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術後治療について

[管理番号:5033]
性別:女性
年齢:46歳
こんにちは
初めてメールさせていただきます。
大病院で、6月初旬に左胸部分切除手術をうけました。
病気が発覚しからたびたび乳がんプラザを拝見し、乳癌の知識は先生から学んでいる状況にあります。
乳癌の手術は、乳がん治療のほぼ入り口かと思います。
大病院の乳腺外科の先生は信頼して治療を受けることができました。
乳癌プラザで拝見するお話と同じような説明を受け、適切な標準治療を受受けることができたと実感しているからです。
私の担当医の先生もお若い方でしたが、立派な先生なのでしょう。
先日、病理の結果がでました。
以下の通りです。
浸潤性乳管がん 硬癌
グレード3
リンパ侵襲 ly3+
リンパ節移転なし 微小転移1か所
浸潤径2.4~2.7センチ
腫瘍径2.0センチ
ER60%
PgR80%
Ki67 40%
HER2 1+
外科手術を終えたところで、これからが治療の本番だと思います。
病理の結果を踏まえて、先生のご教授お願いいたします。
①術後治療
 ※今の病院では、抗がん剤をするしないは、
  本人の意向によるようです。
 ・抗がん剤の是非について、
  また、どのような抗がん剤を使うべきか。
 ・TS-1抗がん剤とホルモン治療での治療の是非について。
 ・たまにインターネットなどで見る遺伝子治療の併用について
②すでに全身に微小ながんが転移している可能性?
③再発の可能性
④(おまけの質問)左胸の膨らみの真下あたりにここ数日硬い部分と痛 みを感じるようになりました。
術前の検査ではなかったのですが、新
 たに、がんが成長した!ということはないでしょうか。
よろしくお願いいたします。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
質問者のように「大病院」で診療を受ける方がいらっしゃらないと教育を含めた医療
が回らないのでその意味でも立派だと思います。
「・抗がん剤の是非について、  また、どのような抗がん剤を使うべきか。」
⇒Ki67=40%
 この値で「ルミナールBとして抗癌剤を勧めない」としたら、誤った診療と言えます。(ルミナールBでは抗癌剤の併用が常識です)
 ただし、OncotypeDXをすることで(Ki67の値にかかわらず)「ルミナールAとなる可能性」があります。
 ♯逆に言えば(OncotypeDXをしない限り)「Ki67=40%はルミナールBと判断すべき」なのです。
 行うとしたらTC
「 ・TS-1抗がん剤とホルモン治療での治療の是非について。」
⇒TS-1は絶対に行ってはいけません。
 「適応外」です。
 是非『今週のコラム76回目 「手術不能乳癌と転移再発乳癌」は添付文章では「手術不能又は再発乳癌」と一括りにされていることからも解るように、『手術不能乳癌と転移再発乳癌の扱いは一緒』なのです。』をご一読ください。
 
「・たまにインターネットなどで見る遺伝子治療の併用について」
⇒エビデンスが全くありません。
「②すでに全身に微小ながんが転移している可能性?」
⇒誰にもわかりません。
 逆に言えば「その可能性が全くなければ」術後補助療法は不要となります。
「③再発の可能性」
⇒それを減らすために術後補助療法があるのです。
「④(おまけの質問)左胸の膨らみの真下あたりにここ数日硬い部分 新たに、がんが成長した!ということはないでしょうか。」
⇒担当医を信じてあげましょう。