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乳癌手術後のエコー

[管理番号:38]
性別:女性 
年齢:63歳
乳癌の手術をして約1年ちょっと経ちました。
2aの、充実腺管癌でした。
端辺に、がん細胞の、取り残しあり、です。
1年目の、健診では、異常なしでしたが、手術跡の、低エコー部分に、血流信号があり、心配になりました。低エコーに、1ヶ所だけです。
乳腺エコーは、まだ未熟者です。
よろしくお願い致します。
エコーを、している者です。
次回3ヶ月後の健診まで、心配です。
 

A.回答

 こんにちは。田澤です。
 乳房温存術後1年目の検査での所見、大変気になる事と思います。
 それでは状況確認後、回答いたします。

状況確認

 充実腺管癌で、乳房温存術をして切除断端が陽性であった。という事ですね。
 切除断端陽性であったが、追加切除(再手術)はしなかった。という事だと思います。
 断端陽性の部分がごく僅かであったために、術後放射線照射をBoost+として対応したのだと思いますが、間違い無いでしょうか。

回答

 組織検査すべきだと思います。
 術後瘢痕部は手術後暫くは組織反応が強く、ただの術後瘢痕組織でも血管新生など伴うため様子を見た方がいいとは思いますが、術後1年であれば、本物の腫瘍の可能性があります。
 
 私も多くの術後の方を診てきました。そして術後瘢痕組織に「腫瘍?という所見」が疑われた場合は原則として全て針生検してきました。その経験でいうと、私は2000件以上の執刀をしてきて、その内、温存術は1000件以上ありますが、術後瘢痕組織に局所再発をしたことは、記憶にありません。
 私が経験した局所再発は、殆どが、術後5年以上して「経過観察」からドロップアウトした後の局所再発(なのか、全く新たに出たものなのか、明確には区別はできませんが、)です。
 
 なので、(回答とは矛盾しているようですが)「術後1年目に瘢痕組織内に局所再発する」という可能性は極めて低いとは思います。
 ただ、今回は「断端陽性の程度が不明」なので、「広範囲で断端陽性」であった可能性を考えた上です。その場合にはリスクは確実に上がるでしょう。(機会があれば、主治医に、どの程度の断端陽性だったのか確認するといいでしょう)
 
◎いずれにしても針生検すれば、決着はつきます。私ならきちんと評価するために「超音波ガイド下マンモトーム生検」をします。
 
●3カ月様子を見ても大事には至りませんが、「精神の安泰」のためにも「針生検」しておくことをお勧めします。