乳がんプラザ|乳がんの手術は東京の江戸川病院乳腺外科|ブログ


[管理番号:500]
性別:女性
年齢:50歳

田澤先生はじめまして。
お忙しい中申し訳ありません。
よろしくお願いします。

乳管内乳頭腫についてですが、
乳管区域切除が最善の治療法だと認識していますが、
しこりだけを摘出した場合
(先生の解説にもあるように)
もし、周辺に非浸潤癌を伴っていた場合
乳管外に広まってしまう可能性はあるのでしょうか?
または、手術はしないで要観察でもいいのでしょうか?
1センチ大のしこりの他、離れたところにも小さいしこりがあり、要観察でいきましょうと言われています。

頭が混乱している状態で、少しずつでも悩みを
解決したく、質問させて頂きました。
私としては、しこりだけの摘出を望んでいます。

何卒よろしくお願いします。

 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 「乳管内乳頭腫」ですね。
 「1cmのしこりと同じ乳管内に小さなしこり」があるのですね。

状況の確認

 まずは「乳管内乳頭腫の診断」ですが、「どの程度の診断なのでしょうか?」
①乳管造影が行われている。(針生検、細胞診は施行せず)
②乳管造影はされていない。針生検のみ
③乳管造影はされていない。細胞診のみ
④乳管造影はされていない。画像所見(超音波やもしかしてMRI)のみ

◎これら①~④のどれに当てはまるのかで、対応は変わってきます。
 

回答

「しこりだけを摘出した場合(先生の解説にもあるように)もし、周辺に非浸潤癌を伴っていた場合乳管外に広まってしまう可能性はあるのでしょうか?」
⇒その可能性はありません。
 乳管が手術的に破壊されたからといって、それが広まる訳ではありません。

 ただ、(画像で見えないような非浸潤癌が存在していると仮定すると)それらの非浸潤癌を「(画像で見えない位小さいうち=超早期に)摘出する事ができなくなります。

◎つまり、乳管区域切除を行えば「同じ乳管内の(見えない)腫瘍も一緒に切除できる」のですが、「見える腫瘍だけを摘出」してしまうと、周りの乳管内の(見えない)腫瘍を摘出する手段が失われてしまうのです。(乳管の連続性が断たれ、「見えないうちに摘出する」ことが不可能となります)
 

「または、手術はしないで要観察でもいいのでしょうか?1センチ大のしこりの他、離れたところにも小さいしこりがあり、要観察でいきましょうと言われています。」
⇒上記「状況の確認の①~④」どれに当てはまるかによります。
①の場合は「経過観察する場合」には針生検もしておいた方がいい
②であれば「乳管造影」はしておいた方がいい
③④での経過観察は「私なら」勧めません。
 

「私としては、しこりだけの摘出を望んでいます。」
⇒「経過観察」よりはいいと思いますが、「分泌がある場合」には、やはり「乳管区域切除」をお勧めします。
 乳管区域切除は「細かい」手術なので「全身麻酔」が必要ですが、手術時間は「30分以内」で局所麻酔下の腫瘍摘出と「手術自体は大して変わりません」

 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、早速のご回答ありがとうございます。

説明不足でした。
乳頭からの分泌物はありません。
2.3年前からしこりは自覚していましたが、
嚢胞が沢山あるので、これも嚢胞と思っていました。
たまに痛くなったりしていました。

マンモグラフィ、エコー、触診、MRIののち、
細胞診で疑陽性
エコー下吸引式針生検(音のする、細胞診より太い針で何ヵ所か刺すもの)では、詳しく調べるので時間を下さい、ということで10日後、乳管内乳頭腫の診断が下されました。

実は、このしこりの検査の際、偶然マンモグラフィで左乳房内側に広範囲に広がる微細石灰化が見つかり
(こちらのほうがもっと深刻な病変なのですが)
上記の検査の結果、癌を告知されました。
2つの病院で診てもらいましたが、
どちらもマンモグラフィとエコーで即、確定されていたと思います。
こちらを拝見していましたので、マンモトームもお願いしましたが、それをするまでもない、一目で判る所見であったのでしょう。癌は残念ながら確定済み。心を落ち着かせて、術後の病理結果を待ちましょう。との事で、私も納得しました。

DCISの記載が主治医の先生のパソコンの画面上にあったと思うのですが、
心配なのは
左脇のリンパ節がひとつ、エコーで腫れており(米粒の形、縦6ミリ)細胞診では、6つのプレパラートのうち1つに少数の上皮細胞が見られるとの事でした。
あと、左乳房も多数の嚢胞があり、その中で乳輪に近い下側に
なだらかな2センチくらいの丸いしこりのようなものがあり、これも2.3年前から気がついていましたが、時には柔らかくなったり境目がなくなったりしているように思い、嚢胞が大きくなったり小さくなったりしているのかなと勝手に思っていました。
細胞診したのはこの辺りだったと思います。

このような事から、
非浸潤癌が所々で浸潤して、リンパ節に転移してしまったのだろうか?
または、このしこりそのものが、浸潤したところから成長して出来た浸潤癌なのだろうか?(先生の解説の中の、非浸潤のしこりはベターっとしたもの、に僅かな希望を抱いていますが)
または、そもそも微細石灰化=非浸潤癌という私の認識が間違っていて、浸潤癌でも微細石灰化を伴うのだろうか(浸潤癌が成長していきながら、乳管内にも癌細胞が入り込み微細石灰化を伴う)

マンモトームをすれば、判ったのかも知れませんが、どちらにしても悪性は悪性、手術後の病理結果を冷静に受け止めないと
と思っています。

あとになりましたが、右の乳管内乳頭腫の件も
左のこともあり、解決出来ることからしていきたいとの思いで
質問させて頂きました。

頭と心が混乱しており
支離滅裂な事を書いたかもしれません。

以上の事から、
特にリンパ節の転移の有無について
先生のご意見を聞かせて戴けたら幸いです。

リンパ膨張は触診では判りませんが、
よく見ると、脇に筋のような血管くらいの膨らみができているようにも思います。柔らかいです。痛みはありません。

先生に読んでいただけると思うと
すごく心が穏やかになります。
ここに来ておられる皆さんそうだと思います。
つらい回答だったとしても冷静に受け止めます。
ありがとうございました。

 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 状況は解りました。

「マンモトームもお願いしましたが、それをするまでもない」「術後の病理結果を待ちましょう」
⇒目を疑いました。
 術前に「針生検(マンモトームを含む)による確定診断無し」で「癌の手術をする」事は、全く想像できません。

 画像診断で「間違いなく乳癌」だと思っても「組織診による確定診断無しで」手術を行う施設があることを始めて知りました。(心底驚いています、万が一癌でなかったら裁判で確実に負けます)
 

回答

「左脇のリンパ節がひとつ、エコーで腫れており(米粒の形、縦6ミリ)細胞診では、6つのプレパラートのうち1つに少数の上皮細胞が見られるとの事でした。」
⇒これは転移では無いと思います。

 「米粒の形」とは「楕円というか、細長いものだと思います」通常のリンパ節です。
 「転移のリンパ節」は「張りがでて、類円型」となってきます。そして「2相性を失う」ようになります。(表現が難しくて済みません)
 いずれ、「術中センチネルリンパ節生検」を行う訳なので心配ありません。
 

「そもそも微細石灰化=非浸潤癌という私の認識が間違っていて、浸潤癌でも微細石灰化を伴うのだろうか」
⇒癌が乳管内を増殖する過程で微細石灰化が生じ、そして増加します。

 ただ、「時間経過の中で」非浸潤癌の中で「芽を出すように」微小浸潤がおこります。
 この微小浸潤が大きくなると「通常の浸潤癌」となります。
 

◎質問者の場合は「非浸潤癌だけ」もしくは「非浸潤癌のどこかに微小浸潤」のどちらかだと思います。(微小浸潤は手術標本で隈なく検索しないと検出できません)
 ただ、「微小浸潤以上のもの」は無いと思いますので、いずれ「リンパ節転移の可能性は相当低い」と思います。

 
 

 

質問者様から 【質問3 微細石灰化】

今回も早々のご回答を頂き、ありがとうごさいました。

先生の厳しいご意見覚悟していました。
2つの病院では、画像以外にも細胞診ではありますが、受けました。その結果が陽性でした。
主治医の先生はじっくり話しを聞いてくださる先生で
何度もマンモグラフィやエコーの映像を見せてくださり、
私の質問にも答えて下さいました。

そんな中、田澤先生のこのコーナーを知り、マンモトームをすることの重要性を知りました。
そして、してほしいと訴えましたが、
私としてはその時点で、癌であるかないかの確定ではなくて
非浸潤癌か浸潤癌か を知りたいための訴えでした。
どちらにしても、正確な結果は術後の病理検査でしかわからない。静かに待ちましょうとの事でした。
上記の3つの検査の結果で、誰が見ても100%判断できる結果だったのだと、私自身も(色々調べ少ないながらも知識を得たうえで)マンモグラフィの映像をみて納得しました。
ただ、田澤先生の考え方、方針は、こんな私が言うには大変おこがましいですが、心から支持させて頂きたいです。
なぜなら、患者にとって、はっきりした診断が下らない事ほど不安な事はないからです。なんの覚悟も出来ず暗闇の中にいるだけでした。
私が早くに先生の事を知り、近隣に住んでいれば、間違いなく
先生にお願いしていました。
ただ、今は上記の事を理解した上で、
主治 医の先生を信頼して手術日を待ちたいと思っています。

が、やはり次から次へと自分を落ち着かせたいが為の疑問が
沸いてきます。
微細石灰化について質問させて頂いていいでしょうか?

いつまでたっても石灰化を伴わない非浸潤癌もあるのでしょうか?
また、石灰化を起こす非浸潤癌はコメド型が多いのでしょうか?
そして、広範囲に広がってしまった石灰化を伴う非浸潤は、それだけ浸潤する力が弱いのでしょうか?(それがコメド型なら矛盾していますが)

何度も申し訳ありません。
急がないです。
よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 質問者の状況、考え方は解りました。
 自分の状況を「確実な手段を用いて」知る事
 そして、「曖昧ではなく」確実な診断

 私の方針を支持していただき、ありがとうございます。

回答

「いつまでたっても石灰化を伴わない非浸潤癌もあるのでしょうか?」
⇒あります。

 非浸潤癌でも「low grade(低悪性)」といわれるタイプでは「石灰化を起こさない」事もめずらしくはありません。(起こしたとしても、壊死型ではなく、分泌型です)
 

「石灰化を起こす非浸潤癌はコメド型が多いのでしょうか?」
⇒その通りです。

 「コメド型」は核異型度が比較的高く、それゆえ「乳管内で激しく増殖」するため「コメド型(面疱型)」となります。
 そうすると、中心壊死がおこり、「壊死した癌細胞に石灰化」が生じるのです。

 ただ、「低悪性度の非浸潤癌」でも分泌型石灰化を起こすことがあります。
 

「広範囲に広がってしまった石灰化を伴う非浸潤は、それだけ浸潤する力が弱いのでしょうか?」
⇒非浸潤癌は(浸潤する力が弱いというよりも)「浸潤する能力を持っていません」
 浸潤するためには、更なる「遺伝子変異」が必要なのです。

 「非浸潤癌として旺盛に増殖」する事と、「浸潤する能力」は全く別なのです。

 ただし、癌細胞が増殖して増えれば、その中で「遺伝子変異がおきて浸潤癌となる確率」も増えることは想像がつくと思います。

 つまり10000個の癌細胞で遺伝子変異が起こる確率は100個の癌細胞で遺伝子変異が起こる確率の100倍あるのです。

 
 

 

質問者様から 【質問4 非浸潤癌】

田澤先生
石灰化についての詳しいご説明ありがとうございました。

先生の
自分の状況を「確実な手段を用いて」知ること
そして「曖昧ではなく」確実な診察
の二行のメッセージを何度も読み返しずっと考えています。

告知の日から絶望の毎日が続いていました。
恐る恐る非浸潤癌について調べ、浸潤癌でなければ、最悪の事態は避けられるかもしれない、そうであってほしい、
そんな中、右の悪性、左のリンパ節転移の疑い、パニックでした。左が良性かも、とは1%も思いませんでした。
冷静に物事が考えられませんでした。
主治医の先生に、もう一度マンモトームをもって最終的な決定をお願いしないといけないんだと今強く思う自分がいます。
多分、手術は免れないでしょうが、そうしないと後悔すると思う自分がいます。もう少し考えさせて下さい。

田澤先生、先生の方針に背くような私の質問に快く答えて下さって、本当にありがとうございました。

前回の先生のお返事で、とても心が軽くなりました。
でもやはりここを離れると不安ばかりが募ってきます。
最後にもう一度だけ質問させて下さい。

やはりリンパ節膨脹が気になります。

○リンパ節に上皮細胞が見られるとはどういう事ですか?
○横に長いドーナツ型を2相性というのですか?
腫れているリンパは上の辺にもやっとしたものがついていました。他のリンパとはやはり違ってみえました。
○前回の、脇の腫れた筋の上部に丸い6~7ミリの膨らみを見つけてしまいました。皮膚を引っ張ると動きません。痛くないです。腕を下ろすと折ったところよりは少し腕側です。問題ないでしょうか?
簡単で結構です。よろしくお願いします。

先生の回答で安心を得たい自分と、辛い回答でも覚悟をしておかないといけないんだと思う自分が混在しています。

お忙しい先生に最後まで図々しくすがり付いてしまい申し訳ありませんでした。そして冷静を取り戻させて下さった事を心より感謝申し上げます。
ほんとうにありがとうございました。

 

田澤先生から 【回答4】

 こんにちは。田澤です。
 診断が確定するまでには、いろいろと気になる事も多いと思います。
 ご相談する事で「いくらかでも力になれれば」幸いです。

回答

「○リンパ節に上皮細胞が見られるとはどういう事ですか?」
⇒リンパ節には上皮細胞が無いので、「リンパ節を穿刺して上皮細胞が出た場合」には「癌の転移も考慮」されるのです。

 ただ、細胞診で陽性(癌細胞の存在)では無いようなので、単に「上皮細胞の混入(コンタミといいます)」なのだと思います。
 

「横に長いドーナツ型を2相性というのですか?」
⇒2相性は「全体の形状」を表現している訳ではありません。

 2相性はリンパ節の「リンパ門」の構造がしっかりしている状態(正常構造)をいいます。(超音波で認識できます)
 ただ、「横に長いドーナツ型」であれば、「2相性がある」事が多いのです。(リンパ門が破壊されるような状態ではリンパ節は縦に腫大『縦横比の上昇』するのが普通なのです)
 

「脇の腫れた筋の上部に丸い6~7ミリの膨らみ、腕を下ろすと折ったところよりは少し腕側です。問題ないでしょうか?」
⇒腕側であれば、心配するものは殆どありません。

 位置的に想像するに… 
◎副乳(にできた嚢胞や乳腺症)だと思います。





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