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乳腺膿疱について

[管理番号:3845]
性別:女性
年齢:39才
先月の乳ガン検診のエコーで水の袋があるけど大丈夫ですと言われました。
以前膿疱があると言われましたが水の袋とは膿疱の事でしょうか?
以前ネットで膿疱は癌にならないけど、膿疱のなかに癌が出来ると書いてありましたが、本当でしょうか?
今いくつか膿疱がありますが、そのなかに癌が出来ないか心配です。
あとマンモで石灰化を指摘されました。
癌とは関係ない
と言われましたが放っておいて大丈夫ですか?
あとマンモの被爆ですが、仮に(そんな事はしませんが)毎月マンモをしたとしたらかなりの被爆量になりますか?
色々質問してすいません。
宜しくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「水の袋とは膿疱の事でしょうか?」
⇒その通りです。
 正確には(膿胞ではなく)「嚢胞」です。
 乳管が閉塞して、(乳管内に)「分泌液が貯留した状態」をいいます。
「以前ネットで膿疱は癌にならない」
⇒その通りです。
 前述したように「嚢胞は、正常乳管が閉塞して内容液が貯まっただけ」であり、
「腫瘍でもなんでもない=癌になるなどナンセンス」です。
「膿疱のなかに癌が出来ると書いてありましたが本当でしょうか?」
⇒誤りです。
 「嚢胞内腫瘍」のことについて言っているのだとは思いますが…
 全くの誤りです。
 次回の「今週のコラムに書きますが(今、決めました)」嚢胞と嚢胞内腫瘍は『似て非なるもの』です。
 ○嚢胞内腫瘍は ①乳管の壁の細胞が腫瘍化して、②乳管内腔に突出⇒③腫瘍により乳管が閉塞⇒④(乳管内容液が)乳管内に貯留⇒⑤乳管自体が(嚢胞のように)拡張する
   この①~⑤の過程で結果的に「拡張して液体が貯まった乳管内に腫瘍が突出した形=嚢胞内腫瘍」を形成するのです。
 ♯つまり、「腫瘍以外の原因(乳腺症に伴う線維化など)により乳管が閉塞して袋状に拡張するものを嚢胞」といい、「腫瘍が原因で乳管が閉塞して袋状に拡張しているものを嚢胞内腫瘍」というのです。
「今いくつか膿疱がありますがそのなかに癌が出来ないか心配」
⇒全くナンセンス。
 無駄な心配です。
「マンモで石灰化を指摘されました。癌とは関係ないと言われました」
⇒石灰化の99%以上が「画像だけで、良性と断定できる」ものです。
「放っておいて大丈夫ですか?」
⇒100%大丈夫です。
「毎月マンモをしたとしたらかなりの被爆量になりますか?」
⇒大したことはありません。
 マンモグラフィーを100回撮影して、ようやく「CT1回分」なのです。
 因みに「マンモグラフィー1回分は自然放射線の1カ月分にも満たない線量」です。