Site Overlay

乳癌でしょうか?

[管理番号:888]
性別:女性
年齢:42歳
 
 

質問者様の別の質問

質問が新たな内容のため、別の管理番号としました。
質問者様の別の質問は下記をクリックしてください。
管理番号:1055「突然の方針変換

 
 
2.3ヶ月前から胸にズキーンズキーンという痛みがあり、7月からは毎日痛みがあったため、先日近くの産婦人科を受診し、エコーでシコリがみつかりました。生体検査の結果は異常なしでしたが、紹介状をもらい市民病院で乳腺外来を受けるようにとのこと。
エコー検査の結果、シコリが2個見つかり、脇の下も腫れていました。痛みもずっと続いています。マンモ、血液検査を受け、リンパと2ヶ所のシコリから組織?ですかとり検査となりました。
1週間後、造影CTをとって、
また1週間後に結果が出るので家族の人も一緒に来てください。との事でした。
癌の疑いありでしょうか?
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 検査の流れからすると、残念ながら「乳癌の疑いが高い」と(少なくとも)担当医は考えている事がうかがわれます。

回答

「リンパと2ヶ所のシコリから組織?ですかとり検査となりました」
⇒(良性を疑う場合に)リンパ節の細胞診は決して行いません。
 
「癌の疑いありでしょうか?」
⇒残念ながら「乳癌の可能性は高い」と思います。
 MRIならまだしも「造影CTを撮影する理由」は(癌であるかとい)」診断目的ではなく(癌であることを前提として)「転移があるか?」だからです。
 
 

 

質問者様から 【質問2 不安になってきました。】

先生お忙しい中お返事ありがとうございました。
大丈夫だ!って思ってたのでちょっと心配になってきました。
リンパと先日お話した部位は脇の下の腫れている所から採取したのですがそれはリンパ節で合ってますか?
私の結果が乳癌であった場合、どのような治療になり期間はどれくらいになるでしょうか…明日はCT検査です、転移はない事を祈りたいです。
お忙しいのに再度質問をしてしまい申し訳ございません。
 

田澤先生から 【回答2】

 こんにちは。田澤です。
 「腫瘍とリンパ節から細胞診(腫瘍からは針生検?)」「造影CT」「結果はご家族と一緒」これらのキーワードを出しながら、「乳癌が疑われます」とかのコメントは担当医からは無かったのでしょうか?

回答

「リンパと先日お話した部位は脇の下の腫れている所から採取したのですがそれはリンパ節で合ってますか?」
⇒これは、リンパ節です。
 「腫れていない限り(転移とは限りませんが…)」リンパ節の細胞診はしないので、(転移かどうかは別として)「リンパ節が腫れていた」と思います。
 
「乳癌であった場合、どのような治療になり期間はどれくらいになるでしょうか」
⇒状況が不明なので、あくまでもザックリとお話します。
 基本は以下の3点です。
•手術(腫瘍からは十分距離を離して部分切除(温存術)もしくは乳腺の全摘出)
•放射線(温存手術を選択した場合には、原則全例で放射線照射を行います)
•薬物療法(ホルモン療法と抗がん剤と分子標的薬があります。其々の使い分けは(腫瘍の進行度ではなく)「腫瘍の性質」により行います。
更にサブタイプとは…
組織検査(針生検や手術標本)などで以下の3点を調べます。
・エストロゲンレセプターの発現(ER)
・プロゲステロンレセプターの発現(PgR)
・HER2蛋白の過剰発現の有無(HER2)
⇒これらの組み合わせで
●luminal type:(ER陽性、PgR陽性、HER2陰性) ホルモン療法が有効(更に増殖指数Ki67の値が低いAと高いBに分けます)
♯luminalA(Ki67低値)ではホルモン療法単独を、luminalB(Ki67高値)には(ホルモン療法に加え)化学療法も行う事が多い
● HER2 type:(HER2陽性のもの) ハーセプチンという分子標的薬と通常の抗癌剤の組み合わせを行う
●トリプルネガティブ:(ER陰性、PgR陰性、HER2陰性)通常の抗癌剤を行う
●トリプルポジティブ:(ER陽性、PgR陽性、HER2陽性)ホルモン療法と分子標的薬と抗癌剤の全てを行う
 ※正式名称はluminal B(HER2タイプ)と言います。
 
 

 

質問者様から 【質問3】

先生、結果が出ました。シコリ2個、リンパ節共に悪性腫瘍でした。シコリは2センチ
と1.5センチで温存は無理で全摘、脇の下のリンパ節も摘出になりました。今の所内
蔵等に転移はみられませんでしたが、手術が1ヶ月後でその間に他への転移とか更に
悪化等は大丈夫なのでしょうか?医師に確認したのですが大丈夫でしょうとの事でし
た。生針検の結果ですが、英語?なのでわからないのですが担当医が印をつけたとこ
ろはINVASIVE DUCTAL CARCINOMAとgrade3でした。かなり進行してるのでしょうか…
先生の病院が近くだったらどんなに良かった事かと…
なんども質問、すみません。
 

田澤先生から 【回答3】

 こんにちは。田澤です。
 乳癌の診断。お気持ちお察しします。

回答

「シコリは2センチと1.5センチで温存は無理で全摘」
⇒複数の腫瘍があれば「乳腺全摘」は仕方が無い事です。
 
「脇の下のリンパ節も摘出」
⇒腋窩リンパ節に転移が確認されているので「センチネルリンパ節生検の適応」はな
く、「腋窩郭清」となります。
 
「手術が1ヶ月後でその間に他への転移とか更に悪化等は大丈夫なのでしょうか?」
⇒大丈夫です。
 乳癌は「そんな短期間での進行」はありません。
 
「INVASIVE DUCTAL CARCINOMAとgrade3」
⇒浸潤性乳管癌、グレード3です。
 浸潤性乳管癌は「最も一般的な乳癌=通常型」であり、更に「乳頭腺管癌」「充実
腺管癌」「硬癌」の3つに分けられます。
 グレードは3段階あり、以下のように評価された結果です。
 「核グレード」は「核異型の点数」+「核分裂の点数」です。
・核異型 
弱い:1点
中間:2点
強い:3点
・核分裂 
5個未満(10視野で):1点
5~10個(10視野で):2点
11個以上(10視野で):3点
・核グレード(NG) 核異型の点数+核分裂の点数
2点、3点 :核グレード1 
4点    :核グレード2
5点、6点 :核グレード3★
 
「かなり進行してるのでしょうか」
⇒そんな事はありません。
 担当医からステージは言われていませんか?
 リンパ節転移が確認されているので2期となりますが、「進行癌」ではありません。