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非浸潤がんで乳管内乳頭腫を多発している場合

[管理番号:3122]
性別:女性
年齢:47歳
初めて質問致します。
8年ほど前から左右の胸に多数の乳管内乳頭腫があり針生検や、マンモトームをして経過観察中でしたが、
3月のマンモトームで非浸潤ガンとなり5月に温存手術しました。
手術後の病理結果です。
診断結果:悪性
病理診断:noninvasive ductal
carcrinoma(left breast,Bp+SN)
surgical margin:see comments
Lymphnode:negative
病理所見:左乳腺部分切除(Bp+SN)腫瘍は添付図(この質問状には添付していませんが)で示したように分布しています。
拡張乳管内で軽度~中等度の異型を示す上皮が乳頭状、篩状、橋渡し状に増殖しています。
低異形度の非浸潤性乳管癌と判断します。
標本全体に多数の抹消型乳頭腫や通常型乳管過形成が見られ乳頭腫内にもDCISを認めます。
迅速時の標本を再検討し診断に変更はありません。
断端近傍に平坦型異型上皮やADHを認めます。
慎重な経過観察をご検討ください。
noninvasive
ductalcarcrinoma,intermediate
grade (WHO),group1(non high
grade DCIS without necrosis)リン
パ節n(0/1)[sentinel(0/1) UICC:
pTis,pN0(sn),M0 ER95%
TS7=PS5+IS2 PgR100%TS8=PS5+IS3
HER2判定保留(2+)※DCISでの判定。
主治医からの説明では、①放射線治療をするか、②たくさんある腫瘍が今回の病理結果に似たものである可能性と、将来的に悪性になる可能性が高いから、全摘も視野にと言われました。
放射線治療で行けるかと思っていたので驚き迷っています。
たくさん腫瘍があることと、それらが悪性である、または将来的悪性の可能性も鑑みて全摘をするほうが良いのでしょうか。
お忙しいかと思いますがよろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
画像所見はないですが、「数年の組織診をしながらの経過観察」及び、「今回の多発した乳頭腫+低悪性度の非浸潤性乳管癌」からおおよそ状況は推測できます。
「たくさん腫瘍があることと、それらが悪性である、または将来的悪性の可能性も鑑みて全摘をするほうが良いのでしょうか。」
⇒まさに「担当医の言う事」も良く解ります。
 ご本人が理解されている通りです。
  乳腺に拘らない(もしくは、リスクがあるなら全摘してしまいたい)と考える患者さんに時々遭遇します。
  私の印象では必ずしも高齢の方が多いというわけでもなく、「子供たちの為にも、できるだけ安全にしたい」と考える若い方もいらっしゃいます。
  ○私が担当医だったら…
   選択肢として(担当医のように)2つ示して反応をみます。
   「全摘してください」と即答される方には「全摘でいい」と思いますが、質問者のように悩むようなら(迷わず)「放射線」とします。
 ★質問者は「放射線治療で行けるかと思っていたので驚き迷っています」とあるので、これは「放射線」でしょう。
 きちんと「半年に1回」診察をして、(場合によっては)再度の「組織診も厭わない」ようにすれば、全く問題ありません。