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乳頭の分泌物

[管理番号:3491]
性別:女性
年齢:26歳
乳頭から透明の分泌物が出ます。
気づいたのは6年ほど前で、出てるのは必ず決まって右側の乳頭の1つの場所からのみです。
他の場所からは、一切出ません。
搾るように力を入れてつまむと、プクッと1.2ミリほど出てきます。
色は無色透明で、ややねっとり、少し粘り気のあるものです。
毎日触ってつまんで確認している訳ではありませんが、痛みが走ったり、胸に違和感がある時にたまに右胸をつまむと、だいたい同じように出てきます。
普通の時でも、たまにつまむと出るときもあるし、出ないときもあります。
気づいたのが6年前なので、その前から症状があったかはわかりません。
そのことが気になり、乳がん検診も受けていますが、毎年異常なしです。
乳腺外科の先生にそのことを話しても、「透明は問題ない」とか、
痛みも分泌物も「ホルモンの関係」と言われます。
しかし、インターネットで調べていると、「片方の乳頭の1つの場所のみからの分泌物は、透明でも要注意」と書いてあるものが多いので、検診で異常なしでもやはり気になります。
この分泌物の詳しい細胞診など、してもらったほうがよいですか?
それとも、このまま今までどおり様子を見てもいいですか?
また、この透明の分泌物が将来的に乳がんになっていくサインという可能性はありますか?
授乳や出産の経験はなしです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ネットなどで「無責任な情報」に触れてしまうと、「中途半端な知識から来る不安」に悩まされることになります。
大事な事は「正しい知識と理解」です。
○乳頭分泌で『何が問題なのか?』きちんと理解することです。
 訳も無く、「癌の前兆」だとか、そうでないとか考えるのではなく、分泌はどんな際にでるのかを区別しましょう。
 ①(正常)乳腺組織からの分泌(亢進)など
 ②乳管内病変(乳管の中の小さな腫瘍)からの分泌
 ③どこかに潜んでいるかもしれない(得体のしれない)癌細胞からの分泌
 強調しておきますが、③などありません。今すぐ「頭から」消去しましょう。
 「乳頭分泌の殆ど」は①です。 沢山の孔から出る(多孔性)場合には①と考えて差し支えありません。(授乳しているとか、していないとか、そんな事とは無関係に多孔性の場合には心配ありません)
 問題は②です。
  この場合は通常色が付きます(黄色~茶、黒、赤)
  ただし、「透明」の時期もあるので「単孔性」であれば②を疑い「乳管造影」すべきでしょう。(分泌液細胞診や分泌液CEAなどは無意味です)
「この分泌物の詳しい細胞診など、してもらったほうがよいですか?それとも、このまま今までどおり様子を見てもいいですか?」
⇒分泌液細胞診など「全く無意味」です。
 本当に「単孔性」で絞れば必ず出るならば「乳管造影」してもらいましょう。
 ○乳管造影をすることで「その乳管内に病変(乳管内病変)があるのかどうか判明する」のです。
「また、この透明の分泌物が将来的に乳がんになっていくサインという可能性はありますか?」
⇒頭を整理しましょう。
 分泌を(将来癌になるとかならないとか)ブラックボックスに入れるのは止めましょう。
 原因があるわけです。
 「単孔性」で「継続」するならば、まずは「乳管内に腫瘍がある(乳管内病変)」可能性があるということです。(癌かどうかは全く別次元の話です)
 ○もしも「乳管内病変の存在」が明らかになれば、次のステップとして「それが癌なのかどうか?」となるのです。(ステップを踏まずに、いきなり癌なのかどうか?
という考え方は止めましょう)