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乳腺エコーで引っかかりました

[管理番号:264]
性別:女性
年齢:34歳
乳腺エコーで辺縁不整、境界不明瞭な低エコー腫瘤と診断され、精査をおこなってくださいと健康診断書に記載がありました。
大きな病院への紹介状をいただきましたが、予約日まで2週間ほどあり、乳がんでないかとても心配です。
マンモグラフィーでは特に異常はなかったのですが、やっぱりエコーで精査となるとがんの疑いが強いのでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「乳腺エコーでの要精査」
 御心配な気持ちはお察しします。
 それでは回答します。

回答

「乳腺エコーで辺縁不整、境界不明瞭な低エコー腫瘤」
⇒乳癌の可能性があります。
 記載内容は「乳癌の所見」です。(勿論、検診エコーが正しい所見を捉えているとは限りませんが)
 
「マンモグラフィーでは特に異常はなかったのですが、やっぱりエコーで精査となるとがんの疑いが強いのでしょうか」
⇒(30歳代では)マンモが高濃度であり、腫瘍が見えない事もよくあります。
 超音波の方が正確な所見が得られます。
 
「大きな病院への紹介状をいただきましたが、予約日まで2週間ほどあり、乳がんでないかとても心配です」
⇒私も心配です。
 その「大きな病院」は信頼できるのでしょうか?
 2週間後に受診してからも、「ぐずぐずした検査」となる可能性があります。(このQandAでも、そのような目にあっている方が沢山います)
「乳腺外科医が少人数(1人か2人)であり、信頼のおける病院」がお勧めです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

回答ありがとうございました。
やっぱり、乳がんの疑いが強いんですね…
とくにしこり等を自覚できていなかったので、今まで安心していましたが…しこりを触れなくてもしこりができていることがあるんですね。
検査日を来週に変更してもらいました。はやめに診断してもらって、診断結果を待ちたいと思います。
はっきりと乳がんと診断された場合今後はどんな治療法があるのでしょうか?
現在、仕事をしているので仕事をしながら治療に専念できるのか不安です…
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「超音波所見が癌の特徴に思える」と前回回答した方ですね。
 まだ受診もしないうちではありますが、御心配される気持ちはわかります。
 それでは回答します。

回答

「はっきりと乳がんと診断された場合今後はどんな治療法があるのでしょうか?」
⇒(しこりを触れない+マンモグラフィーでも不明)により、(もし癌であっても)「腫瘍も小さく、リンパ節転移も無い」早期であると仮定します。(進行している可能性は全くありません)
 
★乳癌の治療
乳癌の治療は局所療法(手術±放射線)と全身療法(ホルモン療法、抗癌剤)の組み合わせで行われます。
ここであらゆるパターンを紹介しても、雑然とするだけなので「質問者に当てはまるであろうもの」を紹介します。

局所療法 手術 (腫瘍は小さいから)乳房温存術(部分切除)となるでしょう。
放射線 (温存術後は原則として)術後放射線照射を行います。(25回程度通院)
全身療法 ホルモン療法 (乳癌の70%はホルモン療法が効くタイプです)
※ここで、「ホルモン療法が効かないタイプor HER2遺伝子増幅がある場合」には抗癌剤治療となります。(HER2陽性の場合には抗癌剤+分子標的薬:ハーセプチンを行います)

 
「仕事をしながら治療に専念できるのか不安」
⇒手術+(術後)放射線+ホルモン療法のパターンなら「全く問題ありません」※放射線は回数は多い(25回)ですが、1回当りの照射時間は数分と短く「十分に仕事しながら、行えます」
 ※手術+(術後)放射線+抗癌剤の場合には、(抗癌剤は3週間に1回の点滴なので)副作用の強い時期(2~3日間)は休むなどの調整は必要となります。