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温存術後、断片陽性にて全摘術予定

[管理番号:2472]
性別:女性
年齢:44歳
はじめまして。
告知を受けてから、このサイトを何度も読み返し心の支えにしております。
よろしくお願いいたします。
左乳房下に20mmのしこり、少し離れたところにも小さいしこりがあり、術前のマモトーム生検で浸潤性乳管癌と診断されました。
画像診断でその他広がりは確認できず、明らかな転移も見られないことから、2月初旬に、約四分の一程の左乳房部分切除術、センチネルリンパ節生検を受けました。
術後病理の結果、乳頭腺管癌、グレード1、ER陽性、PgR陽性、Her2陰性、Ki-67低、脈管浸潤なし、リンパ節転移なし ルミナルAとのことでしたが、思いのほか細かい癌が多数みられ、断片陽性とのこと。
約一か月後再手術、全摘を予定しております。
病理診断では、上記以外はあがっておらず、同じものだろうとのこと、一番大きいもので、腫瘍浸潤径は4mmと伺いました。
同じ乳腺に沿って多発しているのか、乳房内で転移して多発したのかは確認できていません。
再手術全摘後、ホルモン療法のみの予定です。
最初の手術から再手術まで、約1か月。
残すところ、あと2週間あまりですが、いろんな不安が湧き出てきて、悶々とした日々を過ごしております。
先生にお伺いしたいのは、
○有り難いことに浸潤癌ではあるが脈管浸潤なしと診断されたにも関わらず、今回の一度目の手術で断片陽性で癌が剥き出しとなり、この間に血流にのって、何年か後の遠隔転移のリスクにならないかということです。
次の再手術にて全摘することで局所転移はないことはわかります。
術後、抗がん剤はありません。
ホルモン療法単剤で癌の芽は少しでも叩けることになるのでしょうか。
誰しも、転移の可能性はあるのは承知していますが、最初から部分切除にこだわらず、全摘しておけばとの後悔の念に駆られています。
先生の経験上、転移リスクは少し高まったとお考えになられますか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
pT1b(4mm), pN0, luminalA, NG1
かなりの低リスクです。
実際のところ「再発リスクはほぼゼロ」と言えます。
「今回の一度目の手術で断片陽性で癌が剥き出しとなり、この間に血流にのって、何年か後の遠隔転移のリスクにならないかということです。」
⇒全く関係ありません。
 そもそも「浸潤癌」は「間質浸潤した際に、(間質内に存在する)血管やリンパ管に浸潤の機会がある」ということです。
 乳腺を切離して「剥きだし」になったことと「血管やリンパ管に浸潤の機会」とは全く無関係です。
「術後、抗がん剤はありません。ホルモン療法単剤で癌の芽は少しでも叩けることになるのでしょうか。」
⇒そもそも「無治療でも再発しない」可能性が極めて高い状況です。
 ここに「ホルモン療法を加える」ことで「十分すぎる」と思います。
 抗がん剤による上乗せは「1%以下」にすぎないでしょう。(全く無用です)
 
「最初から部分切除にこだわらず、全摘しておけばとの後悔の念に駆られています。」
⇒これは、明らかに考え過ぎです。
 
「先生の経験上、転移リスクは少し高まったとお考えになられますか。」
⇒全くありません。
 「癌が剥きだし」というイメージが先行しているようですが、「余計な想像」は止めましょう。
 心配ありません。