乳がんとは|乳癌の症状、しこりや石灰化について解説|石灰化にマンモトーム|乳癌の治療|東京の江戸川病院 乳腺外科・乳腺外来

[管理番号:4207]
性別:女性
年齢:40歳

【田澤先生】

初めまして。

昨年12月、妻に乳がんが見つかりました。

何の予備知識もない状態でしたので、随分と動揺しましたが、このQ&Aにに出会う事ができ、
少しずつ落ち着きを取り戻す事が出来ております。

心より感謝すると共に、田澤先生の真摯な姿勢に敬意を表します。

今回、妻の手術方式について、疑問点を解消しておきたく、質問させて頂頂きました。

【経緯】
マンモで石灰化(カテゴリー5)の診断を受け、細胞診を行い、DCISを確認。

石灰化
確認。

石灰化の画像、エコー、MRIでの拡がり検診の結果から、1cm程度の塊がが0.7cm離れて存在して
いるとの診断で、乳頭からの距離と位置からは、温存も可能と言われました。

疑似陽性の可能性は限りなく低いと言う事で、マンモトーム生検はしておらず、サブタイプは分かりません。

温存も全摘も予後は変わらないとの認識であった事、細胞診の術前ですが非浸潤であった事、
何よりも妻が温存希望であった事から、その場で温存を選択し、来週、手術の予定です。

【教えて頂きたい事】

過去のQ&Aで、温存の場合、局所再発の確率が5%程度上がる。

ただし、再発時に全摘にすれば最初から全摘した事と同じになり、予後(ステージや遠隔転移再発の確率)も、初回に摘出した癌の病理診断の結果結果と変わらないとありました。

①初回は全て非浸潤がんで見つかり、局所再発時は(正しく定期健診していたとしても)浸潤がんとして見つかる事は無いのでしょうか?
(取り残した癌が見つかった時には浸潤がんに成長、残った乳房に別の浸潤浸潤がんが発生。)

②あるとすると、最初に全摘しておけば、2回目の浸潤がんは防げたはずなので、予後は同じとは言い切れないと言う事にならないでしょうか?

非浸潤の可能性がある(術前に浸潤がんが見つかっていない)場合、全摘を選択すれば根治を狙えるが、温存を選択すると、もし、運良く術後にに非浸潤が確定したとしても、局所再発の可能性が残るため完全な根治とはならずとはならず、後悔する事にならないか?
と言う事が気になっております。

もちろん、限りなく根治に近ければ、温存できる(心的)メリットの方がが大きいと思いますが、事実を正しく認識し、疑問を解消しておきたいと思っております。

③最初の手術時には遠隔転移は始まっておらず、取り残した癌が成長する過程で、局所再発として見つかるまでの間に遠隔転移が始まってしまう可能性は、理論上、考えられないのでしょうか?

④局所再発してしまった場合は、全摘しておけば除去できていたはずの癌癌に成長の機会を与えていた事になり、その時間に起因する遠隔転移のリスクが僅かでも上がる気がして仕方がないのですが、間違いでしょうか?

⑤初回が浸潤がんで化学療法を実施していた場合、局所再発時に、使用できる
できる抗がん剤が制約される事で、予後を悪化させる事は無いのでしょうか?

心配性のため、気にし過ぎなのかも知れませんが・・
 
お忙しいところ誠に恐縮ですが、よろしくお願い致します。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

ひとつ気になるのは「細胞診で非浸潤癌を予想することは困難」ということです。
「浸潤/非浸潤」の判断をするのは、あくまでも組織診であり、「細胞診は癌なのか?」をみるものと考えてください。
術前に「非浸潤癌」と想定しているのは、「細胞診+画像診断」での評価なのだと思います。(細胞診だけでは「読み過ぎ」です)

「温存の場合、局所再発の確率が5%程度上がる。」
「ただし、再発時に全摘にすれば最初から全摘した事と同じになり、予後(ステージや遠隔転移再発の確率)も、初回に摘出した癌の病理診断の結果結果と変わらない」

⇒正しい認識です。

「①初回は全て非浸潤がんで見つかり、局所再発時は(正しく定期健診していたとしても)浸潤がんとして見つかる事は無いのでしょうか?」
⇒あります。

「②あるとすると、最初に全摘しておけば、2回目の浸潤がんは防げたはずなので、予後は同じとは言い切れないと言う事にならないでしょうか?」
⇒その通りです。

 質問者は「本質を正しく理解」しています。
 それでは、「何故、温存しても(乳房内再発をした際に)今度は全摘をすれば予後は同じとなるのか?」
 ⇒それは「統計」だからです。

  統計学的有意差が出ない限りは、(実際には、全く同一である筈はありません)
同等とみなされるのです。
  ♯それを言ってしまえば、「センチネルリンパ節生検で微小転移では郭清しなくても予後は同じ」など、あらゆるエビデンスは全てそうなのです。
   厳密に「イコール」を求めると、「全てに最大限の治療」となってしまいます。

「③最初の手術時には遠隔転移は始まっておらず、取り残した癌が成長する過程で、
局所再発として見つかるまでの間に遠隔転移が始まってしまう可能性は、理論上、考えられないのでしょうか?」

⇒理論上は考えられます。
 ただ、確率は非常に低いため「統計学的有意差が無い」のです。
 ♯根本的に②と回答の主旨は同じ

「④局所再発してしまった場合は、全摘しておけば除去できていたはずの癌癌に成長の機会を与えていた事になり、その時間に起因する遠隔転移のリスクが僅かでも上がる気がして仕方がないのですが、間違いでしょうか?」
⇒これも正しいのです。
 その理由は上記②と③と同じです。

「⑤初回が浸潤がんで化学療法を実施していた場合、局所再発時に、使用できるできる抗がん剤が制約される事で、予後を悪化させる事は無いのでしょうか?」
⇒局所再発と遠隔再発は分けて考えましょう。

 局所再発で「抗ガン剤を用いる」ケースもあるかもしれませんが…
 「局所には局所」つまり、「手術的摘出」なのです。





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