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再発乳がん今後の手術と治療

[管理番号:130]
性別:女性
年齢:55歳

H24.4月 ER90% PGR70% HER2- MIB-1 50%の細胞診結果でアリミデックス半年服用
H24.5月 センチネルリンパ節生検3個中転移なし
H24.10月 腫瘍3センチ⇒4,4センチになり右胸全摘
ER-、PGR± HER2-、MIB-1 50% 3.2×3×2.7の腫瘍
H25.1~6月 FEC4クール、ドセタキセル4クール
H26.6月 CT検査にて右脇リンパに1,1センチの腫瘍
H26.9月 CT検査にて6月と変わりなし
エコーでは1、2センチの楕円形6月とほぼ変わりなし
H26.12月まで 腫瘍マーカーは基準値内
H27.2月 CT検査にて1,4センチ
エコーでは3つの腫瘍が連なったような形の全長1,8センチの串団子のような形

以上が今までの経過です。
担当医にはリンパ郭清(全部と言われましたのでレベル3まで?)と言われ3/11までの診察までに返答をする予定になっています。
肥大がある場合にはやはりレベル3までなのでしょうか?浮腫が心配です。
レベル2で放射線治療という選択もあるでしょうか。
その後の治療は術後の病理結果を見てからだと思うのですが、抗がん剤治療は免れないでしょうか?
強い抗がん剤でも再発したことを思うと、意味のなさを感じます。
そして全身への副作用を思うと精神的肉体的ダメージの方が強く感じます。(動悸や不整脈がいまだにあります)
でもしかしやらなかったら遠隔転移の危険も恐ろしく、やらないという決心が鈍ってしまい、何とも優柔不断の自分がいます。
初めての質問で長々とすみません。
(2015年2月の質問)
 

田澤先生からの回答

 こんにちは。田澤です。
 詳細を教えていただきありがとうございます。
 内容は良く解りました。
 それでは回答します。

回答

 まず、「センチネルリンパ節生検」後の「腋窩リンパ節再発」は通常の術後再発とは分けなくてはなりません。
 私がこのメールを読んでの状況把握は「3個のセンチネルリンパ節生検では陰性(転移なし)」ではあったけど、実際には「腋窩リンパ節転移」が実は(術前から)存在していた。
 (術後半年間における化学療法で、抑えられていたが)その後1年経過して、再燃した。という解釈です。
 
 他(骨、肺、肝)に転移が無いとすれば、「腋窩リンパ節は再発というよりは、もともと転移があったけど(センチネルリンパ節生検では確認できず)、化学療法後の再燃」という解釈です。
 これであれば、やるべきことは「局所療法」です。
 
「肥大がある場合にはやはりレベル3までなのでしょうか?浮腫が心配です。レベル2で放射線治療という選択もあるでしょうか。」
⇒画像上、腫大している部分(今回の場合は文章から推測すると、レベルⅠのみと思われます)の郭清を行い、画像上腫大していないリンパ節(レベル2~3)は術後照射でいいと思います。
 そのようにすれば浮腫の可能性は低くなります。
 
「その後の治療は術後の病理結果を見てからだと思うのですが、抗がん剤治療は免れないでしょうか?」
⇒前回の術後にFEC+ドセタキセル をやってますので、必ずしも「化学療法は必要ないと思います。(CTや骨シンチグラム/PET)などで他に再発部位が無ければ「無理して化学療法をする必要はありまえん」
 ※摘出したリンパ節(術後、再度サブタイプが判明します)のサブタイプがluminal typeであれば、ホルモン療法はやってもいいと思います。