Site Overlay

FISH陽性のOncotypeDXについて

[管理番号:4889]
性別:女性
年齢:49歳
いつもこちらのサイトで勉強させていただいています。
会社の検診で要検査となり、嚢胞があるけど心配ないということで、それ以来4年ほど半年ごとに触診とエコー(技師によるもの)、1年ごとにマンモを受けていましたが、2cmにもなっていました。
もっと早くこちらのサイトを知っていたら、検診を受けていても安心できないことに気付けていたのにと後悔しましたが、気持ちを切り替えて今後は後悔しない治療をしたいと思っています。
3月に乳がんと診断され、5月(上旬)日に乳頭乳輪温存とセンチネルリンパ節手術を受けました。
術前術後の病理結果に乖離があり、現在fish結果待ちとなっています。
(閉経前)
病理結果は以下の通りです。
術前:腫瘍1.6cm ER 99% PgR99% HER2 +1 ki67 10% リンパ転移はおそらくなし
術後:腫瘍2.0cm×1.6cm×1.0cm グレード1  ER 90% PgR90%
 HER2+2 ki67 10% センチネルリンパ転移無し、となりました。
※主治医から腫瘍が2.0cmなので、ステージⅡAといわれましたが、自分ではステージⅠと解釈しています。
手術前は、kiが上がらないことを願っていたのですが、ki は変わらず
HER2+2となってしまい、想定していなかっただけに落ち込みました。
そんな中で、[管理番号:4468手術後の治療法について] で、FISH陽性の方に先生が
OncotypeDXを勧めら、結果抗がん剤不要と判定された方を拝見しました。
私もHER2が陽性となった場合、OncotypeDXをしたいと考えています。
[管理番号:3301] 抗がん剤治療『 「OncotypeDXによる分類」と「ER, PgR, HER2, Ki67の免疫染色による(簡易的)サブタイプ分類」と「本来のサブタイプ分類(intrinsic subtype)」の関係』
拝見し、OncotypeDXをしたいという気持ちがますます高まりまいた。
現在、タモキシフェンの服用を始めています。
私の場合、OncotypeDXを受ける意味があるでしょうか。
お忙しいなか恐縮ですが、ぜひ先生のご意見を伺いたく、よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「術前後の乖離」とありますが…
皆さんが考えている程HER2の「1+」と「2+」の間には違いはありません。
(病理医の印象によってコロコロ変わります)
○実際はHER2 2+でのFISH陽性率は25%程度ですのでFISHが陰性となる可能性の方が高いことをご確認ください。
「そんな中で、[管理番号:4468] で、FISH陽性の方に先生がOncotypeDXOncotypeDXを勧めら、結果抗がん剤不要と判定された方を拝見しました。私もHER2が陽性となった場合、OncotypeDXをしたいと考えています。」
⇒確かに質問者は下記の4468と「NGやKI67の値が全く同様」なのですね。
    (過去のコピー)
 質問者の疑問「Her2陽性(でも±ぎりぎりの2.02)意外の指標は私のがんは比較的おとなしいことを示しています。他に選択肢はないのでしょうか。」
⇒これは2013にASCO/CAPガイドライン改訂に伴い2015にHER2検査ガイド第4版として改訂された新基準に基づいています。
 ○逆にいうと、それまでの基準では「equivocal」とされて「再検査が必要」な値であり、「本当に陽性なのか?」という疑問が(私にも)湧きます。
  特に質問者のケースでは「ルミナールタイプ・NG1・Ki67=10%」という3条件が全て揃っており、(ガイドラインでは陽性とはなるが)本当は陰性である可能性も考えていいと思います
 
⇒ただ、これはあくまでも「FISHが2.02という微妙な値だった」ことにご注目ください。
「私の場合、OncotypeDXをを受ける意味があるでしょうか。」
⇒あくまでも「FISHの結果次第」です。
 4468手術後の治療法についてと同程度なら「受ける価値はある」が、「明らかな陽性(従来の基準:2.2以上)」ならば意味はないと思います。