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高齢者 乳がんの肺での再発抗がん剤治療について

[管理番号:4457]
性別:女性
年齢:79歳
2014年11月(77歳の時)肺癌と乳癌トリプルネガティブが見つかり
2015年1月に左肺下葉を切除
2月に左乳房全摘、術後抗がん剤なし。
7月に左肺上葉に再発。
手術により切除。
生検により乳がんの転移とわかる。
2015年末に左肺胸膜に再発
2016年1月よりゼローダ服用
重篤な副作用なく3月には腫瘍マーカー低下。
腫瘍の縮小見られた。
2016年9月 腫瘍マーカー上昇はじまる
11月 右肺にも転移あり
パクリタキセルの選択迫られるが決心つかず
12月よりTS1服用に切り替え
現時点で効果なく服用中止
転移腫瘍 目にみえて増大
左右にそれぞれ3cm大?ひとつずつと細かい転移多数がある。
パクリタキセルとアバスチンの治療をするかそのまま治療なしにするか本人の選択待ち。
老夫と2人でほとんど家で過ごす生活。
時々だるさ息切れはあるものの現在家事全般一人で行っている。
今年80歳なので抗がん剤治療でこの生活が維持できるかの不安はあるものの、
このまま治療なしだと呼吸困難などのつらい症状がでるのは時間の問題ではないかと家族も迷います。
高齢者のパクリタキセルの使用はあまり例がないとのことですが先生ならどのようにお考えになりますか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
「高齢者のパクリタキセルの使用はあまり例がない」
⇒私自身の患者さんでは「珍しくも何ともない」ですが…
「先生ならどのようにお考えになりますか。」
⇒私なら、(そもそも経口抗がん剤より先に)「bevacizumab + paclitaxel」を行います。
 効果と副作用が最もバランスされた治療と考えていいでしょう。
 ○大事な事は「目標設定」です。
  Bevacizumab + paclitaxelは楽な治療法とはいえ、「いつまで続くか解らない」では「motivation」が上がりません。
  「Bev + pac」を3カ月⇒(より副作用の楽な)「elibrin」を3カ月
  (画像上、効果が上がれば)そこまで頑張れる筈です。
  そしたら、休薬するのです。