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オンコタイプについて

[管理番号:5927]
性別:女性
年齢:31歳
こんにちわ。
オンコタイプについて教えてください。
RSの計算式をみるとERやハーツーという用語がでてきますが、
ERの値、pgRやハーツー、kiの値が同じくらいの人で比べた場合、
大体が同じ感じの結果になるのでしょうか?
なぜかというと、
私はkiの値が50パーセントったのですが、
私とER.pgRの値が同じくらいの人はオンコタイプをやるまでもなく高リスクになる傾向だとおっしゃっていました。
統計が出てるということですが。
乳腺外科の先生なら、さまざまな病理結果からオンコタイプの結果もたくさんみているので、
病理結果だけで大体のRSの値は予期できるのでしょうか?
遠隔転移をおこしてる人はオンコタイプでみると、高リスクの方がほとんどなのですか?
低リスクとでた場合は、ほぼなしと考えていいのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
根本的に理解するには是非『今週のコラム98~101』を熟読してください。
今週のコラム 98回目 ♯このグレーゾーンを「AとBに分ける」ためにOncotypeDXがあるのです。
今週のコラム 99回目 ★グレードは「参考程度」ということでいいですね?
今週のコラム 100回目! 「若いから」抗ガン剤をしましょう。は過ちなのです。
今週のコラム 101回目 (Ki67が20代はluminal Aの可能性が圧倒的に高く)本当に「Aなのか、Bなのか迷うのは30代以降」と言えるのです。
「ERの値、pgRやハーツー、kiの値が同じくらいの人で比べた場合、大体が同じ感じの結果になるのでしょうか?」
⇒これを理解するには特に『今週のコラム99回目の16-Breast Cancer-Related
Genes』をまず見てください。
 これら16遺伝子の中で「係数の最も高い」prolifera groupの遺伝子群だけでも(Ki67の他に)沢山あるのが見えますね?
 「大体が同じ結果」にはならないことは解りますね?
 ただ「今週のコラム101に載せたグラフ」で解るように…
  相関関係がある=傾向がある ということです。
「私はkiの値が50パーセントったのですが、私とER.pgRの値が同じくらいの人はオンコタイプをやるまでもなく高リスクになる傾向」
⇒『今週のコラム101に載せた(江戸川での最近の30症例)の棒グラフ』を見てください。
 Ki67≧40だと「半数で高リスク」となるわけです。
 それを「高リスクになる傾向がある」と表現するのは間違いないですよね??
「病理結果だけで大体のRSの値は予期できるのでしょうか?」
⇒それは誤りです。
 Ki67≧40でも25%(1/4)で低リスクとなっているのです。
 あくまでも「傾向がある」にとどまります。
「遠隔転移をおこしてる人はオンコタイプでみると、高リスクの方がほとんどなのですか?」
⇒失礼ですが…(失礼なことを言ってスミマセン)
 根本的に理解されていないようです。(是非、この機会に98~101を熟読お願いします)
 「今週のコラム99回目の(Tam と Tam Aloneがでている)グラフ」をご覧ください。
  このグラフをみれば
  RS=10でタモキシフェン単独では再発率6%(化学療法しても殆ど同じ)ですが、
  RS=40でもタモキシフェンに加えて化学療法をすれば再発率は10%となり「RS=10の人とそれ程遜色が無い」ことが解りますね??
    ♯ただRS=40なのに抗癌剤をしなければ再発率は22%に跳ね上がります。
  ★つまり、『RSが高いことは予後が悪いことではなく、抗癌剤をしなさい』ということなのです。
「低リスクとでた場合は、ほぼなしと考えていいのでしょうか?」
⇒上記で御理解いただけましたか??
 RS=10でも6%の再発率はあるのです。