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温存の断端からのマージンについて

[管理番号:5108]
性別:女性
年齢:69歳
温存乳房の断端からのマージンについて
女性  
69歳
このQ&Aコーナーのお陰で乳がんの正しい知識を与えていただいていることをとても
ありがたく感謝しています。
お忙しいところ申し訳ありませんが質問させてください。
 コラム 84回 温存乳房内再発は「腫瘍径などよりも、マージンの取り方の方が」再発率に強く関係することが想像できるとあり、また先週の[管理番号:3947]「温存手術後の断端陽性について」を拝読し自分は局所再発する可能性が高いのではないかと
不安になってきました。
担当医から手術結果を聞いたとき、断端陰性ということで安心していたのですが、改め
て自分の病理診断結果を見るとマージンの少なさに愕然としてしまいした。
不勉強が悔やまれます。
・放射線は5月初めに終わってしまいましたが、追加照射した方がいいのでしょうか。
(今から受けられるのかどうかわかりませんが。)
・それとも再手術を受けた方がよいのでしょうか。
病理診断結果の下記の部分がマージンに当たるのかと思います。
もし勘違いしていましたらご指摘ください。
<組織所見>
組織学的には、切込みによるためか連続性が不明な浸潤癌巣を同一割面に2ヶ所認める。
それぞれ浸潤径は7×4㎜大と7×3㎜大である。
高異型度核を有する腫瘍細胞が不整管状、不整篩状あるいは索状構造を呈して脂肪組織へ浸潤する。
核分裂像を中程度の頻度に認める。
間質に中等度のリンパ球浸潤を伴う。
非浸潤癌は明らかでない。
(筋上皮マーカーp63とCD10で確認した)。
癌の広がりは2.0×0.6×0.5cmである。
浸潤癌成分が100%と推定される。
EIC(-)。」
脈管侵襲は明らかでない。
長さ2㎜で切込みによる浸潤癌の露出がみられるが、外科的切離面に癌の進展を認めない。
(最短のクリアランスは深部側で1.5㎜である。
側方断端は尾側が最短であるが4㎜の距離がある。) 
                                
                                  
乳癌治療経過
20016年7月 術前パクリタキセル、ハーセプチン、12週
11月 左乳房温存手術。
1月 FEC4クール
3月 放射線25回  
5月 ハーセプチン残り14回
(ki67 30%)
お忙しところを誠に申しわけありませんがご意見をお聞かせいただけたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「・放射線は5月初めに終わってしまいましたが、追加照射した方がいいのでしょうか。」「・それとも再手術を受けた方がよいのでしょうか。」
⇒さすがにそれは不要です。
 「最短のクリアランスは深部側で1.5㎜である。側方断端は尾側が最短であるが4㎜の距離がある」
 ⇒断端は陰性なので治療としては十分と言えます。
  ★手術によって「断端の程度が異なる」ことは(ある意味)仕方がないことです。
   それを気にするよりも「やるべき事をやる」事が重要です。