでに閉経しています。

先生にお聞きしたいことを次のようにまとめてみました。

○5年間続けてきた治療は反対側の発症予防にならなかったのでしょうか・・・。

○私は喫煙せず飲酒せず、適度な運動習慣もあり標準体重をキープしています。
母も祖母も乳癌ではなく、現在小学生の二人の子供を完全母乳で育てました。
自分は乳癌とは程遠い存在と自負していました・・・。
それでも乳癌になってしまうのですね・・・。
(しかも2度も・・・)
○今回きっちり治療したら、必ず完治して仕事も人生も全うできると信じています。
その考えで間違いないでしょうか・・・。

ご多忙のところを本当に申し訳ございません。

どうぞよろしくおねがいいたします。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

異時性両側乳癌ですね。
勿論癌になってしまったことは残念ですが、それは解ってはいるのですが、
治療する立場の者として、敢えてコメントさせてもらうと「左右ともpT1bとは素晴らしい! 
しかも両方ともluminal, NG1」ですか。

「もう5年服薬するかと打診され、念には念を入れるつもりで服薬延長を決めました。」
⇒本来はpT1bでホルモン療法を「10年間投与は過剰治療」となるとは思います。
 

「○5年間続けてきた治療は反対側の発症予防にならなかったのでしょうか・・・。」
⇒40%位のリスク低減効果はあります。

 しかし60%には効果が無いわけですから、仕方がありません。
 

「○私は喫煙せず飲酒せず、適度な運動習慣もあり標準体重をキープしています。
母も祖母も乳癌ではなく、現在小学生の二人の子供を完全母乳で育てました。」
⇒素晴らしいことです。

 両側とも「luminal type」であり、遺伝性乳癌ではないと思います。
 

「○今回きっちり治療したら、必ず完治して仕事も人生も全うできると信じています。
その考えで間違いないでしょうか・・・。」
⇒勿論です。

 幸運な位「早期発見」なのだから、そういうことです。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

 田澤先生こんにちは。
以前異時性両側乳癌でメールさせていただいた者です。
先生の丁寧なご回答を常に心の支えにしております。
今回再びメールさせていただくことをお許しください。
どうぞよろしくお願いいたします。

 私の両側乳癌に関しては、1回目のメール内容の通りです。
4月下旬手
術した左側の放射線照射が始まりました。
25回+5回です。

 今回手術した左側乳癌の腫瘍径は8ミリ、リンパ節転移なしでした。

ステージ1、ホルモン感受性あり、ハーツーマイナス、悪性グレード1ということで、全身療法はホルモン治療のみです。
右側治療のために5年以上服薬してきたタモキシフェンから、閉経対象のアナストロゾールにかわりました。
既に毎日服用しています。
この術後治療に関しては、
十分に納得しております。

 ただ、主治医の先生の説明の中で、次のような表現がありました。

①腫瘍径は8ミリで小さいが、乳頭に向かって乳管に拡がりがあった。
病変は切り取っているが、乳頭に近いため、病変から断端までが「近い」。
(「近い」を連発されていました。)
②両側乳癌を患ったということは、乳癌になりやすい。
今後また出てくるかもしれない。
そのときは再度手術する。

③肺に出てくることもある。

主治医の先生は、完治より再発のほうを強調し、多少不安になりましたが、
田澤先生のQ&Aで学んだことをつなぎ合わせて、自分なりに次のように解釈しました。

①実態はそのようであることは分かったが、ステージ1の早期癌である。
放射線を照射し、きちんと薬を飲んでいくので、絶対完治までたどり着ける!
②微細な取り残しが悪性腫瘍となることも、可能性としては0ではない。
しかし、万が一そのようになった場合は、全摘すれば命に別状はない。
乳房内局所再発は早期発見が功を奏すので、定期的な診察・検診を怠らない。
しかしながら、局所再発の可能性より、無再発の可能性のほうがはるかに高い。
(万が一の時には、田澤先生に手術をお願いしたいです。)
③これは聞き流す!!

このような解釈で間違いないでしょうか・・・。
日々激務を極めていらっしゃる田澤先生、本当に恐縮ですが、ご回答をいただけましたら幸いでございます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

pT1b(8mm), pN0, luminal, NG1ですね。
早期でも「癌は癌だから油断?しないように」とか「両側だから(何となく)心配」などの理由があるのでしょうが、(ホルモン療法をきちんと内服して欲しいという願いを込めてだとは思いますが)担当医は警鐘に熱心なタイプのようですね。

「① 実態はそのようであることは分かったが、ステージ1の早期癌である。
放射線を照射し、きちんと薬を飲んでいくので、絶対完治までたどり着ける!」
⇒温存手術では「そのために」照射があるのです。

 乳房内再発は「滅多に起こることではない」し、(私の印象では)「多発や大きな腫瘍、広範な拡がりを強引に温存した場合にリスクがある」と思っています。(単発の小さな腫瘍が乳管内進展していてもリスクとはならないでしょう)
 

「② 微細な取り残しが悪性腫瘍となることも、可能性としては0ではない。しかし、万が一そのようになった場合は、全摘すれば命に別状はない。乳房内局所再発は早期発見が功を奏すので、定期的な診察・検診を怠らない。」
⇒その通りです。

 乳房内再発は、あくまでも「局所再発」であり「全身の遠隔転移再発とは厳密に区別すべき」ものです。
 この点が(QandAを回答していると)しばしば誤解され、「まるで遠隔転移再発したかのような診療になっている事がしばしばある」事を残念に思っています。

 ◎乳房内再発は(たとえ、起こっても)「salvage mastectomy」により「最初から全摘と同じ」となるのです。
 

「しかしながら、局所再発の可能性より、無再発の可能性のほうがはるかに高い。」
⇒それは、そうです。

 放射線照射により5%程度といわれています。(私の実感では、そんなにも無いですが…)
 

「③ これは聞き流す!!」
⇒担当医は「両側」に拘っているのかもしれませんが…

 (両側は)全く無関係です。
 pT1b, pN0, luminal これで遠隔転移再発を恐れたりするようでは、「世の中、再発で溢れてしまう」ことになってしまいます。





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