Site Overlay

乳がんの可能性について

[管理番号:3129]
性別:女性
年齢:32歳
田澤先生
はじめまして。
質問の受付が再開され、大変有り難いです。
私は32歳で、3歳の子どもが一人います。
ちょうど2年前に授乳を終えています。
下記経緯で、乳がんかどうか、とても気になっています。
4月下旬 レディースクリニックで市の検診を受けました。
両胸から分泌があり血液検査をしましたが、プロラクチン正常値とのことでした。
分泌物は、乳頭を摘まんだら少し滲む程度で、自分では授乳の残りのように思っており気にしていませんでした。
恐らく多孔性です。
(陥没乳頭まではいかないのですが、特に右の乳首が短い・小さいと授乳時言われました。
分泌物は今は出ず、時々でていたんだと思います。)
検診は超音波のみだったのですが、
ただこの超音波がスルスルーっと3分くらい?であっという間に終わり、片胸の途中で「しこりはなさそうですね」と言われ、とても疑問に思いました。
最終的に綺麗な乳腺をしていると言われました。
ここの検査だけでは安心できないなと思い、このあと産院の乳腺外科を受診しました。
5月下旬 産院の乳腺外科受診
超音波で、右胸乳頭のすぐ左(乳輪下)に腫瘤があり、中がキラキラしているからマンモをしましょうと言われ、マンモをしました。
結果、何も写っていない?というか、乳頭と重なっていてわからないのか、3ヶ月後の経過観察となりました。
マンモを見ながら先生がもしかしたらこの辺…(白くなっているような気も)と言われていました。
超音波はとても丁寧に見ていただいたのですが、週に1回だけ割りと大きな病院の乳腺外科部長さんが来られて診察されているので、今思えば針生検とかはここでできないんだなと思いました。
超音波を見せてもらったのですが、黒い腫瘤の中に3つ4つ(はっきり覚えていないのですが)白いキラキラしたものがありました。
インターネットで出てくる石灰化の画像(細かい点々)よりも、一つ一つが大きくキラキラという言葉が本当に合います。
はじめは3ヶ月後に受診するつもりだったのですが、その後 明らかにしこりに触れるようになり(これまで触り方が悪く気付かなかっただけか?
寝転んでいるとわかりにくいが、立ったり座ったりするとしこりが解りやすく大きく感じる)、
なんとなく痛みがあり大きくなった気もして、かかりつけ医に相談したところ、常勤の先生がいるところに行った方がいいと言われ紹介状を書いてもらいました。
先日、産院でとったマンモと超音波のコピーを持って、病院を受診しました。
大学病院ではないのですが、大きい病院(○○病院)です…
触診で 乳汁が溜まってるような感じもするけど、もちろん検査してみないとわからないと。
その日はマンモをとり、(下旬)日に超音波と必要であれば細胞診や針生検。
(下旬)日に結果説明の予定です。
しこり自体は、今はほぼ痛みはなく、なんとなくですが縦長のような気がしています…。
えくぼ現象のように凹むことはないような気がしますが、乳頭のすぐ横なのでわからないのかもしれません。
ここからが質問なのですが、
しこりを上から押すと逃げるように動くと良性の可能性があると見たのですが、この場合しこりの真上から押すのでしょうか?
私のしこりは真上からだと全く動く感じはなく、当たり前なのかもしれませんがしこりの一番上や下から押すと動きます。
根をはっているかというのも自分のしこりではよくわからないのですが、動かない=根をはっているということになるのでしょうか?
実際の超音波画像を見られていないので難しいとは思うのですが、腫瘤の中にキラキラしているものがあっても、良性の腫瘍の場合もあるのでしょうか?
どうしてもキラキラが気になって良性のイメージが持てません。
以前の質問【管理番号2432】「短期間で状況がかわりました。 乳ガンでしょうか?」の方も同じように、腫瘤の中にキラキラがありと書かれていて、先生が腫瘤の中で出血をしているのかもしれません と書かれていたように思うのですが、腫瘤の中で出血をしているということは、そもそも悪性なのでしょうか?
思い出せば4月下旬頃に、なんとなく右乳頭下と左乳頭下が違うような気がしたのですが(右の方になにかあるような感じがする)、寝転がって触っていて そんなに気にならなかったので、すっかり忘れていました。
この時からしこりとして触れていたとすると、それから今で2ヶ月、手術は1ヶ月半待ちとHPに書いていたので、もう初期ではないのではないかと不安になります。
先生はどのように思われますか?
超音波ガイド下太針組織診が、針生検のことになるのでしょうか?
もし(下旬)日の超音波検査の時に、細胞診をしますと言われたら、自ら針生検をしてくださいと言えばいいのでしょうか?
またその場合、針生検だけで、組織診はしなくてもいいのでしょうか?
自分の中ではどうしても乳がんの可能性が高いのではないかと思ってしまいます…
診断結果を聞く(下旬)日まであと9日となったのですが、先生ならどのように過ごせばいいと思われますか?
かかりつけ医に、あまり調べたり考えたりせず、楽しく過ごした方がいいと言われ、今はなるべく 先生のHP以外には乳がんのことは見ないようにしています。
ただ、結果乳がんだった時のことを想定して、もっと本等も読んでおくべきか迷っています。
私は大阪在住です。
インターネットで先生のことを知り、先生に手術をしてもらえたら…と思ってしまうのですが、大変素晴らしい先生でさえ人気があるのに、このタイミング(芸能人の方の件)だとますます混みあっていますよね!?
遠方から入院、手術となるとやはりその後の経過観察など難しいのでしょうか?
そもそも3歳の子がいるのに、遠方で手術入院というのはやはり無理がありますよね?
今かかっている病院は、自転車で10分の距離なんです。
長文、乱文失礼しました。
お忙しいなか恐れ入りますが、ご回答いただけると幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「両胸から分泌があり血液検査をしましたが、プロラクチン正常値」
⇒両胸の分泌は気にしない様にしましょう。
 
「黒い腫瘤の中に3つ4つ(はっきり覚えていないのですが)白いキラキラしたもの」
「その後 明らかにしこりに触れる」
⇒経過観察ではなく、「必ず、確定診断」してもらうようにしましょう。
 
「しこりを上から押すと逃げるように動くと良性の可能性があると見た」
⇒参考程度にすぎません。
 「悪性」でも最初は「普通に動き」ます。
 
「しこりの一番上や下から押すと動きます。 根をはっているかというのも自分のしこりではよくわからないのですが、動かない=根をはっているということになるのでしょうか?」
⇒表現としては判断が難しいです。
 実際は、腫瘍を「横へ動かして」みて「抵抗があるか?ないか?」を見て「抵抗がある=根を張っている」と表現します。
 
「実際の超音波画像を見られていないので難しいとは思うのですが、腫瘤の中にキラキラしているものがあっても、良性の腫瘍の場合もあるのでしょうか?」
⇒石灰化はあくまでもマンモグラフィーの所見なので、「最初のクリニックでのマンモで所見が無かった」とすると「石灰化では無さそう」です。
 逆に言えば「マンモで解らない(石灰化ではない)キラキラ」は「流動性」を想像しますが…(こればっかりは実際に画像をみないと想像困難です)
 
「腫瘤の中で出血をしているということは、そもそも悪性なのでしょうか?」
⇒そんなことはありません。
 炎症でも出血します。
 
「超音波ガイド下太針組織診が、針生検のことになるのでしょうか?」
⇒太針生検=針生検のことです。
 
「もし(下旬)日の超音波検査の時に、細胞診をしますと言われたら、自ら針生検をしてくださいと言えばいいのでしょうか?」
⇒もしも嚢胞内腫瘍でなければ「針生検の方がいい」と思います。
 
「またその場合、針生検だけで、組織診はしなくてもいいのでしょうか?」
⇒針生検は「組織診」の一種です。
 丁度、『今週のコラム 33回目 乳腺外科特有の「美点」である、「最初(診断)~最後(術後の経過観察)まで一貫して一人の主治医が担当」するという伝統が崩れ去ろうとしている』の中で「組織診を分類」しているので、是非ご一読を。
 
「診断結果を聞く(下旬)日まであと9日となったのですが、先生ならどのように過ごせばいいと思われますか?かかりつけ医に、あまり調べたり考えたりせず、楽しく過ごした方がいいと言われ、今はなるべく 先生のHP以外には乳がんのことは見ない」
⇒その方が賢明です。
 
「結果乳がんだった時のことを想定して、もっと本等も読んでおくべきか迷っています。」
⇒全く不要です。
 
「そもそも3歳の子がいるのに、遠方で手術入院というのはやはり無理がありますよね?」
⇒無理とは思いませんが…
 重要な事は「間違いの無い診療」が行われることです。
 何事よりも「体の方が大事」だと思います。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

田澤先生、こんにちは。
先日、腫瘤の中に白いキラキラがあり、乳がん可能性で検査待ちをしていた者です。
ご回答いただき有難うございました。
その後、エコーを受け針生検(細い針)を5回バチンとしました。
その際、エコー画像が1ヶ月前の他院のものと素人目にもだいぶ変化しており(形が歪、キラキラではなく白いモヤモヤが多い)、よく乳がんの画像で見るものに似ていました。
また、一つと思っていた腫瘍が二つになっていました。
脇にも一箇所腫れているところがありました(一応先生には風邪とかでも腫れるからとは言われました)。
先生に「良性の可能性はあるか」聞くと、「画像を見る限りでは悪性の可能性が高い」と言われました。
検査後、二つ目のしこりも触れるようになり、1ヶ月でこんなに進むなんて、かなり進行が速いのか…とショックをうけ、ひどいときには年内も厳しいかもとまで思ってしまいました。
今日検査結果を聞きにいったのですが、「悪性は出なかった」と。
ただ、エコー画像上 形が歪、血流が多い、硬い、血管を引き込む感じがする? とのことで、悪性度が高い。
マンモトーム生検、胸・脇・鎖骨のMRIをとり7月中旬に結果説明(確定診断)となりました。
しこりの大きさは、8㎜と6㎜でほぼ連なっているようなかたちで、同じ乳管の可能性が高いとのこと。
良性であれば、肉芽腫・炎症
1ヶ月前に他院で受けたエコー画像とは、技師が違うのと機器メーカーが違うので正確にどれほど変わっているかはわかならいが、
すこーし変わっているかなぁということでした。
以下、質問させていただきます。
①このようなエコー画像でも良性のしこりである可能性はあるのでしょうか?
 その場合でも可能性はかなり低いですよね?
②しこりが二つあっても8㎜と6㎜であればまだ初期と考えていても大丈夫でしょうか?
 脇のリンパは心配ですが、先生のコラムも読ませていただき
遠隔転移の可能性はかなり低いと考えていて大丈夫でしょうか?
 脇のリンパを指摘された後、右首のリンパが1箇所痛むところがあり心配になりましたが、気にしすぎですよね?
③しこりは手で触るともっと大きい気がするのですが、手で触るより実際のものの方が小さくなるものでしょうか?
④悪性の場合、しこりが触れるということは、もう浸潤しているということでしょうか?
 「嚢胞内腫瘤ではない」と言われました。
 わたしの場合、非浸潤癌の可能性はないですよね?
異様に進行が速いものではないと言われ、かなり安心はしました。
結果を聞くまでは、手術できる状態であることを願っていたのですが、
良性の可能性も少しはあるのかと思うと、やはりその可能性を広げたくなってしまいました。
悪性であっても、3歳の子どもがせめて18歳になるまで、あと15年はなんとか頑張りたいと
前向きに治療を受けようと思っています。
お忙しい中恐縮ですが、ご回答よろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
『診断能力の欠如』
「バネ式」で診断がつかずに「マンモトーム生検」をするのですね?
困ったものです。
「組織診の精度は100%」でなくてはなりません。(「バネ式で診断がつかなかったから、今度はマンモトームね」など言語道断です)
「今週のコラム33回目 乳腺外科特有の「美点」である、「最初(診断)~最後(術後の経過観察)まで一貫して一人の主治医が担当」するという伝統が崩れ去ろうとしている」で記載したように
 ★重要なことは
  ①100%確実に「思った通りの組織採取」ができる精度を身につけること
  ②対象病変に対して適切な選択をすること
 今回は①もしくは②に問題があるのです。
  もしも「バネ式では診断がつかないような不均一な腫瘤」だとしたら、最初から「マンモトーム生検を選択すべきだった」わけです。
「検査後、二つ目のしこりも触れるようになり、1ヶ月でこんなに進むなんて、かなり進行が速いのか…とショックをうけ、ひどいときには年内も厳しいかもとまで思ってしまいました。」
⇒本気で、「そんな乳癌がある」と思っていたのですか???
 全くもって「とんでもない想像」です。
 
「マンモトーム生検、胸・脇・鎖骨のMRI」
⇒MRI????
 この医師は「何を考えているのでしょうか?」
 何か特殊な病気でも考えているのですか???(きちんと組織を採取すれば解る筈です。MRIなど無駄極まりない)
 
「良性であれば、肉芽腫・炎症」
⇒ここに今回は注目しました。
 もしかして「肉芽腫性乳腺炎」かもしれませんね。
 
◎肉芽腫性乳腺炎だと仮定したら…
  バネ式針生検で「悪性が出なかった」とありますが、レポート貰っていますか?
  もし貰っていれば「炎症性の細胞浸潤」「組織球増生(肉芽腫成分)」「類上皮細胞肉芽腫」「多核巨細胞」などの文字は無いですか?(それらがあれば、十分に肉芽腫性乳腺炎の可能性があります)
  私がしばしば、「今週のコラム」でコメントしているように「肉芽腫性乳腺炎を知らない乳腺外科医はとんでもなく多い(嘆かわしいことですが)」し、「肉芽腫性乳腺炎の画像は(慣れると違いが解るのですが)癌と間違われるケースが多い」のです。
  ここで「私が危惧する」のは、(もしも)最終的に「肉芽腫性乳腺炎」という診断(さすがに、マンモトームで外すことはないでしょう?)となった場合に「正しい治療がなされるか?」ということです。
「①このようなエコー画像でも良性のしこりである可能性はあるのでしょうか? その場合でも可能性はかなり低いですよね?」
⇒可能性はありそうです。
 普通に考えれば「悪性であれば、バネ式針生検でも診断がつく」わけです。
 その意味では「悪性では無い可能性がある」ことは間違いありません。
 ただ問題は、担当医の「針生検の精度」が私には解らないことです。(MRIなどオーダーするようでは、少々怪しい気がします)
 もう一点は「上記でコメント」したように「肉芽腫性乳腺炎」です。
 これは「おおかたの医師は画像診断で乳癌を疑ってしまう」所見なのです。
 今では「肉芽腫性乳腺炎」の患者さんが、私のもとに随分集まるようになってきた(今では10名位いらっしゃいますが、間違いなく日本一と断言します。しかもダントツ)ので「前医での経過」を見る機会が多いのですが…
 一言で言うと「ひどい」ものです。
 ほとんど「癌と決めつけて診断を開始」
 「癌で無い」とようやく解ると、今度は一転して「癌以外は治療しない」と患者さんを追い払う「癌」と名のつく大病院(癌○とか癌○ンタ―)
 もしくは「肉芽腫性乳腺炎」と病理診断されても(その意味が解らず)「おかしいなー膿が出ないなーと、孔をボコボコ開ける医師」
 とても見ていられません。
 
「②しこりが二つあっても8㎜と6㎜であればまだ初期と考えていても大丈夫でしょうか?」
⇒当然です。
 
「脇のリンパは心配ですが、先生のコラムも読ませていただき 遠隔転移の可能性はかなり低いと考えていて大丈夫でしょうか?」
⇒1000%ありえません。
 乳癌の診療をしてきたものとして断言できます。
 
「 脇のリンパを指摘された後、右首のリンパが1箇所痛むところがあり心配になりましたが、気にしすぎですよね?」
⇒1000%あり得ません。
 そもそも転移性リンパ節は痛みません。
 
「③しこりは手で触るともっと大きい気がするのですが、手で触るより 実際のものの方が小さくなるものでしょうか?」
⇒皮膚の上から(皮膚ごと)触っているのだから当然です。
 例えるなら「厚い手袋」をして触っているようなものです。
 
「④悪性の場合、しこりが触れるということは、もう浸潤しているということでしょうか?」
⇒「しこりが触れる」ことと「浸潤の有無は無関係」です。
 
「わたしの場合、非浸潤癌の可能性はないですよね?」
⇒わかりません。(非浸潤癌を否定する根拠が全くありません)
 
「異様に進行が速いものではないと言われ、かなり安心はしました。」
⇒そもそも…
 「そんな乳癌」はありません。
◎診断に問題があるようです。
 一度、「針生検のレポートを手に入れる」必要がありそうです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

以前に右胸の腫瘤で質問させていただいたものです。
(管理番号:3129)
田澤先生から、肉芽腫性乳腺炎の可能性もあると教えていただき、実際に、マンモトーム、リンパ節細胞診を行い 炎症によるものという結果がでました。
これは、肉芽腫性乳腺炎ということでしょうか?
以下、病理結果を転記いたします。
◆CNB(6月下旬)
Granulative inflammation
◆乳房MRI(6月下旬)
右乳房AB領域の皮下~乳房深部に区域性に広がる領域に造影効果あり。
悪性併存の可能性も完全には否定できないが、良性よりの造影
patternであり病理学的精査に判断を譲る。
AxLN+。
◆MMT(7月上旬)
Granulomatous lobular mastitis.
No malignant finding
小葉・導管の基本構造は堅持されているが、前者を主に小円形細胞浸潤を見、線維化により改変もまじえます。
後者にも炎症は波及し、その増生や狭窄・閉塞あるいは拡張と多彩な形状を呈しています。
これらの周囲には比較的高度の線維増生や血管の増生を認め、慢性変化を推測させます。
他方で小葉中心生でductsを巻き込むようなpatternで好中球集簇の目立つabscesses形成ならびに異物反応や類上皮細胞の出現を伴う肉芽腫形成を認め肉芽腫中にlipid vacuolesもまじえます。
しかし脂肪織を主体とする炎症は乏しいと判断されます。
乳房扁平上皮化
生、壊死性血管炎、結核性炎、悪性リンパ腫、炎症性偽腫瘍や
Sarcoidosisなどを積極的に示唆する所見は乏しい。
念のため免疫染
色とも併せて検討しましたが、carcinomaを疑う像は明かではありません。
◆腋窩リンパ節腫大(右)細胞診
No malignancy
以上から、乳房内腫瘤および腋窩リンパ節は炎症性変化によるものと考えられます。
主治医によると、マンモトームで腫瘤(8㎜と6㎜)の7~8割を採取できたので、悪性でないというのは確定診断で間違いない。
MRIで脇のリンパに3つゴロゴロしているのがあり、一番大きいので2cmあった。
念のため細胞診をしたがこちらも悪性所見はでなかった。
特に治療は必要ない。
3ヶ月後に経過観察でエコー実施。
ここで腫瘤が消滅しているか、小さくなっていれば経過観察終了。
とのこと。
主治医より「肉芽腫」という言葉がでなかったので、「肉芽腫性乳腺炎ですか?」と尋ねたところ、
「肉芽腫性乳腺炎という言葉はない。
言うとすれば、肉芽腫性ハンコン。
肉芽腫の近くで炎症しているということ。ほっておいていい。」
と言われました。
私は、田澤先生のHPで「肉芽腫」で検索し、コラムやQ&A全てを拝読していたので、これ以上この主治医に聞くことはやめました。
マンモトームをしてから2ヶ月弱経つのですが、その時の腫れはひき、
触れていたしこり自体はマンモトームにより小さくなっているのはわかりますが、これ以上小さくなるようには思えません。
また、昨日 針生検の傷跡のすぐ横(元々あるしこり側)が少し赤くなっており、触るとしこりのように少しぷっくり膨らんでいることに気付きました。
虫刺されではないように思います。
これもその炎症によるものなのか気になっています。
後々に少し離れたところにできることもありますか?
ちょうど生理が始まった時だったんですが、特に関係はないでしょうか?
ちなみにこれまでも、しこりの上が少しだけ赤くなることはありましたが、数日で赤みは消えています。
このままでは乳頭付近にずっとしこり(マンモトームした腫瘤)があるので、他のしこりが出来たときにわかりづらいし、また炎症のせいかなと容易に考えてしまいそうです。
今週のコラム39回目
「1つの病院で肉芽腫性乳腺炎の患者さんが10名を超えているなんて、日本中どこを探してもあり得ないことです。」
で、田澤先生の患者様で2名の方は 肉芽が小さく炎症も軽微だから経過観察されているとあったので、私も軽微な方に入るのかなと勝手に考えています。
遠方になるのですが、このままでは不安なため、田澤先生に一度診ていただきたいと思っております。
私の場合、急を要するものではないでしょうか?
また診察は市川になるのでしょうか?
何曜日など決まっているのでしょうか?
あと、マンモトームはもうしなくても大丈夫でしょうか?
こちらでマンモトームをした時のことがかなりトラウマになっています。
医師2人でされ、田澤先生のされる手技とは全く違うものだとはわかっているのですが…
病院からの紹介状、これまでのデータがなくても大丈夫でしょうか?
ステロイド処方や経過観察にしても、遠方の方はどれくれいの頻度で診察を受けられているのでしょうか?
最後に、二人目の妊娠をほんの少し考えています。
やはり、この炎症がなくなってからでないといけないですよね?
長文で複数の質問になり申し訳ございません。
田澤先生だけが今の私の信頼できる先生です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
肉芽腫性乳腺炎 確定です。
それにしても、その担当医は「肉芽腫性乳腺炎という言葉はない。言うとすれば、肉芽腫性ハンコン。」などとコメントしていますが、きっと医局に戻った際にでも(ネットか何かで調べて)「顔を真っ赤にしている」ことでしょう。
○肉芽腫性乳腺炎の存在さえも知らない乳腺外科医が多いことは、(比較的珍しい疾患だとはいえ)患者さんにとっては災難と言えます。
 ちなみに、乳癌学会などで何度もポスター発表されているのを見かけてはいるのですが…
「マンモトームをしてから2ヶ月弱経つのですが、その時の腫れはひき触れていたしこり自体はマンモトームにより小さくなっているのはわかりますが、これ以上小さくなるようには思えません。」
⇒肉芽は(一過性の通常の炎症とは異なり)慢性炎症なのです。
 そのままにしておくと「炎症が再燃したり、(それに伴い)肉芽が増大」することも十分にあります。
「これもその炎症によるものなのか気になっています。後々に少し離れたところにできることもありますか?」
⇒十分にありえます。
 肉芽は「炎症期」にはかなり大きくなりますが、幾らか治まった時期には、もとの範囲に点在していることも良くあります。(炎症期には、それらが繋がりながら大きくなります)
 私が診ている中では(乳頭を超えて)反対側まで連続していることも多いです。
「ちょうど生理が始まった時だったんですが、特に関係はないでしょうか?」
⇒ありません。
「私も軽微な方に入るのかなと勝手に考えています。」
⇒その通りです。
 今週のコラム42-43は当然見てますよね?
今週のコラム 42回目 肉芽腫性乳腺炎(前医での診療~当院初診まで)
今週のコラム 43回目 肉芽腫性乳腺炎(続き、治癒へ) 結構、「痛みと皮膚からの炎症性分泌で苦しむ」人も多いです。
「私の場合、急を要するものではないでしょうか?」
⇒(症状が軽微ですから)その通りです。
「また診察は市川になるのでしょうか?何曜日など決まっているのでしょうか?」
⇒市川でも江戸川でも、どちらでも可能です。
「あと、マンモトームはもうしなくても大丈夫でしょうか?」
⇒病理診断が確定しているから不要です。
「病院からの紹介状、これまでのデータがなくても大丈夫でしょうか?」
⇒病理レポートがあればいいです。
「ステロイド処方や経過観察にしても、遠方の方はどれくれいの頻度で診察を受けられているのでしょうか?」
⇒1カ月(落ち付いてくると)2カ月ですね。
 ステロイド治療無しの経過観察は「半年単位」となります。
「最後に、二人目の妊娠をほんの少し考えています。 やはり、この炎症がなくなってからでないといけないですよね?」
⇒その方がいいとは思います。
 但し、症状が軽微ならば可能だとは思います。