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乳癌の検査、生存率について

[管理番号:4093]
性別:女性
年齢:43歳
田澤先生、初めまして。
機械ものに弱く、乳癌の治療中に田澤先生のことを同じ病気の方から伺い、もっと早くに知れば良かったと思っています。
下記、質問をどうかよろしくお願いします。
4月に両胸硬癌と診断され、抗癌剤(cefとドセタキセル4回ずつ)→
両胸全摘→ホルモン剤を最近開始しました。
右は、ルミナルBでステージ2b。
大きさ35×25×30→30×25×25。
浸潤径2
センチ以上→2センチ以下。
リンパ郭清17個中3個。
抗癌剤効果グレード
1a。
HER2は、1+。
k67は、右は測ってないがn1でLOW。
左は、ルミナルAでステージ2A→1期。
大きさは1センチ弱→消失。
浸潤径2センチ以下。
リンパ郭清しないも転移なし。
抗癌剤効果グレー
ド3。
HER2は0。
ki67は、LOW。
脈管侵襲は、共になしで各異形度も共に1。
ホルモンも共に、ERで陽性。
1、脈管侵襲がないので、リンパが3個でも放射線はいらないのこと。
私的には、少しでも再発率や生存率が上がるならやりたいと思うのですが、その時は、リンパが3個とショックで病理結果を聞くのがやっとでした。
やはり必要ないのでしょうか。
2、また放射線をした場合は、再発率や生存率は、どれくらい上がりますか。
3、例えば、リンパの個数が少ない方が良いと思いますが、一個と三個だと、どれくらい生存率や再発率が変わるのでしょうか。
4、私の場合の生存率、再発率を教えたください。
根治はのぞめますか。
 

田澤先生からの回答

こんにちは。田澤です。
ルミナールタイプだし、両側全摘しているのだから、一体「何のために術前抗がん剤したのか?」疑問が残ります。
「1、脈管侵襲がないので、リンパが3個でも放射線はいらないのこと。やはり必要ないのでしょうか。」
⇒不要です。
 乳房全摘後の「放射線照射の適応」は「リンパ節転移4個以上」です。
 ただし、本来は「抗ガン剤前の状態」を基準にして考えるべきものです。(つまり、術前画像評価で4個以上転移が疑われていた場合には、本来必要となります。)
 ♯担当医に確認しておきましょう。
「2、また放射線をした場合は、再発率や生存率は、どれくらい上がりますか。」
⇒不明です。
 全身療法が発達した現在では、おそらくそれ程の「上乗せはない」と考えられます。
「3、例えば、リンパの個数が少ない方が良いと思いますが、一個と三個だと、どれくらい生存率や再発率が変わるのでしょうか。」
⇒そのようなデータはありません。
 一般的には「転移なし」「1~3個」「4~9個」「10個以上」で分けています。
「4、私の場合の生存率、再発率を教えたください。」
⇒「核グレード」の記載もないし、情報が不足しています。
 そして、そもそも「術前化学療法」を行うと、正確な評価が困難となります。
「根治はのぞめますか。」
⇒本気で、そんな風に思っていますか?
 もしも「質問者のステージで抗ガン剤をしても根治がのぞめない」ようであれば、
「乳腺外科の外来は再発患者さんで溢れて(混雑で)大変な状況」となってしまうでしょう。
 実際には、(巷で言う程の)再発率は無いというのが実感です。
 ○おそらく抗ガン剤をしてホルモン療法を行えば,「無再発生存は90%近くまである」と思います。