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乳頭乳輪温存について

[管理番号:4167]
性別:女性
年齢:51才
田澤先生、はじめまして、よろしくお願い致します。
来月早々手術を予定している者です。
術前検査では非浸潤性乳管がんの0期、(右)です。
サブタイプなどの詳しいことは聞いていないのですが、
(ルミナルタイプ、核異型度3、です)
癌の部分は乳頭から2~3センチ離れているので、乳頭乳輪を残して皮下乳腺全摘、同時再建、と一旦はそれで決定したのですが、2016年版乳がん診療ガイドラインという本の78頁に、乳頭乳輪を残す方法は、標準的な温存手術や切除術と比べて、生存率や再発率に差がないという大規模な臨床実験の結果はないとのことで、安全性に不安を持ちました。
乳頭を残してリスクを残すよりは、全摘した方がいいのか・・。
[管理番号:221 温存か全摘か・・・]の方のように、非浸潤なら全摘すればほぼ(?)完治できるのな.らそうすべきか。
主治医は、乳頭を残してもそんなに再発率は高くならないが、残すかは自分で決めるしかないようです。
全摘すれば傷も前の方にきてしまうし、乳頭も残せるなら残したいですが、再発に怯えるくらいなら全摘すべきか迷っています。
残したばっかりに再発して後悔している人の意見も見かけるためです。
乳頭から癌が2~3センチ離れている(ようにMRIでは見える)のに、乳頭を取ってしまうのは、やりすぎでしょうか?
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者は勘違いしています。
あくまでも「通常の乳房全摘が標準」なのです。
本来「乳頭乳輪温存」は「腫瘍径が小さい」「乳頭と十分に離れている」場合に、(リスクを許容した上で)選択されるべきものです。
「乳頭から癌が2~3センチ離れている(ようにMRIでは見える)のに、乳頭を取ってしまうのは、やりすぎでしょうか?」
⇒質問者は勘違いしています(冒頭のコメントに戻ります)
 あくまでも「通常の乳房全摘が標準」なのです。「やり過ぎ」など、とんでもない勘違いです。
 
 ◎以上を正しく理解した上で「ある一定のリスクを許容するなら」乳頭乳輪温存も選択できるのかもしれません(画像を見ていないので本当に安全なのかはコメントできませんが)