乳がんプラザ|乳がんの手術は江戸川病院・東京


[管理番号:2596]
性別:女性
年齢:42歳

田澤先生、乳がんの治療のことを調べているうちに先生のページに出会いました。
文面を拝見してご意見を伺いたくメールいたしました。

現在、再発の可能性ありと診断されており、今後のことをいろいろ調べているのですが、どうしたらよいかわかりません。
ぜひアドバイスをお願いいたします。

(原発のときの病理結果)
ER: 1%未満
PgR: 0%
HER2: 1+
MIB1: 50%
腫瘍径(浸潤部): 1.1×1.5×1.4cm
組織型: 浸潤ガン、硬ガン
切除断端: 切除表面、5mm以内共に-
リンパ管浸潤:ー

(現在までの経緯)
2015/1末に右乳房温存手術(乳房の上部)、2015/3-4 放射線治療30回60グレイ、2015/4-7 EC療法4クール、その後無治療

10月のエコー、1月のエコー、マンモで問題なしでしたが、乳房の固さが気になり、2016/2の診察で切除した右乳房の外側辺りを調べてもらい、複数ある嚢胞の一つ塊の細胞診をしてもらったところ、再発の可能性という診断になりました。
針生検確定診断待ちです。
CTの結果と合わせて治療方針を3末に決めることになっております。

細胞診の結果通りだったとして今後の進め方の選択肢を主治医に確認したところ、以下の通りでした。

1.小さないくつかの塊もあり単発ではないこと、再発の可能性があるため、全摘がよい。

乳頭も残さない方がよい。
再建は同時ではなく、治療後の2次再建がよい。

2.化学療法は5fuなどの経口型の選択肢もある。

以上のことを踏まえ、私が知りたいのは、以下3点です。
ぜひ先生の見解をご指南ください。

?化学療法、放射線もやってこんな短期間で再発したのはなぜなのでしょうか?
?局所再発だった場合の治療の進め方と万が一CTで遠隔転移がわかった場合の治療の進め方を教えてください。

?現在42歳ですが、子供を作る望みを持っており受精卵を凍結保存しております。
いつになれば妊娠をトライできるのでしょうか?

お忙しいところお手数ですが、よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。

温存術後1年での「局所再発(乳房内再発)」疑いということですね
トリプルネガティブの早期乳癌で温存手術後、放射線照射とECをやっているのですね。

「2016/2の診察で切除した右乳房の外側辺りを調べてもらい、複数ある嚢胞の一つ塊の細胞診をしてもらったところ、再発の可能性という診断」「針生検確定診断待ち」
⇒まだ、確定ではないのですね。
 

「1.小さないくつかの塊もあり単発ではないこと、再発の可能性があるため、全摘がよい。」
⇒その通りです。

 「乳房内再発」での大原則は「乳房全摘」です。
 それには、「今度は、術後放射線治療ができない」という事情もあるからです。
 

「乳頭も残さない方がよい。」
⇒同様の理由です。
 

「再建は同時ではなく、治療後の2次再建がよい。」
⇒やはり、「局所再発」したわけですから「暫く(最低1年以上)は、再度局所再発がないか確認」が必要であるため。
 理由としては
 ①再建すると、局所再発を診断しずらくなる
 ②せっかく再建しても、「再度局所再発してしまった場合」には「再建物(自家組織にしろ、シリコンにしろ)を取り除かなくてはならない」ため
 

「2.化学療法は5fuなどの経口型の選択肢もある。」
⇒純粋な局所再発だった場合には「化学療法が必要かが焦点」となりますが(あくまでも中心は「局所治療(手術+放射線)」です)

 化学療法をするとしたら、(術後補助療法でタキサンをしていないのだから)「タキサンを投与すべき」です。
 

「化学療法、放射線もやってこんな短期間で再発したのはなぜなのでしょうか?」
⇒ここからは、「局所再発と仮定」して回答します。

 局所再発の場合には(手術時に見逃されていただけで)「実際は、最初から存在していた」癌細胞が『放射線照射や抗がん剤投与中は、それらの効果によって縮小していたが、(それらの治療が終了したと同時に)息を吹き返して大きくなった』と考えることができます。
 

「局所再発だった場合の治療の進め方」
⇒とにかく局所療法「手術」です。

 その上で「抗ガン剤が必要かどうか」となります。
 
 ○私個人としては(術後にタキサンをやっていないわけなので)タキサンをやることを推奨します。(weekly PTX 12回など)
 

「万が一CTで遠隔転移がわかった場合の治療の進め方を教えてください。」
⇒この場合にも、まずは局所療法(手術)です。

 その後「抗ガン剤は必須」となります。(この場合は、なおのことタキサンです)
 (CTで写っている)病変を評価しながら、他の抗ガン剤の使用も候補に挙がります。
 

「現在42歳ですが、子供を作る望みを持っており受精卵を凍結保存しております。いつになれば妊娠をトライできるのでしょうか?」
⇒抗ガン剤が終了したら「妊娠がトライ」できます。

 
○「術後1年である」ことや、もともと「早期だった」事からは「遠隔転移再発」の可能性はかなり低いと思います。
 局所再発であれば、十分な「根治性」があるので、頑張りましょう。

 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、ご回答ありがとうございます。

頂いたご回答内容につきまして再度質問させてください。

(局所再発だけの場合の治療選択肢)
1.全摘手術→タキサン系化学療法→1年後再建
2.全摘手術→経口型化学療法(5fuなど)→1年後再建
3.全摘手術のみ→1年後再建

・1から3のいずれかの選択の内で先生は1を勧められますか?
その場合、weeklyのレジメが最適なのでしょうか?おすすめのレジメを教えてください。

・経口の化学療法の場合、服用期間はどのくらいになるのでしょうか?
・経口のデメリットを教えて頂けないでしょうか?
・再建はインプラントでも可能でしょうか?
すでに温存+放射線治療をしております。
その場合自家組織による再建になるようなことが書かれています。

・再建は乳がんの手術をした病院の方がよいのでしょうか?

お手数ですが、よろしくお願い申し上げます。

 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。

「・1から3のいずれかの選択の内で先生は1を勧められますか?」
⇒その通り1です。
 

「その場合、weeklyのレジメが最適なのでしょうか?おすすめのレジメを教えてください。」
⇒weekly PTXです。

 現在PTXをtriweeklyで行う事はありません。
 

「・経口の化学療法の場合、服用期間はどのくらいになるのでしょうか?」
⇒1年か2年です。
 

「・経口のデメリットを教えて頂けないでしょうか?」
⇒効果に対するエビデンスが少ないことです。
 
                      
「・再建はインプラントでも可能でしょうか?」
⇒可能です。
 皮膚の伸びについては「形成外科医の見解」次第です。
 

「再建は乳がんの手術をした病院の方がよいのでしょうか?」
⇒特に制限ありません。

 
 

 

質問者様から 【質問3】

[管理番号:2596]
田澤先生、針生検、CT検査の結果をご報告します。

??針生検結果:前回と同様、硬癌、ER<1%、PgR<1%、HER2+、Ki67
50%
HER2が1+→2+になっているが、FISHの遺伝子増幅があるから、前回同じと考えてよいとのこと。

トリプルネガティヴの再発でした。
1箇所ではなく、複数箇所にしこりがある状態です。

??CT検査:他への転移は見受けられない。

上記内容を踏まえて、主治医の治療法提案は以下の通りです。

1.エリブリン+TS-1 ※臨床試験
→この場合は手術の前に全身治療を行い、薬の効果を確認しながら治療を進めることになります。

2.タキサン系
例えば、GT。
アブラキサンを加えることも可能。

転移はないが、前回の治療からの再発までの期間が短く癌の成長が早いため、手術をすぐにする選択肢はあるけれど、抗がん剤治療をやって薬の効果を確認するほうがよいとのことです。

来週までに治療法を決めることになっていますが、正直どの治療法がよいのかわかりません。

田澤先生でしたら、私のような状況に対してどのような治療法の提案をされますでしょうか?お忙しいところ恐縮ですが、アドバイスをよろしくお願いします。

素人の疑問なのですが、抗がん剤はパッチテストのように、どの薬が効くのか沢山の種類を少量試してから治療をするようなことはできないのでしょうか?薬事法など法的な制約があるのかなとか考えたりしますが。
すみません、これは今の自分の状況からふと思ったことです。

 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。

「CTで異常なし」
想像通りです。
とても良かったです。

ただ「担当医の見解」には全く反対です。
正直言わせてもらえば「局所再発」と「遠隔転移再発」の区別がついていないようです。
 

これは所謂「遠隔転移再発治療」ではありません。

「転移はないが、前回の治療からの再発までの期間が短く癌の成長が早い」
⇒そもそも「間違い」です。

 局所再発は「そもそも、そこに有ったがん細胞の取り残し」なのです。
  

「手術をすぐにする選択肢はあるけれど、抗がん剤治療をやって薬の効果を確認するほうがよい」
⇒間違いです。

 「遠隔転移再発」ならば、そのような方針でもいいのですが、あくまでも「局所再発」
 とにかく「局所治療が優先」です。

○考え方としては「初回手術のやり直し」
 そして術後療法も(初回治療でタキサンをやっていないので)「そのやり残しをする」という考え方で十分です。

 「効果の有る抗がん剤を探る」みたいな考え方は「誤り」です。とのことです。
 

「来週までに治療法を決めることになっていますが、正直どの治療法がよいのかわかりません。」
⇒私は「術前化学療法」は全く不適当と思います。
 

「田澤先生でしたら、私のような状況に対してどのような治療法の提案をされますでしょうか?」
⇒上記コメント通りです。
 

「抗がん剤はパッチテストのように、どの薬が効くのか沢山の種類を少量試してから治療をするようなことはできないのでしょうか?」
⇒できません。

 「現にある腫瘍に対しての効果を見る」ことと、「今後、再発予防の効果がどれだけあるか?」は全く別問題なのです。
 「抗ガン剤の効果を試すなど」全く無意味です。

 
 

 

質問者様から 【質問4】

田澤先生、いつも丁寧なご回答ありがとうございます。

先日ご相談した内容につきましてさらに質問させてください。

今回の主治医の提案のエリブリン+ts-1の臨床試験を受けることにした場合、全摘+タキサン系化学療法と比較してどのようなリスクがありますでしょうか?

ご意見が異なる事を承知の上で敢えて質問をさせて頂きますことをご了承ください。
何卒よろしくお願いします。

 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。

ここでは前回の回答を利用させてもらいます。

私は「担当医の見解」には全く反対です。
正直言わせてもらえば「局所再発」と「遠隔転移再発」の区別がついていないようです。

これは所謂「遠隔転移再発治療」ではありません。

「転移はないが、前回の治療からの再発までの期間が短く癌の成長が早い」
⇒そもそも「間違い」です。

 局所再発は「そもそも、そこに有ったがん細胞の取り残し」なのです。
   

「手術をすぐにする選択肢はあるけれど、抗がん剤治療をやって薬の効果を確認するほうがよい」
⇒間違いです。

 「遠隔転移再発」ならば、そのような方針でもいいのですが、あくまでも「局所再発」
 とにかく「局所治療が優先」です。

○考え方としては「初回手術のやり直し」
 そして術後療法も(初回治療でタキサンをやっていないので)「そのやり残しをする」という考え方で十分です。

 「効果の有る抗がん剤を探る」みたいな考え方は「誤り」です。とのことです。
 

「今回の主治医の提案のエリブリン+ts-1の臨床試験を受けることにした場合、全摘+タキサン系化学療法と比較してどのようなリスクがありますでしょうか?」
⇒担当医は全く、「その臨床試験の意義」を理解していないようです。

 その臨床試験は(HER2陰性)「進行再発乳癌を対象」としたものです。
 基本的に「進行再発乳癌」とは「根治ができない」ことを前提としています。
 これに対して「局所再発は、根治ができる」のです。 
 
(進行再発乳癌にしか適応がない薬剤である)エリブリンやTS-1を用いることと、
(術前術後の補助療法に適応がある)タキサンを同等に扱う事はできません。

 
 

 

質問者様から 【質問5】

4月に田澤先生にメールにて質問させていただきました。
原発の右胸温存手術から1年での局所再発をして治療を行っています。
4-6月の3ヶ月間、エリブリン+TS-1の臨床試験を3クール(結果は変化なし)、7-8月の2ヶ月間、weeklyPTX(結果は変化なし)、9-10月の2ヶ月間、アバスチン
+weeklyPTXをして、来週10月下旬にCT検査をして評価をしましたが、
結局SDで、11月上旬に全摘の手術をしました。
病院は○○医科大学病院です。
前回の田澤先生からのメールのご返信を受け、大学病院の治療に疑問もあり悩みましたが、今の病院にて治療をしました。
田澤先生とは全く治療方針が異なるのは承知の上で、再び質問させてください。

1.今後の治療について
11月下旬には病理の結果が出て、今後の治療をどうするか決めるとのことなので、現段階では仮定になるかもしれませんが、田澤先生でしたら手術後どのようにご対応されますでしょうか?
主治医は手術前の診察時に再発防止のため経口タイプの抗ガン剤(ゼロータなど)を例に挙げていました。
半年くらいは抗ガン剤治療を継続した方がよいと。
無治療の選択肢もありとのことです。

2.再建について
癌の位置が乳首に近いところにあり、そして皮膚にも接近しているため、乳輪と乳首、皮膚もある程度切除し、横斜めに12-13cmくらいの手術痕があります。

早く再建したい気持ちですが、再発しないことを確認するため1年くらい期間をおいた方がよいということで、同時再建できませんでした。
今後必ず再建をするつもりでおりますが、原発の治療で放射線を当てている場合、インプラントでの再建について気をつけることがありましたら教えてください。
今の病院の形成外科医の方は自家組織再建の経験が豊富のようで、別の病院を自分で見つけた方がよい可能性があります。

また、インプラントと自家組織の切開移植による再建以外に、まだ保険非適用で自費治療ですが、幹細胞によるCALという方法があることを調べて知りました。
この方法で再建を選択された先生の患者さんはいらっしゃいますか?
再建方法はどの方法が良いのか、どういうポイントで選択すれば良いのか、参考にさせていただきたいので教えてください。

以上よろしくお願いいたします。

 

田澤先生から 【回答5】

こんにちは。田澤です。

本当に、「その大学病院」で術前化学療法を行ったのですね?

「ただの局所再発」に(局所療法をないがしろにして)「効くか解らない全身療法を
先行させる」ことには「物事はシンプルに、論理的に考えなくては過ちの素」といういい教訓となります。
○明らかな「局所再発」を「全身の再発転移との区別もできず」に治療を行っていることには「あきれを通り越して危うさ」を感じます。
 質問者に失礼にあたるなら申し訳ありません。

 ただ、このQandAを熱心に見ていただいている閲覧者に「誤った道」を歩んでほしくないため敢えてご指摘させてもらいます。

「田澤先生でしたら手術後どのようにご対応されますでしょうか?主治医は手術前の診察時に再発防止のため経口タイプの抗ガン剤(ゼロータなど)を例に挙げていました。」
⇒正直な話、私がその大学病院の医師の「変な治療」にコメントする事自体ナンセンスですが…

 物事はシンプルに考えてください。(そろそろ質問者も、担当医に流されずに)

 あくまでも「手術時の取り残し」が局所再発しただけです。
 結果的に「手術で全摘」でいいのです。
 ただし、(本来手術時に、トリプルネガティブであれば行うべき)タキサンをしていなかったから「この機会にタキサンを行う」それだけです。 全くシンプルな話です。(その意味では「術前化学療法としてPTXを行っているので、もう十分」でしょう)

 純粋な局所再発に「エリブリンだのアバスチンだのを用いる」とは誠に滑稽に思います。(質問者に失礼に当るとしたら申し訳ありありませんが、コメントせざるを得ません)

「幹細胞によるCALという方法があることを調べて知りました。この方法で再建を選択された先生の患者さんはいらっしゃいますか?」
⇒一般的ではありませんし、いい方法とは思いません。

 当院にはいらっしゃいません。

 
 

 

質問者様から 【質問6】

田澤先生
ご返信ありがとうございます。

手術後の病理結果をこれから聞くのですが、
病理結果で、もしリンパ転移の有だった場合でも、無治療で良いのでしょうか?
前回のアドバイスにより、無であれば無治療にしたいと思っています。

 

田澤先生から 【回答6】

こんにちは。田澤です。

申し訳ありませんが、あまりにも私の考え方とは違う治療に対するコメントは、今回で終了とさせてください。

今回申し上げられるポイントは
1.局所再発は局所療法(この場合には乳房全摘)
2.全身療法は基本的に不要だが、(初回治療でトリプルネガティブなのにタキサンをしていなかったから)タキサンを(この機会に)行う

「病理結果で、もしリンパ転移の有だった場合でも、無治療で良いのでしょうか?」
⇒術前にタキサンをしているのであれば、(結果として)不要です。

 以上です。
 今後は「物事をシンプルに考える」ことをお勧めします。
 物事を複雑にしてしまうと「大事なことがポッカリ失われてしまう」ことになり兼ねないのです。





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