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温存か全摘か、その後の治療についても医師の判断が別れます。

[管理番号:551]
性別:女性
年齢:47歳
はじめまして。温存手術か全摘手術で迷っております。
状況は浸潤性乳管癌、硬癌。
核グレード1,ER(+)30%、pgr(+)25%
HER2(0),ki67,10% 腋下転移有り
シコリ3センチほど
検査機関のクリニックでは
温存、術後はホルモン治療と放射線
手術予定の病院では
全摘、術後は抗がん剤治療
セカンドオピニオンでは
温存、ホルモン治療のみ。
腋下転移に関しては手術でとることは共通しております。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 cT2, cN1, cStage2B, luminal Aですね。

回答

「温存手術か全摘手術で迷っております。」
⇒これは、「腫瘍のサブタイプ」とか「リンパ節転移」とか「術後の治療」などとは『一切関係ありません』
 『術式はあくまでも、画像所見(超音波及び、MRI)で、腫瘍の拡がりから決定』します。
 ◎2つの病院で「温存」と言っている事から「画像所見」では「温存可能との判断」なのだと思います。
  それであれば、温存術でいいでしょう。
 ♯腋窩郭清については、「腋窩リンパ節が明らかに転移(N1)」であれば、当然「腋窩郭清」行います。
 
「術後の放射線」
⇒これは「乳房温存術」であれば、「温存乳房照射は必須」です。
 
「ホルモン療法か抗がん剤か」
⇒luminal Aであるので、基本的には『ホルモン療法単剤』です。
 リンパ節転移は4個以上なら『化学療法による上乗せ効果』を狙うか相談します(必須ではありませんが…)
 
 

 

質問者様から 【感想2】

先生、ありがとうございました。
術式選択の件もよくわかりました。
術後の治療について、手術を予定している病院の医師が
ホルモン治療ではなく化学治療は生存率をあげるために必須と
仰られたことがとても引っかかっていました。
正直なところあまり詳しい話がないのも不安でした。
腋窩転移については手術して見ないとわかりませんが
3個程と聞いております。
私自身、ホルモン治療と考えておりましたが腋下転移の数によっては
化学治療が上乗せされるかも、ただ必須ではないという先生の言葉に
化学治療しか選択がない、といった状況から少し気持ちが救われました。
放射線照射は温存なら必須うということも踏まえ術式をもう一度、考えます。
手術はセカンドオピニオンを受けた所に変わろうと思います。
術後の方針、状況でで迷った時は又、相談させていただくかもしれません。
回答いただきましたこと心より感謝いたします。
 
 

 

質問者様から 【質問3 リンパ節転移9個と10個の差】

6月中旬に温存を行い病理結果がでしました。
リンパ節転移が10個と愕然としています。
現在はホルモン治療と来月から放射線治療、その後、抗がん剤治療に進みます。
質問なのですがリンパ節転移、9個と10個ではとても大きなな隔たりがあるように
感じるのですが、それはなぜなのでしょうか。やはり10個以上は再発しやすいと考えた方が良いのでしょうか。
上記治療以外に上乗せ効果として何かと治療方法はありますでしょうか。
 

田澤先生から 【回答3】

 「リンパ節転移の個数」ですね。

回答

「リンパ節転移、9個と10個ではとても大きなな隔たりがあるように感じるのですが、それはなぜなのでしょうか」
⇒実際には大きな違いではありません。
 リンパ節転移の個数を、区切りをつけるために「転移無」「1~3個」「4~9個」「10個以上」と分けていますが、単なる区切りにすぎません。
 9個と10個が「別の区切り」に入ってしまうだけの話です。
 
「上記治療以外に上乗せ効果として何かと治療方法はありますでしょうか。」
⇒ありません。
 質問者は「ホルモン療法と抗がん剤」をやっていることから、ルミナールタイプであることがわかります。
 「ホルモン療法と抗がん剤」を行う事になります。(HER2陰性なので、ハーセプチンは適応とはなりません)
 ○抗がん剤はEC x4 ⇒ DTX x4 のような「アンスラタキサン」とすべきだと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問4 びまん浸潤性、上皮内胞巣、脂肪浸潤について】

再発はハイリスクと言われ、かなり動揺しておりますが
今はやれる事を全てするしかないと考えております。
(ホルモン治療、放射線終了後、抗がん剤の予定です。)
病理検査の結果で
気になるコメントがあり、これも再発ハイリスクの要因に
なるのか教えていただきたいです。いかのコメントは節外浸潤を意味して
いるのでしょうか?私のガンはかなり進行しやすいものなのでしょうか?
「中等度から一部高度の核胃型示す細胞が単個であるいは小型策状構造を
呈してびまん性浸潤に増生、上皮内胞巣、脂肪浸潤を伴う。Cancerはしばし切除断端に迫っており陽性」
すみませんがよろしくお願いします。
 

田澤先生から 【回答4】

 こんにちは。田澤です。
 病理レポートの記載内容についてですね。

回答

「以下のコメントは節外浸潤を意味しているのでしょうか?」
⇒違います。
 このコメントは「明らかに、腫瘍本体について」の内容です。
 「脂肪浸潤」は乳腺の周囲の脂肪組織への浸潤の事を指しており「リンパ節についての記載」ではありません。
  
「私のガンはかなり進行しやすいものなのでしょうか?」
⇒そんな事はありません。
 「単個であるいは小型策状構造を呈してびまん性浸潤に増生、上皮内胞巣、脂肪浸潤を伴う」という記載は(質問者のように硬癌であれば、通常の所見です)
 
○この病理組織レポートは「乳腺にある腫瘍に対するレポートであり、リンパ節に対する記載ではありません」
 更に「硬癌の所見」そのものであり、「特に進行しやすい」とかは関係ありません。