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急な進行と、乳管内乳頭腫について

[管理番号:3168]
性別:女性
年齢:35歳
初めて質問させていただきます。
先々週、右の乳房の右上外側の4、5センチのしこりを乳腺外科にて診て頂き、細胞診の結果が、《鑑別できない》→文章で、腺癌の疑いもあり、乳管乳頭腫の疑いもあると書いてありました。
医師の説明では、癌なのか、良性なのか今の時点では分からないということでした。
癌という言葉にパニックになってしまい、詳しく聞くことができず、マンモトーム検査を近日に控えています。
1歳7ヶ月の子がおり、授乳も日に2、3回ですがしています。
しこりに気付いたのは一年ほど前です。
ただ、気づく直前、逆の左乳房のしこりが気になり乳腺外科でエコーを受けており(それはおっぱいの溜まりと判明しその後消えました)、その時右乳房も一緒にエコーで見て頂いていたので、きっとこれも授乳の影響だと思っていました。
昨年11月の健康診断のエコー検診でやはりそのしこりを指摘され、
要精密検査になり、同じ乳腺外科へ行ったところ、やはり授乳の影響だと言われ、エコーのみで終了しました。
(授乳中なのに健康診断を受けたことを笑われ、エコー中も、何を聞いて授乳の影響だと、笑われてしまいました。)ちなみに、その時のエコーでしこり部分は黒く写っていました。
今年4月に、しこりがやはり気になり、別の乳腺外科へ行ったところ、
細胞診をしてくれ、良性です、とのことで、ただ、稀に中に癌細胞があることもあるので、半年後に変化がないか見ましょうということでしたが、
痛みも出てきたので(我慢できないものでは、なく鈍くズキズキします)、癌を疑うわけではなく、放っておいていい痛みか聞きたく、
今回、最初と同じ乳腺外科へ再度受診した次第です。
今回のエコーでは、しこりは白く写っています。
先生も、半年前の黒くて明らかにおっぱいの溜まりだったのが、今は消えて急にこうなっているのは何故か、なんなのか、予想もつかないということでした。
ひとより、こまめに乳腺外科にかかってるつもりでいたので、こんなに短期間で状況が変わるものなのか、、、
かなり大きいのでもし悪性の場合どんな進行状態が考えられるのか、
また、乳管乳頭腫というものを調べると、癌との判別が困難、前癌状態、将来乳がんのリスクが高まる、これ自体は乳がんに変化はしない、
周辺に乳がんがある可能性がある、乳がんが影に隠れてる可能性がある、などなど、乳管乳頭腫というものがどれくらい注意が必要なのか分かりません。
乳管乳頭腫について、これだけ様々な意見があると主治医に例え、良性だから大丈夫だよと言われても、そのまま信じていいのかわからなくならセカンドオピニオンも考えてしまいそうです。
また、しこりの右下にもよく触るとコリコリしたものがあるのを見つけたので明日、先生に伝えようと思っています。
まだ乳がんについて調べ始めたばかりで、拙い表現ばかりで申し訳ありません。
何卒よろしくお願いします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「かなり大きいのでもし悪性の場合どんな進行状態が考えられるのか、」
⇒なかなかメール内容から推定することは困難ですが…
 イメージとしては「嚢胞内腫瘍」でしょうか?
 「乳管内乳頭腫」も「嚢胞内腫瘍の形を取り易い(嚢胞とは乳管壁なのです)」し、「おっぱいの貯まり」と間違われ易い過像所見とも言えます。
 ○もし、そうだとすれば「万が一、乳癌」だとしても「嚢胞内癌」であり、「大きくても非浸潤癌(0期)」と言う事もあり得ます。
 
「また、乳管乳頭腫というものを調べると、」
「癌との判別が困難」⇒その通りです。 針生検では確定診断が得られないことも多々あります。
「前癌状態」⇒これは誤りです。
「将来乳がんのリスクが高まる」⇒「これ自体は乳がんに変化はしない」が同じ乳管に「増殖病変」ができやすいということです。
「周辺に乳がんがある可能性がある、乳がんが影に隠れてる可能性がある」⇒これはまさに「同じ乳管に(現在か未来に)増殖性病変(場合によっては癌)ができやすい」ということです。
 
○4~5cmもあるのであれば、「診断がどうであれ」摘出しなくてはなりません。
 いたずらに経過観察としないようにしましょう。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

先日はお忙しい中ご回答ありがとうございました。
その後、エコーを使ったマントーム生検をし結果待ちの状態です。
田澤先生に嚢胞内腫瘍の可能性を指摘していただき
Q&Aの嚢胞内腫瘍についてのコメントなどを拝見いたしました。
なお、4~5センチのしこりと記述しましたが、それは私が触って測ったもので
医師に伝えた所、そんなにはない、2センチちょっとですよとのことでした。
追加で質問させていただいて宜しいでしょうか。
①半年前、エコーで黒かった丸が今回はそれが消え、白く写っているというのは
半年前には嚢胞内の液が多く腫瘍は小さく見逃されたけれど半年で嚢胞内いっぱいに腫瘍が大きくなり見え方が変わったということでしょうか。
②2センチちょっとであれば乳がんだった場合、非浸潤ガンである可能性はどのくらいでしょうか。
ちなみに、担当医師曰く、綺麗な楕円形だし、組織をとった感じも悪いものである感じはしなかったとのことです。
③担当医師のHPのQ&Aを見ると(個人乳腺外科クリニックです)、
嚢胞内腫瘍の摘出に対する考え方が田澤先生とは違うようです。
今後の方針として、良性の結果が出た場合、摘出にはならず経過観察になる可能性が高いと感じます。
どうしたらいいでしょうか。
④田澤先生のQ&Aで嚢胞内腫瘍は癌が広がるリスクがあるから針生検はしないほうがいいということでしたが、私は別の病院と今回の病院で2回もしてしまっており、さらに、マントーム生検までしています。
担当医師の考え(上記Q&A)から飛び散って悪化することはないというのが読み取れますが、もし乳がんで摘出する場合、周囲も合わせて切除してもらえるか不安です。
実際、癌が広がるリスクはどのくらいあるのでしょうか。
お恥ずかしながら、今回、別の病院での良性の結果に影響を受けての診断をしてほしくなく、針生検をすでに受けたことを伝えていませんでした。
⑤現在授乳中なのですが、マントーム生検あと、
母乳といっしょにかなり出血があり、赤い母乳だったのですが(今も続いています)、
あかちゃんがママの血を飲んでしまうことは問題ないから、担当医師からは
授乳しても問題ないと言われていたので数回授乳してしまいました。
田澤先生から嚢胞内腫瘍のご指摘があってからは、嚢胞液が出てきていて
がん細胞が含まれていては大変と思い搾乳しています。
子供への影響は大丈夫でしょうか。
⑥個人のクリニックなので、乳がんだった場合、転院になるのではないかと思っていますが、その際紹介される病院を決めるにあたっての注意事項を教えてください。
引っ越してきたばかりでよく知らない土地のため、紹介されるがままになるかもしれません。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「①半年前、エコーで黒かった丸が今回はそれが消え、白く写っているというのは半年前には嚢胞内の液が多く腫瘍は小さく見逃されたけれど半年で嚢胞内いっぱいに腫瘍が大きくなり見え方が変わったということでしょうか。」
⇒その可能性はあります。
 
「②2センチちょっとであれば乳がんだった場合、非浸潤ガンである可能性はどのくらいでしょうか。ちなみに、担当医師曰く、綺麗な楕円形だし、組織をとった感じも悪いものである感じはしなかったとのことです。」
⇒大きさで判断することはできません。
 そもそも「嚢胞内腫瘍なのか?」不明です。
 ただし、もし「嚢胞内腫瘍」であれば(エコーで壁外への浸潤所見がなければ)非浸潤癌の可能性は高いとは思います。
 
「③担当医師のHPのQ&Aを見ると(個人乳腺外科クリニックです)、嚢胞内腫瘍の摘出に対する考え方が田澤先生とは違うようです。今後の方針として、良性の結果が出た場合、摘出にはならず経過観察になる可能性が高いと感じます。どうしたらいいでしょうか。」
⇒(嚢胞内腫瘍だと仮定して)
 嚢胞内腫瘍に対して「針生検をすることお是非はさておき」結果として「針生検」したのであれば、病理結果次第でしょう。
 良性⇒経過観察
 鑑別困難⇒摘出
 悪性⇒(勿論)手術
 その医師も(嚢胞内腫瘍であり、鑑別困難ならば)摘出すると思います。
 
「実際、癌が広がるリスクはどのくらいあるのでしょうか。」
⇒それは解りません。
 ただ、「もしも嚢胞内癌であったら…」ということを考えて「診療はすべき」なのです。
 自信がなかったら、「細胞診」すべきです。
 細胞診であれば、「嚢胞内腫瘍が破壊される心配」はありません。
 もしも嚢胞内癌であれば、「細胞診で(最低限)クラス3B以上」となります。 
そしたら「摘出すべき」なのです。
  
「子供への影響は大丈夫でしょうか。」
⇒大丈夫です。
 問題ありません。
 
「その際紹介される病院を決めるにあたっての注意事項を教えてください。」
⇒若い医師の多い「大きな病院」はお勧めしません。
 少人数で「手術件数が多い」ところが一つの目安だとは思います。