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乳がんの術後、反対の胸にしこり

[管理番号:3448]
性別:女性
年齢:42歳
昨年8月、小葉癌で右側の乳房の全摘手術をしました。
病理検査の結果は下記の通りです。
●病理診断
right breast, mixed invasive lobular and ductal carcinoma,scirrhous,tumor
size:>80mm.mSBR:Grade2(t3.n2.m1)
s, ly(+), v(-), LN(+)(1/13)(sentine1:0/1, level I +II:1/12).
ILC:ER:>95%, PgR:60%, HER2:score1, MIB-1:20%, CK5/6(-), E-
cadherin(-)
IDC:ER95%, PgR:10%, HER2:score1, MIB-30%, CK5/6(-), E-
cadherin(+)
●病理所見
右乳腺全摘、軽度~中等度の異型を示す比較的胞体に乏しい主要細胞が
索状構造、孤在性、小型充実性胞巣状の増殖パターンを示して広範囲に浸潤増殖しています。
腫瘍の最大浸潤径はすくなくとも80cm以上となっています。
ほどんどはinvasive lobular careinomaの像ですが、♯7.9.11.13 においてはう一部に微小乳頭状,小集塊状に浸潤増殖するところが認められます。
免疫染色にてこのような成分はE-cadherinが陽性であり、
invasive lobular careinomaの混在と考えられます。
後者は全体の30%程度と推察され、全体としてはmixedinvasive lobular and auctal
carcinomaと評価されます。
腫瘍は脂肪組織や乳頭部皮膚に浸潤し、表皮直下に及んでいます。
リンパ管浸潤が散見されます。
静脈侵襲は明瞭でありません。
背景乳腺にはfibocystic change adenosiがみられます。
リンパ節に小葉癌の転移を認めます。
転移巣における免疫染色の結果は下記の通りです。
LN:Level I+II(1/12腫大しているLevel Iリンパ節に転移あり)
ER:>95%, PgR:60%, HER2:score1, MIB-1:20%, CK5/6(-), E-
cadherin(-)
術後は、私が乳がん発見当時、結婚する予定があり、年齢的にも出産するならいましかないという思いもあり、抗がん剤、ホルモン治療はやらず、漢方薬等で薬物療法は行っていません。
今年、一年目の検査を先週いたしました。
少し、前から反対乳房の左乳房右横ぐらいに、しこり(小指の先ぐらいの大きさ)を感じました。
検査でもその旨を伝えました。
エコーでみた感じでは、昨年嚢胞だといわれたほぼ同じ位置に、嚢胞が移っているとのことでした。
(大きさは変化がある)昨年も主治医から、左側の胸は嚢胞だから問題ないと言われていました。
エコー担当の医師が看護師の方と話していたのは、(エコーでごく薄く、でも範囲は広め青色のように見えるところが気になる)と話していました。
私が「大丈夫ですか?癌の可能性が高いですか?」と話すと担当医は
「大丈夫だったということを確認するために検査(細胞針だと思われます)で確認したい」というような明確な回答を避ける感じでした。
次回(2週間後)主治医の診察をまって必要であれば、細胞針しましょうという回答でしたが、その待っている時間がもったいないと感じ、私が希望し、当日細胞針を行いました。
その際、「良性のしこりだと、まわりの組織にしっかりくっついているのでがんばってね」と注射器のはりを上下に動かしているような感覚でした。
(直視できなかったので、胸で感じるイメージ)
「5回ポンプして」と看護師さんに補助をしてもらっている様子でした。
主治医とエコー検査の医師がことなるので、その場でのコメントはとくになく、最終的な判断は来週になります。
マーモグラフィー、CT、レントゲン、血液検査もしました。
昨年より5キロほど痩せていることもあるかもしれませんが、昨年とマーモグラフィーの乳腺の移り具合も昨年とは結構変わっているといわれました。
そこで質問です。
1.このような場合乳がんの再発の可能性が高いのでしょうか?
昨年からあったので、癌の見落としになるのでしょうか?
(化学療法をお断りしたせいか、この1年間血液検査だけでエコー検査などは一切行っていただけませんでした。
血液検査ではとりわけ問題なみつかりませんでした。)
2.ネットなどでみるとエコーで青く広く移るのは、良性腫瘍、濃く丸く腫瘍の形がわかるように移るのが癌といったようなものもみかけるのですが、どうなのでしょうか?
3.マーモグラフィー乳腺は5キロ痩せただけでもかなり変わるのでしょうか?
4.再発の場合、先生でしたらどのような治療法をすすめますか?
お手数ですが、ご回答いただければ幸いです。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
私が、まず感じたのは(非常に重要なのですが)皆さんの「誤った認識」です。
強調したいのは
 『右乳癌が左胸に転移するなど1000%ありえない』ということです。
 何がいいたいかというと、左の所見は(それが何であろうと)右とは絶対に無関係なのです。(担当医には、その認識に欠けているかもしれませんが…)
 つまり、(もしも癌なら)「全く新しくでた癌(転移や再発では1000%ない)」という認識は実は非常に重要なのですが、皆さんが誤解していることでもあります(もしかして、一部の医師達も…)
「1.このような場合乳がんの再発の可能性が高いのでしょうか?昨年からあったので、癌の見落としになるのでしょうか?」
⇒(もし癌で有った場合には)「再発ではなく」同時両側乳癌だったということになります。
「血液検査ではとりわけ問題なみつかりませんでした。」
⇒勿論、血液検査など無関係です。
「2.ネットなどでみるとエコーで青く広く移るのは、良性腫瘍、濃く丸く腫瘍の形がわかるように移るのが癌といったようなものもみかけるのですが、どうなのでしょうか?」
⇒エラストグラフィ―は「典型例」だけしか判断できません。(圧迫の歪みによる硬さの評価)
 そもそも(嚢胞なのか解らない様な)微妙な病変では判断基準になりません。
「3.マーモグラフィー乳腺は5キロ痩せただけでもかなり変わるのでしょうか?」
⇒変わります。
「4.再発の場合、先生でしたらどのような治療法をすすめますか?」
⇒1000%再発ではありません。
 (もしも癌ならば)普通に、「対側乳癌として手術」するだけです。
 
 

 

質問者様から 【質問2】

乳がんの術後、反対の胸にしこり [管理番号:3448]で質問した者です。
田澤先生、お忙しい中、丁寧なご回答感謝いたします。
主治医は何か質問してもあまりキチンと答えない、ため息をついてイヤイヤ答えることが多く、質問しにくい状況です。
どの病院も忙しいと思いますが、皆、田澤先生のように丁寧に答えてくれる医師が多ければ、悩む患者も減ると思います。
このQandAの存在に救われている患者様も本当に多いと思います。
本当にありがとうございます。
不安が大きく、重ねて、質問させてください。
昨年の右側乳がんの際は、右乳房のみ、触ってわかるしこり(触るとイメージとして赤ちゃんの握りこぶしほどに感じる)がありました。
左側乳房にはしこりはありませんでした。
乳がんがわかった当時、知り合いからプロテインなどの健康食品を勧められ飲んでいました。
そのせいか、左側乳房はかなり柔らかく、全体的にぷにょぷにょで、しこりやハリといったものは一切ありませんでした。
しかし、現在はプロテイン(大豆系のサプリ)は女性ホルモンのバランスに影響するから乳がんの人には勧められないという話を聞き、飲んでいません。
今、先日ご相談させていただいたようにしこりがあるためなのか、全体的に乳房が固く感じます。
(胸のサイズはかなり小さめです)
生理前、生理後ともにしこりは指で触れることができます。
ただ、生理前のほうが胸全体の塊というかはりなのかが大きくなり、終わると乳房が生理前よりは柔らかく感じます。
●質問1
このような症状の場合、乳腺症などの他の病気も考えられますか?
●質問2
それとも、やはり右乳房の癌を煩った経験がある者は、この左のしこり等の状況からみて乳がんの可能性の方が大きいのでしょうか?
●質問3
痩せたから、プロテインなど摂取する栄養状態が変わったから、乳房の固さやマーモグラフィーの乳腺映像が昨年と変わっただけという可能性はきわめて低いのでしょうか?
また、昨年の手術前は、左側に嚢胞はあってエコーで確認でき、主治医に質問したが、問題ないとのことで、細胞針等はしてもらっていません。
●質問4
通常はこの時点で検査すべきだったのでしょうか?
また、田澤先生のご回答で
「血液検査ではとりわけ問題なみつかりませんでした。」
⇒勿論、血液検査など無関係です。
とあり、他の方の回答などを拝見すると
●質問5
本来、術後の経過観察をするなら、3ヶ月に1回程度エコーで残った左乳房の検査をしていくのが正しい経過観察ということになるのでしょうか?
●質問6
もし、そうだとすると主治医がこの1年血液検査しかしなかったのですが、何のために血液のみ調べていた可能性が高いのでしょうか?
今の主治医のキツイ態度等には病の身としては、術後すぐなどはかなりつらく、病院の看護師さんなどに相談し、家族同伴できたらどうかとアドバイスを受け、現在は半年に1回家族同伴でいっている状態です。
(家族がいるとさずがに、態度は軟化し、ため息、キツイ口調などはなくなります。)
このような状態でも、手術をした病院でデータ、経過などをみてもらっているから続けた方がいいのではと考え、術後の経過観察に通っておりました。
しかし、今回、新たなしこりが見つかったこともあり、その検査の方法などが通常より雑というか、丁寧でないなら転院を考えるべきなのかとも悩んでいます。
●質問7
もし、左側が癌だった場合で、転院する場合、検査結果が分かったと同時に紹介状を書いてもらうのが良き、タイミングなのでしょうか?
●質問8
また、今回、また細胞針の結果、特に問題ないといわれた場合でも、他の病院で再検査した方がいいのでしょうか?
(何度も、放射線などを浴びるリスクが怖いなと感じ悩むところではあるですが)
お忙しい中、申し訳ございませんが、教えていただけると幸いです。
 

田澤先生から 【回答2】

こんにちは。田澤です。
「●質問1 このような症状の場合、乳腺症などの他の病気も考えられますか?」
⇒可能性はあります。
「●質問2それとも、やはり右乳房の癌を煩った経験がある者は、この左のしこり等
の状況からみて乳がんの可能性の方が大きいのでしょうか?」

⇒そんなことはありません。
「●質問3
痩せたから、プロテインなど摂取する栄養状態が変わったから、乳房の固さやマーモグラフィーの乳腺映像が昨年と変わっただけという可能性はきわめて低いのでしょうか?」

⇒マンモはそうかもしれませんが…
 USの所見は「それでは説明がつかない」と思います。
「●質問4通常はこの時点で検査すべきだったのでしょうか?」
⇒通常、乳癌の手術をする前に「対側で気になる所見があったら解決しておく(もしも癌ならば両側同時に手術すべきだから)」ものです。
 ただし、今回はあくまでも「嚢胞の所見」として「良性としか思えない」との判断だったようです。
「●質問5本来、術後の経過観察をするなら、3ヶ月に1回程度エコーで残った左乳房の検査をしていくのが正しい経過観察ということになるのでしょうか?」
⇒本来はそうですが…
 実際に私のように3カ月毎の超音波をしている施設は極めて稀です。(それで術後のフォロー目的で受診される方が多いのです)
「●質問6もし、そうだとすると主治医がこの1年血液検査しかしなかったのですが、何のために血液のみ調べていた可能性が高いのでしょうか?」
⇒それは担当医のやり方なのでしょう。(担当医に直接聞いてみてください)
「●質問7もし、左側が癌だった場合で、転院する場合、検査結果が分かったと同時に紹介状を書いてもらうのが良き、タイミングなのでしょうか?」
⇒「ベストのタイミング」などありません。
 いつでもいいと思います。
「●質問8 また、今回、また細胞針の結果、特に問題ないといわれた場合でも、他の病院で再検査した方がいいのでしょうか?(何度も、放射線などを浴びるリスクが怖いなと感じ悩むところではあるですが)」
⇒転院しても…
 再度レントゲンなど不要です。
 超音波して「組織診」するだけです。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

いつも丁寧なご回答ありがとうございます。
乳がんの術後、反対の胸にしこり   [管理番号:3448]
で質問した者です。
先日の細胞針の結果かがでました。
グレード4
でした。
田澤先生のサイト等を拝見しておりますと、細胞針という少ない病変判断で医師はグレード5(癌確実)というのは勇気がいるのでグレード4(癌の可能性が高い)とすることが多いと拝見し
私の場合、グレード4となるとほぼ癌に間違いないということにやはりなりますでしょうか?
私としては、田澤先生からアドバイスをいただいたように昨年、嚢胞が
あったさいに細胞診したら、ガンと分かれば両側乳がんとして、一度の手術で済んだのでは?
と疑問があり主治医には「昨年の嚢胞ががん化したってことですか?」
と聞くと
「昨年は右の乳がんを見ていた。
左は嚢胞にしか見えなかった」という回答でした。
私なりに考えると結局、一年前は両側乳がんとなるのではと思います。
グレード4はほぼ悪性となると思いますので、組織診で判定が覆ること
はないと考えてよろしいでしょうか?
この主治医にこれ以上、信頼はおけないので転院を申し出ました。
本当の理由を言うのも角がたつので、そこは同時再建はできない病院なので、再建したいのでという形で紹介状を書いてもらいました。
今後は、治療、再建含め考えていかないといけません。
そこで、それについてもいくつか質問させてください。
●質問1
1年もの間、嚢胞と間違えられて癌を放置された場合、どれぐらい進行してしまうものなのでしょうか?
●質問2
術後ですが、(今回の主治医の話では、前回同様小葉癌の可能性が高いとのことですが)前回のような病理解剖の結果であれば、
手術のみ、ホルモン治療のみ、抗がん剤を使う場合、再発率等はどれぐらい違うものでしょうか?
また、今後の再建ですが、私は皮膚が弱いこともあり、異物をいれたり、背中などの皮膚から移植する方法ではなく、BRAVAによる乳房再建を検討していました。
(メスをいれる範囲・体の負担が少ないように感じたため)
ただ、田澤先生の回答のなに(脂肪幹細胞注入型ー表現はちがうとおもいますが)は壊死の可能性があるのでおすすめしないというものがあったように思います。
●質問3
BRAVAによる乳房再建は脂肪を注入するので壊死の可能性が高いのでしょうか?
●質問4
シリコンなどの乳房再建は10年ごとぐらいに入れ替えが必要になったり、手術直後でも拒否反応が起こると皮膚が萎縮するなどのリスクがあるのが個人的には、肌が弱いのでリスクが高そうに感じましたし、自分の背中の皮膚等からの再建も傷も残るしと思い、BRAVAはそれにくらべると体に傷がつくリスクがすくないのではと思ったのですが、そうではないのでしょうか?
いろいろと勉強不足が多いかと思いますが、教えていただけると幸いです。
 

田澤先生から 【回答3】

こんにちは。田澤です。
「グレード4はほぼ悪性となると思いますので、組織診で判定が覆ることはないと考えてよろしいでしょうか?」
⇒細胞診だから「クラス4」ですね?
 その通りです。
 逆に、これで「組織診で良性」とでるようなら、(まずは)「組織診を疑う(上手く採れていないのでは?)」必要があります。
「●質問1 1年もの間、嚢胞と間違えられて癌を放置された場合、どれぐらい進行してしまうものなのでしょうか?」
⇒冷静に考えてみましょう。
 現時点でも(担当医が)「大丈夫だったということを確認するために検査」と言っている程度の病変なのです。
 かなりの「早期」である筈です。
「●質問2 前回のような病理解剖の結果であれば手術のみ、ホルモン治療のみ、抗がん剤を使う場合、再発率等はどれぐらい違うものでしょうか?」
⇒全く病理所見が無い現時点で、そのコメントをすることはできません。
 かなり早期だから「抗がん剤は不要」と想像されますが…
「●質問3 BRAVAによる乳房再建は脂肪を注入するので壊死の可能性が高いのでしょうか?」
⇒私は形成外科医ではありません。
 ただし、私が信頼する形成外科医の意見から「壊死する可能性が高い」と思っています。
「●質問4 シリコンなどの乳房再建は10年ごとぐらいに入れ替えが必要になったり、手術直後でも拒否反応が起こると皮膚が萎縮するなどのリスクがある」
⇒何事にもリスクはありますが…
 実際問題としては、それらは「かなり低い確率」です。
 
 

 

質問者様から 【質問4】

丁寧な回答ありがとうございます。
田澤先生のご回答でかなり動揺していた頭の整理ができてきました。
前回の私の質問の仕方が悪くて、申し訳ありません。
質問しても主治医の説明がないので前回の癌の結果についても詳しく教えていただけたら幸いです。
多くの場合、皆さんトリプルネガティブなど自分の癌のタイプをご存知の方が多いように感じます。
私が主治医に「私はトリプルネガティブですか?」と質問しても「トリプルネガティブではない。」
という回答ぐらいで、結局どんなタイプなのか1年前にもわかりませんでした。
今回、術後の経過観察の仕方など不信感を持つ場面が多く、専門家だからと任せるのではなく、患者も勉強が必要なのだと感じております。
そこで、正しい知識をあるていど持って、次の病院に行きたいとおもい
ますので、1番はじめのご相談時にも下記のように病理診断の内容を記
載させておりますが再度お知らせします。
(ネットへの掲載は省略していただいて構いません。)
ここから素人でもわかるように教えていただけたら幸いです。
質問1ー癌のタイプについて
●ホルモン受容体
エストロゲンの受容体(ER)は陰性なのか陽性なのか?
プロゲステロンの受容体(Pgr)は陰性なのか陽性なのか?
●HER2受容体は?
Ki67の値は?
質問2ー下記のような癌の場合の無治療、ホルモン剤のみ、抗がん剤上乗せ時のそれぞれの再発率
質問3
前回嚢胞と見落とされていた左胸のしこりが癌だった場合、前回と同様小葉癌(前回は一部に硬がんも混じる小葉癌)の可能性が高いでしょうか?
質問4
前回左側の嚢胞だと見落とされていた癌で、今回豆粒だいのしこりとなって現れた癌は、進行スピードとして、ゆっくり、普通、早いなど速度的なもので言えばどの程度なのでしょうか?
質問5
昨年の段階で、嚢胞のように見えた癌で見落とされ手術せずそのままの場合でも、ホルモン治療をしていればこの癌が今年(1年後には)消失していた可能性はあるのでしょうか?それとも抗がん剤でなければそれは叶わないのでしょうか?
または、癌が昨年から嚢胞のように見え存在した場合、化学療法で消失するなんて可能性はあまりないのでしょうか?
質問6
今回の病院で細胞針のみ行った状態で、組織針は行ってない状態で次の病院へ移ります。
病状について、今後の治療について、次の病院で聞いておいた方がよいこと注意点などあれば教えていただければ幸いです。
【病理診断】
right breast, mixed invasive lobular and ductal carcinoma,scirrhous,tumor
size:>80mm.mSBR:Grade2(t3.n2.m1)
s, ly(+), v(-), LN(+)(1/13)(sentine1:0/1, level I +II:1/12).
ILC:ER:>95%, PgR:60%, HER2:score1, MIB-1:20%, CK5/6(-), E-
cadherin(-)
IDC:ER95%, PgR:10%, HER2:score1, MIB-30%, CK5/6(-), E-
cadherin(+)
病理所見
右乳腺全摘、軽度~中等度の異型を示す比較的胞体に乏しい主要細胞が索状構造、孤在性、小型充実性胞巣状の増殖パターンを示して広範囲に浸潤増殖しています。
腫瘍の最大浸潤径はすくなくとも80cm以上となっています。
帆どんどはinvasive lobular careinomaの像ですが、♯7.9.11.13 においてはう一部に微小乳頭状,小集塊状に浸潤増殖するところが認められます。
免疫染色にてこのような成分はE-cadherinが陽性であり、
invasive lobular careinomaの混在と考えられます。
後者は全体の30%程度と推察され、全体としてはmixedinvasive lobular and auctal
carcinomaと評価されます。
腫瘍は脂肪組織や乳頭部皮膚に浸潤し、表皮直下に及んでいます。
リンパ管浸潤が散見されます。
静脈侵襲は明瞭でありません。
背景乳腺にはfibocystic change adenosiがみられます。
リンパ節に小葉癌の転移を認めます。
転移巣における免疫染色の結果は下記の通りです。
LN:Level I+II(1/12腫大しているLevel Iリンパ節に転移あり)
ER:>95%, PgR:60%, HER2:score1, MIB-1:20%, CK5/6(-), E-
cadherin(-)
 

田澤先生から 【回答4】

こんにちは。田澤です。
質問1ー癌のタイプについて
●ホルモン受容体
エストロゲンの受容体(ER)は陰性なのか陽性なのか?
プロゲステロンの受容体(Pgr)は陰性なのか陽性なのか?
⇒70%を占める浸潤性小葉癌と(残り)30%を占める浸潤性乳管癌の両方でどちらも陽性です。
●HER2受容体は?
⇒70%を占める浸潤性小葉癌と(残り)30%を占める浸潤性乳管癌の両方でどちらも陰性です。
 ♯ HER2は 
0,1+ :陰性
2+   :FISHで要確認
3+   :陽性
Ki67の値は?
⇒70%を占める浸潤性小葉癌:20%
 (残り)30%を占める浸潤性乳管癌:30%
 ♯ちなみにKi67はMIB-1のことです。
質問2ー下記のような癌の場合の無治療、ホルモン剤のみ、抗がん剤上乗せ時のそれぞれの再発率
⇒無治療:54%
ホルモン療法のみ:37%
ホルモン療法+抗がん剤:26%
質問3
前回嚢胞と見落とされていた左胸のしこりが癌だった場合、前回と同様小葉癌(前回は一部に硬がんも混じる小葉癌)の可能性が高いでしょうか?

⇒前回の回答を見てもらっていますか??
 (以下、抜粋)
 強調したいのは
 『右乳癌が左胸に転移するなど1000%ありえない』ということです。
 何がいいたいかというと、左の所見は(それが何であろうと)右とは絶対に無関係なのです。(担当医には、その認識に欠けているかもしれませんが…)
 つまり、(もしも癌なら)「全く新しくでた癌(転移や再発では1000%ない)」
という認識は実は非常に重要なのですが、皆さんが誤解していることでもあります
(もしかして、一部の医師達も…)
♯左右は無関係ですから、不明です。
質問4
前回左側の嚢胞だと見落とされていた癌で、今回豆粒だいのしこりと
なって現れた癌は、進行スピードとして、ゆっくり、普通、早いなど速
度的なもので言えばどの程度なのでしょうか?

⇒「早くはない」と思います。
質問5
昨年の段階で、嚢胞のように見えた癌で見落とされ手術せずそのままの
場合でも、ホルモン治療をしていればこの癌が今年(1年後には)消失
していた可能性はあるのでしょうか?それとも抗がん剤でなければそれ
は叶わないのでしょうか?
または、癌が昨年から嚢胞のように見え存在した場合、化学療法で消失
するなんて可能性はあまりないのでしょうか?

⇒全く「ケースバイケース」であり、何とも言えません。
質問6
今回の病院で細胞針のみ行った状態で、組織針は行ってない状態で次の
病院へ移ります。
病状について、今後の治療について、次の病院で聞い
ておいた方がよいこと注意点などあれば教えていただければ幸いです。

⇒是非、組織診を行ってください。
 右とは全く無関係です。