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乳頭部にしこり

[管理番号:136]
性別:女性
年齢:47歳
MRIで、右乳頭部に5mmのしこりがあるのがわかり、エコーで再度よくみたところ、比較的はっきりした像が映りました。
右、左とも乳管内乳頭腫を摘出しており、今度も乳管内乳頭腫か乳頭部腺腫の可能性が高いけど、CNB針生検で白黒付けましょうと言われました。
他の方の投稿で確定診断をしてもらいましょうと書かれていましたが、針生検の結果で確定と思っていいのでしょうか?
場所が場所なだけに、摘出すると乳首が変形してしまい、マンモトームもできないと言われました。
針生検もやりにくい場所のようです。上手く取れるようしますと、おっしゃってくださってますが、取りきれないのではないかと不安になってきました。
今後の経過観察となった場合でも、気をつけておくことはありますか?
よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「乳頭部のしこり」非常に診断しずらい部位です。
 状況確認の上、回答します。

状況の確認

  1. 腫瘍が乳頭そのもの(突き出た部分)に存在する場合(質問者のケースはこれでは無いと考えています)
    ⇒この場合には針生検はできないと思います。
     この部分の腫瘍を針生検しようとすれば「必ず皮膚を突き破ってしまいます」
     私であれば、この部分の診断は「切開生検=外科的生検」(つまり、局所麻酔下に腫瘍をそっくり摘出してしまします)
     
     この部分の腫瘍であれば「乳頭部腺腫」の可能性が高いです。
     乳頭部腺腫の場合には大きくなると乳頭皮膚に浸食しあたかも「Paget様」に見える事もあります。
     
  2. 腫瘍が乳頭直下の乳腺内に存在する場合(質問者のケースはこれだと思っています)
    ⇒この場合には(多少、超音波で見ずらいのでターゲットにしにくい部分はありますが)針生検で十分に診断できます。
     乳頭部直下の乳腺内であれば、乳管内乳頭腫の可能性が高いでしょう。

 

回答

「針生検の結果で確定と思っていいのでしょうか?」
⇒針生検をやる以上は当然「確定診断」でなくてはなりません。
 
 ※もしも「1」のような「非常に取りにくい部位」であり(針生検をしても確定診断がつかない可能性があるのであれば)私なら針生検はせずに最初から「摘出生検=外科的生検」します。
 
「今後の経過観察となった場合でも、気をつけておくことはありますか?」
⇒(経過観察はお勧めしません)是非、確定診断を選択してください。
 万が一、針生検で(旨く組織採取ができずに)確定診断がつかなかった場合には、「摘出生検」をお勧めします。
 
 ◎「確定診断なしで」経過観察することは、「もし癌だった場合には、みすみす進行させる」ことを意味します。
 早期発見に勝る治療は無いのです。